ゼニスは焦ったに違いない。
あのロレックスが自社製クロノグラフムーブメントを開発していること知った時は・・・
90年代にはすでに幻のクロノグラフ、キングオブクロノグラフの地位を獲得していたコスモグラフデイトナ。
1998年には新ムーブメント完成間近の報が時計業界に流れます。
完成間近・・・マジか?(シャレ)ZENITHは焦った。
ロレックスが離れてしまう・・・。
大口顧客がいなくなっては自社モデルがさほど売れていないゼニスにとっては痛手だったでしょう。
それよりもロレックスが使用しているムーブメントと言う肩書きが無くなることの方が痛手でしょうか。
「御用達」じゃなくなってしまう・・・
そこでゼニスが目を付けたのがヴァンドーム(現リシュモン)のブランド「パネライ」でした。
まぁ、どちらかと言うとパネライが話題集めにエルプリメロを採用した方が正解でしょうけどね。
パネライはイタリアの海軍に納入していた歴史を持つミリタリーウォッチでしたが、市販デビューに合わせて時計ファンの心を鷲掴みにする決定打が欲しかったのでしょう。
ロレックスが使っているクロノグラフをパネライでも使用しますよ!とね。
最初のつながりは1999年。
PAM00052が500本限定でリリースされました。
2トーンダイヤルのイカした40mmルミノールクロノです。
2000年にはキャリバー4130がお披露目されロレックスとゼニスの蜜月は終わりを迎えます。
と、同時にリリースされたのがCAL.OP IV(エルプリメロ)を搭載したPAM00072、PAM00074。
PAM52とは異なりレギュラーラインに乗り、モノトーンダイヤルにまとめたシックなデザイン。
そしてパンダ仕様のフライバック(OP VI)を追加したPAM00060も誕生します。
パネライはその年の生産数を決めてリリースしています。
多くてもPANEelシリーズは1000本ほどしか世界に存在しないとなれば、その稀少性がおわかりになるでしょうか?
52、60、108は1年、72、74は3年間、121、122は最終グレー2トーンダイヤルですが全生産数不明です(途中でEL PRIMEROの供給が止まったと言われてます)
つまりリシュモングループとLVMHグループが、打倒ロレックスとして手を組むことは今後無いと思われます。
高い壁を1度は超えたのに・・・コングロマリット同士の思惑から握った手を離すことになります。
2度とないコラボレーション、名機エルプリメロを搭載した使い勝手の良い40mmのルミノールケース。
防水もある、デイト表示もある、裏スケでもある。
16520より格好良いし便利じゃないですか?
しかも今人気の2トーンダイヤルもラインナップされていますしね。
リーマンショック後のパネライ人気の陰りが、このレアな組み合わせを台無しにしてしまっています。
本来人気のあるブランド「パネライ」と、人気のあるムーブメント「エルプリメロ」がコラボレーションしたのだから人気が2倍3倍となって良いはずです。
実際ここ1年、16520の高騰ぶりは皆さんもご存知でしょう。
LOUIS VUITTONとSUPREMEのコラボレーションもそう、サザンオールスターズの桑田佳祐とミスターチルドレンの桜井和寿のコラボレーションもそう。
人気者同士が手を組んで人気が無いわけがない。
そう、人気が出ないわけがない。
以前PANEelシリーズは人気爆発だった頃ありました。
時計が何でもかんでも高い時期に重なります。
2007年くらいがピークだったでしょうか。
パネライの作った「デカ厚ブーム」もありました。
2000年くらいには50~60万円だったPAM72も、100万円オーバーの希少モデルとしてチヤホヤされた時期ありましたよ。
フライバックも150~200万、AMGに至っては・・・。
完全にロレックスのデイトナより高く販売されていたのです。
みんなが憧れていたな~。
はい、で何が言いたいのか?・・・と、言いますと「また、人気が出るんじゃないか?」と思ったのです。
単に16520のブレイクきっかけだけではありません。
最近のパネライの新作より、初期の方が人気があることもありますね。
実力はあるのです。
デザイン、スペックは申し分ありません。
サイズだって40mmなのでスーツにも合うし、当然ですがカジュアルにも合います。
ややメンテナンス費は高くつきますが、リシュモングループなのでメンテナンス環境には困らないでしょう。
パネライが、もう一咲きしたら買うチャンスが無くなるかも知れません。
欲しいと思ったら、それが買い時!
現在販売中は2本だけ!
PAM00072と00074でした。