きっとここまでの大きさを許された腕時計はパネライしか無いのだと思います。
どうしたって大きな腕時計を作れば粗さが残りますし、大きすぎておもちゃの様な安っぽい印象を相手に与えるはずです。
しかしパネライの大きさは現代の大型時計ブームに乗ったものではありません。
遥か80年もの昔から「大きさを必要とされる環境」にて腕時計を作ってまいりました。
深海での視認性を確保するために大型化した文字盤、そこに従来での腕時計作りでは考えられない量の夜光塗料を塗布しました。腕元にはコンパスに深度計そしてパネライの腕時計。
一瞬で計器を読み取るための必要な「大型化」でした。
トレンドを読んでの大型化ではなくはるか80年前に確立されていた機能美としての大型化だったのです。いわゆるホンモノなのです。その当時はまさか80年後にこの腕時計が大ブームを巻き起こそうとはその当時のパネライも思いもしなかったと思います。
ですから私の中でパネライこそがホンモノのデカ厚時計であり、必要に応じて進化したそのデザインに心惹かれるのであります。
私が今まで買ったパネライのほぼ全てが「レフトハンド」モデルです。
要するに左利き仕様としてリュウズが本来の腕時計とは反対の方向に装着されています。
これによって私の思うパネライ最大の弱点である「リュウズが手の甲に当たって痛い」というポイントを克服しています。
正直パネライユーザーの方は一度レフトハンドを試してみてください。手首周りの快適感が半端じゃないです。私も今回パネライを買う際は右利きモデルにしようかと考えて試着してみましたが、やはり右利きモデルは手の甲に違和感を感じて結局レフトハンドモデルを買いました。
私はレア度の点からも使いやすさからもこれからもレフトハンドというこだわりを持ってパネライを買い続けて行きたいと改めて思っているところです。
以前は47mmモデルにはユニタス6497というムーブメントをカスタムしたものを搭載していたパネライですが、このP.3000キャリバーはパネライの中でも大型手巻きモデルに搭載すべく開発された自社ムーブメントであります。
正直自社なんだかETAの設計図をコピーして作ったのだかわからないようなエセ自社ムーブメントが多い中でパネライのムーブメント作りは本当に好感が持てます。
そして何よりパネライの時計作りはユーザーがパネライに期待することを良く読み取っています。
以前の47mmモデルに搭載されていたユニタス6497カスタムムーブメントを見ながらその辺りを書いていきます。
こちらが2007年頃までの主力ムーブメントであったユニタス6497カスタムムーブメントです。
私個人としてはこのユニタスムーブメントも嫌いではありません。特に構成部品数が65個ですのでシンプルゆえの類まれなる堅牢性を持っていることも事実です。時計修理を担当する人達にも「世界一丈夫な機械」として評価されている点からもパネライの質実剛健なイメージにバッチリだと思います。
このユニタスとパネライのP.3000キャリバーを比較すると、現在のP3000キャリバーは2枚の大きな天板に歯車が隠されほとんど見えない点とテンプ周りの緩急針が撤廃されていることがわかります。
自社ムーブメントを開発するにおいては他社のムーブメントを流用するよりもデザインの自由度が高くもっとパネライは豪華絢爛な見た目のムーブメントにすることも出来るはずなのです、しかしあえて見た目よりも地板と天板で歯車を挟むことにより実現する「堅牢性」をさらに重視したムーブメントになっているのです。
これはパネライがユーザーがパネライに求めているのは「華美な装飾」ではなく「タフに使える」ということだとわかっているからに他ならないのです。
無駄な装飾よりも今より0.01%の故障率を下げることを優先した機械づくりを選んだのです。
正直私の感覚ではロレックスの次にパネライの手巻きモデルは壊れないという印象があります。これは私自身がたくさんの腕時計を使ってきての経験ということもありますし、事実この2社以外の腕時計は壊れる友人が多いというのも事実だからです。
パネライの自社ムーブメントは安定した精度を生み出し、かつ故障が少ないというパネライの特色をさらに昇華させたものだと言えるでしょう。
壊れにくい。
精度が安定している。
防水性もばっちり。
時計作りの歴史もしっかりしている。
革ベルトの着せ替えが楽しい。
スーツにも合う。
勿論カジュアルにも合う。
一目でわかるわかりやすいデザイン。
パネライって本当に優秀な腕時計です。腕時計に男の子が求める要素を全て持ち合わせていると私は思います。
そして私自身パネライの腕時計は一度も壊れた事がありません。長年使用していますがこれは紛れもない事実です。