OHから帰還した僕のSEIKO5
@goro
しばらく前まで僕の記事にもちょくちょく登場していた僕のSEIKO5、実はしばらく修理に出していました。数年前にぶつけた衝撃でブレスのバネ棒が飛んで落下し、その衝撃で時計の進みが早くなり日常で使えない状況でした。
僕の記事に初めてこのSEIKO5が登場したのが2017年5月です。その後、前述の衝撃で故障して現在に至るわけです。しかし復活までの道のりは意外に困難を極めました。
なぜなら修理業者が見つから無かったからです。最初悠長に「ネットで検索すれば良い店がヒットする」と考えていました。見つからなかった理由はSEIKO5ならではの理由にもありました。
SEIKO5は廉価版だった
時計好きや40代以上の人には常識ですが、知らない人もいらっしゃるでしょう。その昔SEIKO5はSEIKOの廉価版として普及していきました。そのため日本では販売していないブランドとして逆輸入して国内では販売されていたのです。
@goro
私の写真のモデルはSNK809と推測できます。このモデルも国内では並行ショップで販売しており、カレンダーも英語表示以外に「アラビア文字」もあります。明らかに海外向けとわかります。
価格も当時8,000円とメチャ激安でした。僕の印象ではSEIKO5は「貧乏時計好き」の救世主みたいな存在でした。
SEIKO5Sportsとして生まれ変わる
ところが2019年にSEIKO5 SportsとしてSEIKOから正式なラインナップとして認知(笑)されます。ずっと日陰を歩んできたブランドが同社のラインナップに載りSEIKOから発売されることとなりました。
2020年になってさらにモデルは充実して5種類の本格的なダイバーウォッチをリリースしてきました。しかし防水性はあくまで100メートル。あくまで同社のGSやプロスペックスより性能を落としていることが特徴です。
上のモデルSBSA017 価格は4万円代です。ブライトリングを彷彿させるスタイル、ミラレーゼブレスなどスイス高級ブランド並みにオシャレに生まれ変わりました。しかし、前述の通りSEIKO社内のヒエラルキーのため、さまざまな格差を設けています。
まずはムーブメントの精度はGSやプロスペックスより明らかに劣ります。HPでは+45秒から−35秒、ステンレス鋼材は単に「ステンレス 」とのみの表示です。さらに風防は「ハードレックス」いわゆるミネラルガラスです。
人気は高まるが、リペアの実態は?
SEIKO5はグランドセイコーなどの人気アップもあって世界的に認知度は高くなっています。しかしいざ修理となるとそうでも無いようです。
しかし修理となる意外にも苦労しました。まず安価な修理料金で作業を行ってくれる業者が少ないのです。だいたい8,000円の時計を20,000円以上のOHなんてとても修理に出す気になりません。
まず私がネットで大阪梅田周辺で検索してみて、見積もりをしてみると修理料金はどこも2万5千円から3万円代でした。もはやロレックスレベルの修理代金です。
さらに業者によっては「うちは国産ブランドは修理しません」と、ある修理店から返信メールが来ました。そのためしばらく修理を諦めていたのですがたまたま僕の弟から「神戸市内で1万円代で修理」できたとの情報を得ました。
弟は「意外に街の時計屋さんの方が安い金額で修理ができる」と言われ、探しましたがかなり困難を極めました。そんな時家族から近くのメガネ屋さんで聞いてみれば?と言われました。
そこは基本的にはメガネ屋さんでした。しかし妻がSKAGENの時計の電池交換を550円で作業した実績があったのです。
そのお店で聞くと「できますよ」と言われました。しかも価格は部品交換が無ければ13,000円、即決めでした。
まさかの「文字盤の脚」が折れている!
さて修理に出して、1週間ほど経過後見知らぬ番号からの着歴が僕の携帯にありました。着歴に電話をするとそのメガネ屋さん、「実は文字盤の脚が折れていまして。。」
一瞬文字盤の交換を覚悟した僕
僕:「交換したらどの位(費用)になります?」
メガネ屋さん:「交換すると逆輸入品のため取り寄せに最低2ヶ月はかかります。交換費用はプラス2万ほどかかります。」
メガネ屋さん:「もうひとつ方法は、時計師さんが折れた脚を特殊な接着剤でくっつけることができると言っています。費用はそのままで良いですが、時計を売る時にマイナス査定になりますが・・・。」
僕:「売らないから、その方法でお願いします。」
@goro
@goro
その後時計は無事7月27日完成引き取ってきました。精度も問題なく、費用も前述の金額ですみました。そのメガネ屋さんで修理店探しに苦労した話をしてみました。
メガネ屋さん曰く、国産ブランドは修理費用をお客さんから高く取れないため、やらないお店もあるだろうと言っていました。今回の修理費用もお客によっては修理自体を諦めて捨てる人もいるそうです。これは当時安い価格でSEIKO5を買った人なら尚更でしょう。
しかしそのメガネ屋さんは
「この時計珍しいから修理して正解ですよ」と言われ僕は嬉しく感じました。その後お店で時計談義、また時計のOHがあれば約束して帰りました。
僕は偶然近くに良い修理店を発見してラッキーでした。皆さんも街中で無く近所の時計屋さんや場合によっては時計修理を並行しているメガネ屋さんあたりが良いかも知れません。ぜひ良い修理店を見つけて時計をOH(オーバーホール)に出してください。