はじめに
本日は、ハミルトンよりジャズマスターオートクロノ(H32596181)を実機レビューしていきたいと思います。その前に、このモデルの簡単なご説明をしておきましょう!
ハミルトンの中でも、より都会的な洗練されたデザインが多いジャズマスターシリーズ。今回のモデルは、スポーツウォッチとドレスウォッチを融合させたクロノグラフです。
もちろん色やベルトの仕様でいくつかの種類があり、好みや用途によって自分にぴったりのモデルを選ぶ楽しみがあります。
実機レビュー
まずはデザイン。非常に洗練された印象を受けるダイヤルは、ドレスウォッチとスポーツウォッチの良いとこどり。スーツにもピッタリの大人クロノです。
針はドルフィン針。いわゆるドレスウォッチの王道的な針形状ですが、このモデルはカテゴリ―的にはスポーツウォッチのクロノグラフ。そう考えると針の形状は時計の印象を大きく変えることがわかりますね。
もちろん縦三つ目のクロノグラフ針や秒針も全てドルフィン針を使用しています。
よく見るとドルフィン針では珍しい加工がされているのですが、お分かりになりますでしょうか。
…そうです。夜光です。通常のドルフィン針に夜光を入れるというのは非常にまれ。というのもドルフィン針が多用されるドレスウォッチは、社交場などのいわゆる明るい屋内での使用を想定されているため、深夜真っ暗闇な状態で時計を見る必要がほとんどないからでしょう。
しかし、この時計は洗練されたイメージはありますがスポーツウォッチ。ドレスに寄せすぎず、しっかりスポーツウォッチとしての機能も維持されているというのは面白い点ですね。
個人的にもっとも好きなインデックスの形でもあるんですが、楔型とティアドロップ型の中間的な角のあるインデックス形状です。
クロノグラフのごちゃっとしたイメージを覆す洗練されたモデルだと言えます。
ドルフィン針との相性も良く、よりシャープなイメージを与えてくれています。
さて、次にケース形状。
さすがにETA7750(バルジュー)を元にしたH-21を搭載していることもあって、厚みがあります。個人的にはもう少し薄く作ってほしい…。
ケース径は42mmなのでけっして大きいサイズではないのですが、その厚みにより非常に存在感が出ていますね。風防は緩やかなカーブを描いており、全体をとおして丸みを帯びたケースデザインになっています。
ブレスは、ほぼ全面にヘアラインが施された5連ブレス。面取りされた部分のみポリッシュ仕上げがされています。クラスプは結合部の目立たない両観音開き。これもスポーツウォッチらしからぬ上品な印象です。
ラグ幅は22㎜で太め。スポーツウォッチなのでこれくらいの太さがあって正解だと思います。ベルトを付け替えて楽しむ方には、クロノグラフなのでカジュアルなベルトも合いますし、ドレス的要素も強いのでクロコ系の上品なベルトも合わせやすく、いろんな楽しみ方ができそうです。
さて、搭載するムーブメントはハミルトン専用キャリバーのH-21。先ほど述べたようにバルジュー7750を元に、ハミルトンとETAが共同で開発したクロノグラフキャリバーです。
30mmサイズのこのキャリバーは25石、28800振動のオートマチッククロノグラフで、通常42時間のパワーリザーブを60時間まで延長しています。
今ではほとんどのハミルトン社製クロノグラフに搭載されており、デイリーユースにぴったりのクロノグラフとなっています。
日差は-10~+30秒。個体差および使用環境により違いはあるとは思いますが、今回の実機では平置き実測(クロノ非稼働状態)で+4秒と非常に優秀でした。
さて、ケース裏に戻りまして、トランスパレント化された裏ブタからは先ほどご紹介したCal.H-21の動きを見ることができます。
防水性は10気圧防水。デイリーユースであれば全く心配することなく使用できますが、お風呂や海などはNGですね。
価格は税込193,320円。このクオリティでこの価格なら間違いなく買いです。とはいえ時計はデザインが重要ですから、見た目が好きなら迷うことなく購入していいと思います。今後、2020年にはETAの供給停止が実現されるわけですが、ハミルトンは影響を受けることもないため、今後のメンテナンスも安心でしょう。
20万円アンダーで考えれば、今のところ並ぶクロノグラフはないでしょう。
というわけで今日はここまで!また次回お会いしましょう。