セイコーメカニカル SARB033
SARB033
via くろ
スペック
ムーブメント:6R15
ケース直径:38.4mm
ステンレスベルト(ソリッド)
サファイアガラス
10気圧防水
セイコーの機械式腕時計ラインナップ「セイコーメカニカル」のスタンダードモデル。
発売からおよそ10年近く経っており、日本国内だけでなく海外でも多くのユーザーに愛されているロングセラーアイテムです。
メーカー希望価格45,000円、小売価格では3万円台で購入できるお手頃さと、見栄えの良さや堅実な造りから海外では「プアマンズグランドセイコー」とも呼ばれています。
(※そこそこ安くてシンプルな造りのセイコーメカニカル系は大体そう呼ばれている感もありますが…)
ムーブメントはセイコー機械式の中でミドルクラスに位置する6R15を搭載。6Rムーブメントを搭載した現行機種の中では恐らく最も安いモデルだと思われます。
パワーリザーブが50時間あるので最大まで巻き上げれば丸二日以上動き続けます。精度も日差+25秒~-15秒とそれなり。
そこそこ安くてしっかりした造り…ということで、車で例えるならトヨタ・カローラのようなモデルと言えそうです。
なお、カラーバリエーションとしては
SARB035(アイボリー文字盤)
SARB037(ピンク文字盤?※絶版)
SARB038(ゴールドIP ※絶版)
などがあります。
さっそくブレス交換!
とりあえず、レビューを始める前に…
多く出回っている定番モデルほどカスタマイズで個性を出してみたくなるのが人の性。
というわけで、現在は絶版になっている機械式モデル・セイコースピリットSVCS001、SVCS003用の七連ブレスを用意してみました。
SVCS001や003はSARB033とケースの形状が同じなのでもちろんブレスにも互換性があります。
元の三連ブレスを取り外し、七連ブレスを装着。
バネ棒を外す時はキズ防止のためにマスキングテープなどでラグ周りを養生しておいた方が良いと思います。
私は面倒なのであまりやりませんが、手元が狂って少しキズがついてしまいました…。
無事(?)交換完了。
スタンダードな三連ブレスから七連ブレスに変わったことで全体的なシブさというか、クラシックな雰囲気が増したような感じになりました。大満足!
SVCS003の文字盤は細かい部分を除いてSARB033とほぼ大差ないデザインなので、結果的にSVCS003にかなり近くなります。
SARB033のここが好き!
艶のある黒文字盤が美しい!
針は外周までしっかり届く充分な長さ。中心に入った白線のおかげで視認性はかなり高くなっています。
秒針のお尻部分はひし形になっていて、全体的にシンプルなデザインの中にほのかな主張が見られます。
ケース側面や、ラグ部分に設けられた段差もなかなか個性的。
割と凡庸なデザインかと思いきや、よ~く見るとちょっと変わったラインがそこここに見て取れるのがこのモデルの面白いところだと思います。
りゅうずに彫られたセイコーの「S」マークもいい感じ。
ケース裏はシースルーバック。
シリアルナンバーやメーカー表記などはレーザー刻印ではなくしっかり彫られている所にモデルの古さを感じさせますが、個人的にはこちらのほうが好みです。
ムーブメント内部には「6R15D」の表記が。6R15Aから数えて3度目のマイナーチェンジということだと思われます。
他モデルと比較
同じ6R15ムーブメント搭載、価格も近く何かと比べられることが多いSARX015(現在は絶版)と比べてみました。
実際見比べてみるとフォーマル感が強く曲線主体のSARB033、カジュアルでエッジの効いたSARX015という対照的なイメージがあり、デザイン的にもかぶっていないので両方持っていてもシーンで使い分けができそうです。
なお、ケースサイズでいうとSARB033の方が若干小さめ。
SARY057
現行モデルで方向性・価格帯ともに近いと思われるのはこの「SARY057」
サファイアガラス、ステンレス無垢ブレスを採用し実売3万円以下とSARB033より若干安いのですが、ムーブメントは6R15より1ランク下の4R36なのでパワーリザーブや精度の点でやや劣る面も。
とはいえ一般的な機械式腕時計としての水準は充分満たしているため、コストパフォーマンスではかなり優秀と言えそうです。
SARB033と比較した場合、針や文字盤に夜光塗料を使用していないためすっきりしている反面、ケースサイズは40mm越えでやや大きめ、という二点が個人的に気になります。
プレーンでスタンダードなスタイルのSARY057と、アダルティーというか…いい意味で”おじさん時計”な雰囲気のSARB033という感じでしょうか。
SARB033 リストショット
実際に着けてみるとケースのコンパクトさがより実感できます。
典型的な日本人体型である私の細腕にもいい具合にフィット。
↑でも少し触れましたが、個人的にこのモデルには”おじさんが着けてる時計”の匂いを感じたため、よりおじさんチックな雰囲気を強くしたくて七連ブレスに交換しました。
こういう時計が似合ういい感じのおじさんになりたい…という気持ちも込めて^^
最後に
セイコー機械式きっての定番モデル・SARB033をご紹介しました。
発売から10年近くが経ちますが、そろそろ廃版になるのでは…という噂も立ちつつあるので最近ようやく購入に踏み切ったのですが、想像以上に良い造りと小ぶりなサイズ感、枯れたデザインの魅力にすっかりハマってしまいました。
アンダー5万円の6R系ムーブメント搭載モデルが段々姿を消してきていることを考えると、いずれにしても貴重な存在なので買って損はないと思います。