はじめに
本日はハミルトンよりキング・オブ・ロックンロールであるエルヴィス・プレスリーの生誕80周年を記念して作られたモデル、“ハミルトン エルヴィス 80 オート(H24585331)”を実機紹介していきます。
その前にハミルトンとアイコンウォッチ“ベンチュラ”の簡単なご説明をしましょう。
ハミルトンは1892年にアメリカのランカスターに創業し、現在はスイスに本拠地を構えるアメリカ生まれスイス育ちのブランドです。オメガやブレゲ有する世界最大の時計製造グループ“スウォッチグループ”に所属し、コスパとデザインに秀でた時計を生み出しています。
その中でも同社のアイコンウォッチとして有名なのが、非対称ケースが特徴の“ベンチュラ”です。1957年に世界で初めて電池をエネルギー源とするcal.500を搭載して世に放たれたこのベンチュラは、フィフティーズを魅了し現在でも先進的だと言われ続けています。
そして今回ご紹介するのは、そのベンチュラに魅せられた一人でもあるキング・オブ・ロックンロールと呼ばれるエルヴィス・プレスリーの生誕80周年を記念して作られたモデルです!
実機紹介

HAMILTON/ハミルトン エルヴィス 80 オート(H24585331 173,880円)
via @ゆうきち
ベンチュラを愛用していた世界的ロックスター“エルヴィス・プレスリー”の生誕80周年を記念して発売されたモデル。通常のベンチュラと違い、正三角形に近い形をしているのが特徴です。
真っ黒だとカジュアルな印象になりがちですが、艶アリ部分と艶無しの部分で同じ黒でも色味や反射の仕方が異なるので、思ったよりメリハリがありますね。大人の個性派ウォッチといった印象です。
ケースはオールブラック。316LステンレススティールにPVD加工を施した重厚感あるブラックケースに自動巻ムーブを搭載しています。この“PVD”という加工方法、知らない方もいらっしゃるかと思いますので簡単にご説明します。
PVDとはPhysical Vapour Deposition(物理蒸着)の略称で、その名の通り薄膜(メッキ)の素材となるチタンや炭素などをイオン化し、蒸着させる加工方法をいいます。鮮明な着色、耐磨耗性の向上、摩擦の低減が特徴で、従来のメッキのように「ぺりぺり」と剥がれてこないというメリットがあります。
もちろん10年~20年という長い期間を見れば、摩耗や傷で少しずつ薄くなることはあるかもしれませんが、これまでのメッキに比べれば圧倒的に強いのがこのPVDという加工方法です。安価なGF、GPなどは確かに劣化で剥がれますからね…。
さて、この三角形のケースの風防。形状が形状なのでミネラルだと思っていましたが、サファイアガラスを使用していました。
ケースの形状に合わせてこのシリーズのために設計された、カーブ型のサファイアガラス風防が採用されており、その加工が難しいのは周知の事実かと思いますが、ケースサイドまで覆うこの風防はかなり特殊な形状。この価格帯ですからね…。ミネラルだと不安だったので、サファイアガラスの使用は素晴らしいと思います。
ケースサイズは42.5×44.6。実物を見るまで、大きいであろうという先入観がありました。しかし今回、実際に腕に乗せてみると、その存在感からは考えられない着用感の良さがあります。
おそらく、ケースの緩やかなカーブと、そこから同一線上に伸びる専用ラバーストラップによるものでしょう。
さらに通常、ケースの上下部分にあるラグ部分がないので、普通のラウンド型42㎜の時計と比べると縦のサイズが小さいんです。手首が細いからと諦めていた方は一度試着してみてください。
搭載するムーブメントはH-10。ETA2824-2をベースにハミルトンとETA社が合同で開発したロングリザーブムーブです。標準持続時間は80時間を達成しており、同じ価格帯では圧倒的コスパを達成しています。
もちろん裏ブタはトランスパレント化されているので、ムーブメントの動きを見ることができます。防水性は5気圧防水の生活強化防水です。
今後、2020年に実行されるETAの供給停止による影響を受けないスウォッチグループ傘下のハミルトンは、今後メンテナンスができなくなるということもなく、安定したサービスを受けられます。
こういった個性の強い時計の中では珍しく、長く愛用できるモデルだと言えそうです。
まとめ
このモデルに関しては好き嫌いがはっきり分かれるでしょうが、先入観を捨てて一度実物をご覧になることをお勧めします。価格を考えれば素晴らしい出来ですが、若干癖があるデザインですしね…。
とはいえ、この非対称ケースにブラックPVD、差し色のオレンジで非常にまとまったデザインからも、個人的にはベンチュラシリーズで一番おすすめしたいモデルです。
気になったら一度お近くのハミルトン販売店に行ってみてくださいね!!!
というわけで今日はここまで。またお会いましょう!ゆうきちでした!