2021/12/21 聖徳太子
「マリーン」シリーズは、航海術に利用された時計から着想を得た、ブレゲを象徴するスポーツウォッチです。
ブレゲの伝統的な特質を生かしつつ、現代的なデザインに仕上げた腕時計で、マリン・クロノメーターとのつながりを思わせるものとしての伝統と現代のラグスポを結ぶタイムピースとして形を変えて健在しております。
現在はマリーンIII(第3世代)まで展開されていますが、その前の初代と第2世代の魅力をご紹介できればと思います。
via:https://www.breguet.com/jp
ブレゲといえばクラシックなデザインが象徴的なブランドでした。
1990年代、そのブレゲの伝統にラグジュアリースポーツのテイストを加えたものが「マリーン」シリーズです。
当時若手ウォッチデザイナーであったヨルグイゼック氏をブレゲは採用しました。
ヨルグイゼック氏は当時、エキセントリックで先鋭的なデザインを得意としてたデザイナーとしてなをあげており、元々ロレックス 、ヴァシュロンコンスタンタン などの時計デザインを手がけていた人物です。
特にヴァシュロンコンスタンタン 222はオーバーシーズの原形とも言われているモデルで、ケースからブレスレットまで流れるようなデザインはイゼックらしい捻りを効かしたデザインとして高い評価を受けています。
このイゼック氏の先鋭的なデザインとブレゲの格調高いメゾンを融合させなものが「マリーン」です。
まず大きな特徴点として、ケースサイドが挙げられます。
防水性能を上げるための仕様として、ケースサイドを太くデザインされました。また、リューズはねじ込み式となり、よりスポーティな印象になりました。ただ、防水性能を上げ、機能性を追加しただけではなく、コインエッジという、コインの周りのギザギザ部分を想起させるデザインは、ブラゲのクラシックな印象をリスペクトした仕様です。
またリューズガードを採用し、よりドレスウォッチからスポーツウォッチのエッセンスを取り入れます。従来スポーツウォッチにしか採用されていなかったリューズガードをブレゲの時計で採用するのは非常に新しく、先鋭的なものでした。
もう一つの大きな特徴として、時計の構造です。
「サンドウィッチ構造」と言われるもので、2層のベゼルとミドルケースに加え、2層のケースバックを使ったものです。
こちらも現代的なスポーティな手法で、ウブロのビッグバンの手法を先駆けて取り入れていたというのもイゼックの先見の明が伺えます。
のちに一世を風靡するラグジュアリースポーツ、デカ厚をいち早く取り入れたクリエイティビティの高さ。それとブレゲの伝統を見事に調合させたイゼックのデザイン性はかなり高次元であったと評価されております。
2004年、マリーンの後継機としてマリーンIIが発表されます。
こちらは前作 初代マリーンよりさらにスポーツの要素を取り入れられたデザイン、また、マリーンクロノメーターがルーツにあることを想起させる時計となっております。
6時位置の大きなデイト、ラバーベルトの採用で大きくスポーティな印象になりました。
またケースサイズが35mmから39mmへと拡大し、存在感を持つ時計と生まれ変わりました。
こちらのモデルからステンレススチールのコインエッジも追加され、大きくラグジュアリースポーツウォッチとしての位置を確立した展開となっております。
ただ、スポーティにすることでコストを抑えた訳では決してなく、文字盤には波打つような「ヴァーグ」というギョーシェ彫の追加、青焼のブレゲ針など、高級感あふれるディティールは健在しており、雲上時計の格が伺えるデザインとなっております。
マリーン2からはシースルーバックを採用しており、マリーンの美しく、凝ったムーブメントが伺えるのも嬉しいポイントですね。18金のローターも手作業で作られています。
まとめ
近年、5大時計ブランドのスポーツモデルの相場が高騰し始めています。
ブレゲは定価は非常に高いですが、他の5大ブランドより少し、買いやすい印象があります。
中古相場でラグジュアリースポーツの高騰の動きを見るとブレゲのマリーン、特に1.2は今のうちが狙いどころなのかなと思います。
雲上モデルのラグジュアリースポーツ。
是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
ではまた!