グランドセイコーといえば
セイコーのフラッグシップであり、言うまでもなく日本を代表する高級時計である。
グランドセイコーには、機械式、スプリングドライブ、クォーツの3種類のラインナップがあるが、そのどれをとっても一級品だ。
そんな魅力のある時計だが、あえてひとつを選ぶとなると自分の場合はクォーツになる。
なぜなら、GSのクォーツは常に驚くほどの正確さを誇るからだ。
今回は私の所有する限定モデルのGSクォーツSBGT027を紹介しよう。
SBGT027とは
9Fクォーツ誕生15周年記念の300本限定品である。
ちなみに9Fの「9」とは『究極の「究」から命名したものだ』とマスターショップの店員から話を聞いたことがある。
かつてSBGT015という9Fクォーツを代表するモデルがあった。
このモデルはセイコーのホームページに「This is グランドセイコー」と書かれるほど、セイコーの威信をかけた看板商品で大変完成度の高い時計だった。
植字の文字盤など手間がかかっており、言い過ぎかもしれないがこれほどまで手が込んで完成されたクォーツ時計は存在しないと思うほどだ。
SBGT027はそのSBGT015の特別仕様版である。
セイコー SBGT027
年差±5秒というスペック
載せているキャリバーは9F83で通常モデルと一緒だが、通常モデルは年差±10秒なので、半分の誤差まで精度を追い込んでいる。
実際の私の精度は年差±1秒程度なのだが、セイコーはクレーム対策を考えているのか余裕を持たせた数値を謳っている。
通常モデルを持っていないのでどれほど精度に差があるのかは比べられないのだが、 両方のモデルを持っている人の話によれば、実際の精度も年差±5秒の特別仕様の方が若干良いようだ。
SBGT027
和紙のような文字盤と五芒星
9Fクォーツ15周年記念モデルということで、文字盤には15本のストライプが施されている。
15周年=15本というのはいささか安直な発想にも感じられるが、和紙のようなきめ細やかな文字盤にうっすらと上品に線が引かれていて美しい。
スプリングドライブモデルで、GSの中でとても人気があるSBGA011の雪山を模した文字盤に通じるものがある。
GSの文字盤は、AUTOMATICやらSPRING DRIVEやらフォントの違う文字がごちゃごちゃ書かれていることが多くそれが少し興醒めなのだが、このモデルはすっきりとしておりそこが気に入っている。
また年差±5秒を象徴する星のマークは、特別な時計であることをアピールしている。
オメガのコンステレーションにも星のマークはあるが、あちらよりもだいぶ小さいし、そもそも数字の5に引っ掛けているので意味合いが違う。
GSの時計は概して地味だと思うので、星のデザインを加えることで華やかで若々しい印象になっている。
星のマークがよいアクセント
ブルースチールの秒針
今でこそ珍しくはないが、2008年当時でGSクォーツにブルースチールを使用しているものはなかったのではないだろうか。
白い文字盤の上を青い秒針が力強く回転していく様は、見ていて気持ちがよい。
針はまるで日本刀のようだ
金のメダリオン
通常モデルとは異なり、裏蓋には金のメダリオンがついている。
一般に時計の裏蓋などに興味は持たれないだろうが、ブランドロゴの獅子を金にすることで高級感が増す。
それが原因で価格増にもつながってしまっているのだが、これはやむを得ないであろう。
その他記念モデルの刻印がされていて、特別仕様の名に恥じぬモデルとなっている。
ネットで探しても中古品は出回っていないようだし、購入した人は私のように手放さないで愛用しているに違いない。
限定モデル特有の裏蓋です
まとめ
機械式時計をたくさん買うと時刻合わせが面倒になることが多いのだが、GSがあれば時報のように正確に時間を示してくれるのでとても頼りになる。
機械式時計=高級、クォーツ=安物という一般的なイメージがあるが、GSクォーツは明快なアンチテーゼを示していると感じる。
ビジネスシーンでもかっちりはまるし、これ見よがしな高級時計とは一線を画すので、自分が気に入れば最高の相棒となることは間違いない。