2022/03/09 聖徳太子
芸術性を追求したカバレット・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト”は、2021年 30本限定で発表されました。
このモデルは、10年前の2011年に1作目が発表されたハンドヴェルクスクンスト・シリーズの7作目です。
本日はこの時計の魅力についてご紹介いたします。
ランゲアンドゾーネカバレットトゥールビヨンバンドヴェルクスクンストは世界最高水準の時計製造技と緻密な伝統工芸技術を融合させた時計です。
2008年ランゲアンドゾーネは時計界で革新的な技術を持ったカバレットトゥールビヨンを発表しました。
これはV字型バックバネによって回転するキャリッジ内にあるテンプを停止させ、リューズを押し戻すと再び始動させる機構を搭載した時計です。
これによってトゥールビヨンを細かい単位で停止させることができるようになり、テンプがどのような状態にあっても、またキャリッジの位置にも左右されずに、ハックバネでトゥールビヨンのメカニズムを一旦停止させて、正確に時刻合わせができるようになりました。
カバレットトゥールビヨンハンドウェルクスクンストに搭載されているムーブメントはL0421です。
こちらはツインバレルで120時間のパワーリザーブを持ちます。
こちらのムーブメントの部品370分の84がこのトゥールビヨンに使用されているにもかかわらず、重さが4分の1グラムしかありません。いかにこのトゥールビヨンが細かい部品によって緻密に作られているかが伺えますね。
このムーブメントはランゲアンドゾーネ唯一の角形時計カバレットの形にフィットする長方形ムーブメントです。
2008年のトゥールビヨンを踏襲しつつ、今作では自社製ひげぜんまいを取り付けたフリースプラングを採用。緩急針の代わりに、テンワ上の偏心錘で緩急を調整する機構です。
偏心錘をテンワ上に置いているため調整が容易なうえ、空気抵抗も小さいというメリットがあります。
デザイン性もかなり緻密です。
現在では希少になった伝統工芸を用いて仕上げられた文字盤は圧巻です。
文字盤デザインは三部構成のホワイトゴールド製文字盤。アウトサイズデイトが配された中央部分のダイヤ模様はエングレーバーの手彫りです。
この模様はダイヤルに向けられた6個のインデックスから着想を得たものです。
ダイヤ模様は規則的なパターンであるため少しのずれが目立ちやすい模様です。そこを手彫で装飾する技術力はランゲアンドゾーネ唯一の技かと思います。
ダイヤルを2つの部分に分けている白いラインはトランプラージュ仕上げとなっております。細かいところまで抜かりありませんね。
ダイヤル表面は半透明のエナメル仕上げ。こちらの部分はエングレービングを引き立たせる役割をしており、コントラストによってエングレービングに深みを与えています。
スモールセコンドのサブダイヤル、パワーザーブはロジウム仕上げのゴールド製。針もこの色味と合わせてまとまりを作っています。
まとめ
こちらの時計はランゲアンドゾーネの世界最高峰の技術が最大限に積まれた時計です。
唯一無二でランゲアンドゾーネ以外作れそうにないですね。まさに憧れの時計ですね。
ではまた!