2022/03/17 聖徳太子
アールデコのような様式を呼び起こすようなゴンドーロモデルはハイエンドモデルながら、知的でクラシックなデザインとして世界的に愛されています。
今回はクロノメトロ ゴンドーロについてご紹介いたします。
ゴンドーロといえばラウンド型の時計が主流の中で1993年トノー型のタイムピースが発表されました。
これは時計のメゾンとして最高峰に位置するパテックフィリップがラウンド型ではなく、トノー型の時計を作るということは時計業界で大きなインパクトを与えました。
ゴンドーロはブラジルの高級時計店「ゴンドーロ&ラブリオ社」というお店からをルーツとしてできたものです。
今回紹介させていただくのは2007年の復刻モデルの5098です。
当時の歴史が感じられるレトロなデザインが目を引く時計ですね。
トノーケースと少しうねったような独特なアラビア数字が特徴的で、フランクミュラーに大きく影響を与えたというのも有名な話です。
トノーケースは美しく曲線を描いており、サファイアクリスタルをうねる加工がされています。この3次元に加工された立体的なケースもフランクミュラーがお手本としていることがよくわかります。
文字盤はギョシェ彫を施され、当時使用していた機械をそのまま使って装飾が施されております。プレートにはホワイトゴールドが使用されており、美しい装飾がゴールド特有のエレガントな輝きを放ちます。
パテックフィリップでも文字盤に金無垢を用いたものはコンプリーケーションモデルなど一部限られたものです。シンプルなど二針の時計にこれほどのエレガンスを纏わせるのはやはりそれだけ高級感を意識されたモデルだということが伺えます。
90年代のクロノメトロゴンドーロにはジャガールクルト製の丸型ムーブメントキャリバー12が搭載されていましたが、こちらの復刻モデルのムーブメントはCal25-21RCを搭載。こちらは搭載用に角形に作り直されたムーブメントです。
ムーブメントは基本丸型で、角形というのはなかなか技術、コストがかかるものです。しかしながらその努力をも惜しまず角形ムーブメントを搭載するのはパテイックフィリップの妥協しない姿勢が伺えます。特別な機能のない2針の時計にこれほどの思いを乗せる。パテックフィリップが世界最高峰のブランドであることも頷ける熱意ですね。
ケースバックはシースルーバックとなっており窓からムーブメントを眺めることが可能です。プラチナから抜き取られたような形の窓から眺めるシースルーバックもデザイン性を感じます。
ケース角のビスといい裏蓋もかっこいい時計ですね。
こちらのキャリバー25-21RECはゴンドーロ5124に受け継がれました。
まとめ
パテックフィリップの思いが詰まった角形時計ゴンドーロ。
丸型にはない良さが光る逸品ですね。
クラシックな角形時計を探されている方は検討してみてはいかがでしょうか。
ではまた。