2022/04/12 聖徳太子
2022年のタグホイヤーの新モデルは"ディアマント ド アヴァンギャルド"と呼ばれる、革新的な技術を搭載したものとなっております。
このカレラ プラズマ CBN5A90.FC8315は、ただダイヤモンドをあしらったラグジュアリーな時計ではなく革新的なテクノロジー、クリエイティブが詰まったところに魅力があります。今回はこの魅力についてご紹介いたします。
2022年に発表されたカレラ プラズマ CBN5A90.FC8315の大きな特徴として、ラボグロウンダイヤモンドという合成ダイヤモンドを使用しているという点です。
天然のダイヤモンドはマントルで生成され、噴火によってマグマにて地上で産出されますが、合成ダイヤモンドは人工的に同条件を作り出し生成するというものです。
この手法は1950年代から工業製品に使用されてきましたが、近年ハイグレードのダイヤモンドの生成が可能となり、ジュエリーでも使用されるようになります。
2018年からはデビアスが自らの合成ダイヤモンドブランドを立ち上げるなど合成ダイヤモンドの躍進が進んでおります。
タグホイヤーはスイスのダイヤモンド加工企業Diamaze Microtechnology SAと共同。合成ダイヤモンドの特性を利用してあらゆるカラー、カット、プロポーションのダイヤモンドの加工を制御できるようになります。
今作のカレラ プラズマ CBN5A90.FC8315に用いられる合成ダイヤモンドはプラズマCVD法という化学蒸着法によって生成されています。
タグホイヤーではこれを“ディアマント ド アヴァンギャルド”と呼んでいます。今回のモデルとの由来でもあるところですね。
リューズ、ケースにはこのダイヤモンドをランダムに配置。カレラのスポーティなフォルムにラグジュアリーが追加されました。磨きのかかったアルミ製のケースと非常にマッチしています。
文字盤には微小なダイヤモンドの集合体である多結晶のダイヤモンドを使用。
ダイヤモンドは劈開性を持つため、一方向に圧力をかけると割れるという特徴を持ちます。
この文字盤で使用されている多結晶ダイヤモンドは単結晶のダイヤモンドを圧縮して合成しているため、割れにくいダイヤモンドの生成が可能となりました。
この手法は工業製品で使われるもので、時計の美観に使われるのは革新的ですね。
ダイヤモンドパウダー状にして美観を整えられているため、壮大な反射と多様なアステリズムのような煌めきが生まれます。
ムーブメントは2017年コンプリケーションに搭載されているものを踏襲した、ホイヤー02T。
カーボンコンポジット製ヒゲゼンマイを使用することで、コンプリケーションながら耐久性も確保されています。
このカーボンという素材もこの時計のコンセプトにマッチしたものですね。
ただ、ダイヤモンドを使ってラグジュアリーに仕上げただけでなく、タグホイヤーの伝統あるカレラを尊重し、その中でアヴァンギャルドなエッセンスを取り入れたというモデルと言えますね。
まとめ
天然のダイヤモンドの方が供給量が少なく、希少性、価格が高いものとされていますが、SDGs が重要視される現在、ラボグロウンダイヤモンドはデザイン、クリエイティビティにおいて時計、ジュエリーに大きく影響を与える可能性を感じられる時計です。
ラグジュアリーウォッチを再定義するようなインパクトのある時計。要チェックですね。
ではまた。
カレラ プラズマ CBN5A90.FC8315
ホイヤー02 トゥールビヨン ナノグラフ、COSC認定取得
約65時間パワーリザーブ
サンドブラスト仕上げを施したブラックアルマイト製ケースにラボグロウンダイヤモンド48個(合計4.2ct)を配置
ロジウムプレートを施した真鍮製のベースダイヤルの上に、多結晶ダイヤモンドプレート(3.9ct)
ケース径44mm