ルクルトといえば1883年に創業以来、ムーブメントを他の多くのブランドに供給し、レベルソで一躍有名になったブランドです。
「技術メーカー」「マニュファクチュール」のイメージが強いブランドなのではないでしょうか。
ただ、有名になったと言っても「ロレックス」や「オメガ」と比べてしまうと一般的知名度は正直ほぼゼロと言っても過言はないです。
今までマスターコントロールをつけていて、わかって頂けたのはアウトレットのセイコーストアでガランテをつけていたお兄さんだけ…。
そんなジャガールクルトのマスターコントロールですがルクルトの中ではもっともスタンダードなモデルに位置するかと思います。
もっとシンプルなマスターウルトラスリム等もありますが、それは薄さを追求しているのでスタンダードモデルとは違う印象になりますね。
3針デイトということもあり、ファーストルクルトにおすすめな一本でございます。
1000時間コントロールテスト(1000HoursControlTest)。
こちらの名前を聞いたことがあるでしょうか?
1992年からルクルトが行っている自社での検査です。
検査と言えば一番の有名所は、やはりクロノメーター(COSC)検定ではないでしょうか。
ロレックスやブライトリングのほとんどの時計で見ることができます。
クロノメーターとは異なった検査をしているブランドも数多くあり、その一つがルクルトです。
「気温耐性」「気圧耐性」「耐衝撃」「耐磁」「防水」「精度」この6つを6週間に渡り検査するものとなります。
私が個人的にこの1000時間検査で特に素晴らしいと思うところが一つあります。
それは時計の製品としてできあがった状態で検査をするということ。
クロノメーター規格のムーブメントはムーブメントが裸の状態での検査となります。
「防水」や「耐磁」はケースに入った状態でなければ検査することができません。
つまり、最後に持っている人に合わせて作られた検査となるのです。
検査規格は出荷時にはなるのですが、信頼できるブランドと言えるのは間違いないです。
他にも、もっと細かい検査をした規格もございます。
ロジェやヴァシュロンが採用しているジュネーブシールやショパールやボヴェが採用しているカリテフルリエ等は1000時間コントロールテストより上位の規格と言えるでしょう。
ただこの辺りの上位規格を通過している時計は販売している金額も桁が変わってきます…。
知名度はなく、サイズも今の流行とは違い小ぶり、オーバーホールもお金がかかる、いいとこないじゃないかーと思うこの時計。
いいんです。
完全な自己満の時計なのです。
もちろんロレックスの方が「おぉー」と思って頂けますし誰が見てもわかるところではあります。
ただ、Cal.889のローター音や日付の切り替えの際の力強さ。
IWCのマーク12やオーデマピゲの14790と同じ機械なんだよなーという自己満足感のみを感じることができます。
あ、あとは他の人にわかっていただけた際の喜びですね。
夏場はブレスタイプの時計を多用してきましたが、そろそろ革ベルトのこのモデルも頻繁に使おうかな。