はじめに
TISSOTは1853年に創業、世界で名の知られたブランドの中ではブランパン、バシュロン、ブレゲ、ロンジン、ルクルトに次いで6番目に古いメーカーです。(ROLEXは1905年、OMEGAは1903年の創業)
トラディショナルウォッチの販売数において、世界でトップを誇る同ブランドは伝統を重んじ、変化を恐れない世界有数のウォッチメゾンとして世界160ヵ国以上で愛されています。
また、近年ではスポーツとの関わりも深く、NBAのオフィシャルタイムキーパーやツール・ド・フランス、世界卓球、moto GPなどのオフィシャルタイムキーパーも務めています。
レビュー
というわけで、本日はそんな世界を代表するTISSOTから時計の本質をとらえたモデル“ラグジュアリーオートマチック クロノメーター”をご紹介します。
TISSOT LUXURY AUTOMATIC COSC(T086.408.11.031.00 ¥115,560)
さて、人気のシリーズ“ラグジュアリーオートマチック”の中でもクロノメーター取得の上位機種であるこのモデル。実はこのモデルは販売が終了する予定とのことです。
新しいカタログにも掲載されているモデルですが、今後国内はもちろんのこと、スイスからの取り寄せもできないとのことでした。
スイスメーカーにはよくあることですが、正直な気持ち残念ですね…。
ちなみに、クロノメーター認定を受けていないモデルは今後も販売継続とのことです。
通常、ラグジュアリーというモデル名を聞くと、その直訳通り“豪華さ”や“贅沢さ”をイメージされる方が多いでしょう。私自身もモデル名を聞いたときは「?」が浮かんだのを覚えています。
無駄を削ぎ落としたダイヤル、まっすぐに伸びたインデックスと針は実にシンプル。これだけ装飾が少なく、限りなくシンプルなのに不思議と“上品”に見える。
高度な両面無反射コーティングが施されたサファイアガラスは、まるでそこに遮るものがないかのように光を透過し、ダイヤル本来の色と光を表現してくれていますね。
さらにダイヤル中心部はパウダー状の装飾、その周りにはシルバーの装飾環がシンプルなインデックスの下に静かに着座しています。
ケースサイドには特徴的なパターンの装飾が施され、ベゼルの鏡面仕上げとラグ部分のサテン、面取り部分は鏡面といったように、細かい部分に拘り、品を感じさせるデザインに仕上げられています。
搭載されるのは80時間のパワーリザーブを誇るC07.111ムーブメント。圧倒的な安定感と、メンテナンスのし易さが売りの名機です。
勝手な解釈をするのであれば、常に宝石類や貴金属を使い、煌びやかに飾ることだけがラグジュアリー(豪華さ、贅沢さ)ではなく、ディテールに拘り、シンプルながらも品を感じさせることや、本来の時計としての機能と質を重視した時計のことを“ラグジュアリー”という言葉の本当の意味として捉え、このモデル名に採用したのかもしれません。
とにかく、この時計がなくなってしまうことはTISSOTのファンとして残念でしょうがないというのが本音です。
一生ものの時計として、色褪せないデザイン、質の高いムーブメント、ディテールにこだわった仕上げが施されたラグジュアリーオートマチックコレクションは、物にこだわる方にぜひおすすめしたい一本です。
まとめ
TISSOTの時計の中でも、シンプルながらも洗練されたイメージが強いこの時計。最近、黒のダイヤルのものを仕事中着用していますが、日に日にその魅力に惹きこまれていきます。
シンプルな時計は世の中にたくさんありますが、正直値段以上の価値を見出せるシンプルなドレスウォッチは少ないのが現実です。
この時計は、確実に価格以上の品と質を兼ね備えたシンプルな“ラグジュアリーウォッチ”として本当にお勧めできる時計だと思います。