『HYT』あまり聞いたことのないブランドですね。
それもそのはず、まだ設立して4年しか経っていません。(記事執筆時点で)
上述の「H1」が登場した時に、各方面で話題になりましたが知らない方も多いと思われます。
液体を使って時間を表示する、という一見「何を言っているんだ?」と思わざるを得ないアイデアですが、百聞は一見にしかず、ご紹介していきたいと思います。
あらかじめ言っておきますと、筆者はいずれも所持していません。あまりに値段が高すぎて手が届きません…。
記念すべきファーストモデル「H1」
やたらとメカメカしくパッと見分かりにくそうですが、よく見ればかなり直感的な文字盤であることがわかります。
12時位置に大きな分表示、9時位置の歯車は秒を表示します。
2時位置のバーは残り稼働時間を示すパワーリザーブ。手巻き時計です。
そしてそして何といっても一番目を引く外側のチューブ。これこそHYTの目指した液体を用いた時刻表示です。
文字盤下部にこれ見よがしに鎮座する二つの鞴(ふいご)が時間とともに動き、
それによりチューブ内の2種の液体の境界線が動き時間を表示する仕組みです。
…やっぱり文句なしにかっこいい!
ちなみにお値段は780万円+税でございます。消費税だけで他の時計が買えちゃいますね。
印象をがらりと変えた『H2』の青バージョン、『H2アイスバーグ』
『H1』との違いを挙げていきますと、まず分表示の位置を多くの時計のように中心に持ってきています。
ですがそこは普通じゃないHYT、30分位置でジャンプします。よく見ると30分位置が二つあるんですね。そして3時位置付近の「H」「N」「R」の文字はリューズの位置を表示します。
「N」はニュートラル、「H」は時刻合わせ、「R」は巻き上げを表すそうです。なにより面白いのは時計の内部の温度を示すヒートインディケーターの存在。
9時位置(45分位置)付近に小さい扇形の青白の表示があるのがわかりますでしょうか。
15℃未満であれば青側に、15℃以上であれば白側に針が向きます。
時計の操作をしていいのは白側を示す時だけです。さすがにデリケート。
パワーリザーブは最大192時間、時計裏面の香箱に「HIGH」と「LOW」の文字でもって表示されています。
こちらのモデルは限定生産も相まって、2700万円+税です。
筆者の35年ローンのマイホームより高いです!
「H1」「H2」ではいかにも技術力を誇示したデザインでしたが、こちらは液体を使ったその機能を生かしたデザインとなっています。
その名も「スカル グリーンアイ」 そのまんまですね。ひねりのない名前にだまされてはいけません。高い技術力と意外性も備えています。
時間表示は言うまでもなく輪郭線のチューブです。
分の表示は無い(?!)ため、液体の境界線の位置でおおよそを計るしかありません。時間に縛られない時計を持つという矛盾をかかえるという贅沢…。
時計の名前にもなっている、左右の目は飾りではありません。左右の目にはディスクがありディスクには濃淡がついています。
9時位置の左目は秒を示すディスクが、3時位置の右目はパワーリザーブ表示となっています。
パワーリザーブ表示はパワーリザーブが無くなるにつれ暗くなっていきます。「H1」をベースにしているためパワーリザーブは65時間。
50個の限定生産です。
気になるお値段は、1450万円+税なり。
H2アイスバーグより良心的?
まさにオンリーワンなテーマを持った時計をご紹介しましたが、まだまだ面白い時計が沢山あります。
正直どれも手が届きませんが、テレビでお金持ちの家を見るような感覚で楽しんでいただけたら幸いです。