ダイバーズウォッチって何?
「ダイバーズウォッチ」とは、文字通りダイビング時に着用できる腕時計を指します。
普通の腕時計でも防水機能が施されているものは多いですが、それらはあくまで日常生活で考えられる水濡れを想定したものです。装着したまま泳いだり潜水すると浸水してしまい、不具合が起こったり壊れてしまう可能性もあり得ます。
ダイバーズウォッチは通常の腕時計よりも強い防水性を持つため普段使いでも安心度は高く、また重厚で独特なデザインを好む人も数多く存在します。
ダイバーズウォッチの定義
ダイバーズウォッチの定義はISO(日本国内ではJIS)規格で規定されているため、これに準拠しているものだけがダイバーズウォッチと呼ばれます。
単純に防水性能が高いだけでなく、海水への耐性や暗い海中での見易さ、潜水時間を把握できる機能を備えていることなど多岐に渡ります。
いずれもダイバーの命を守るための大事な要素であり、ダイバーズウォッチと銘打たれた腕時計はそのために設けられた基準をクリアした時計である、と言えます。
ダイバーズウォッチの一般的な機能
ダイビングに用いる酸素ボンベの残量(=浮上までのタイムリミット)を確認するための機能で、ほとんどのアナログダイバーズウォッチに備えられた機能です。
潜水中に誤ってベゼルが進んでしまい、設定した浮上時間を誤認してしまうことを防ぐため、時計回りの方向には回らないように作られています。
【インデックス】
日光の届きにくい海中でも視認しやすいよう、インデックスには蓄光塗料などが使われます。
【ねじ込み式りゅうず】
防水性能を更に高めるためにりゅうずはネジ式になっていて、きっちり閉められるようになっているのが一般的です。
海中作業など、本格的な潜水(飽和潜水)に用いられる物では「ヘリウムエスケープバルブ」と呼ばれる機能を備えたものなども存在します。
セイコーダイバー
今回は比較的浅い潜水(空気潜水)向けの、およそ10万円未満お手頃モデルを中心にご紹介していきます。
SBEE001
・40,000円 + 税
・200m防水
・クォーツ腕時計
・ケース横幅:43.8mm
・カーブガラス(ハードレックス)
・2000本限定
車のデザイン等で有名なデザイナー「ジョルジェット・ジウジアーロ」の手がけたモデルの復刻版。
最近はセイコーウォッチでジウジアーロモデルの復刻が相次いでいますがこれもその一つで、オリジナルのモデルは80年代に発売されたそうです。
やや左にずれたオフセットなレイアウトが今の目で見ても斬新で、古さを感じさせません。
復刻版という性質上なのか、駆動方式は近年のダイバーズで主流になりつつあるソーラーではなく従来のクォーツタイプとなっています。とはいえ公式サイトの説明では4年持つとあるので、普段使いにはさほど影響はなさそうです。
SBDN043
・40,000円 + 税
・200m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:45.85mm
・カーブガラス(ハードレックス)
樹脂製の外胴ケースで本体を覆った特徴的なモデル。
”ツナカン”と呼ばれる、セイコー独自の外胴型プロテクターを備えたモデルの簡易版とでもいうべき存在です。とはいえボリュームたっぷりなビジュアルはそのままに、樹脂ケースがカジュアルな感じを出しているおかげか、普段用としても気軽に使えそうです。
SBDJ017
・45,000円 + 税
・200m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:43.5mm
・レンズつきガラス(ハードレックス)
割とスタンダードなフォルムを持ったソーラーダイバー。
ダイバーズとしては珍しく(?)、カレンダー部分を拡大表示する「サイクロップレンズ」があしらわれているのが特徴です。立体的な文字盤が今風といった感じで、クールな雰囲気。
シチズンダイバー
PROMASTER BN0190-82E
・40,000円 + 税
・200m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:44.5mm
・クリスタルガラス(無反射コーティング)
今年夏ごろに発売されたばかりの新しいモデルです。ダイバーズとしては珍しく、全体的に鋭角が目立つソリッドなデザインが特徴。値段も手ごろで、わりと購入しやすい価格帯ではないでしょうか。
国産ダイバーズといえばセイコー!というイメージは根強い気がしますが、セイコーにはあまり見られない独特の雰囲気があり、素直にカッコいいと思えるモデルです。
BN0190-80L
こちらはバリエーションモデル。
ダイバーズらしい涼しげのある青主体のカラーリングがイイ感じです!
オレンジの秒針がワンポイントになっていて、伝統的なブラックでまとめられたBN0190-82Eに対してオシャレさが感じられます。
BN0156-56E
・46,000円 + 税
・200m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:44.0mm
・クリスタルガラス(無反射コーティング)
同じくプロマスターで上記の物の一つ前のモデル。こちらは伝統的な丸っこいスタンダードなイメージのダイバーズといった趣です。
一つ前のモデルといえど今もまだ店頭で扱われており、価格もそこまで大きな差はないため、好みで選ぶのもアリかもしれません。
個人的には回転ベゼル側面のすべり止めが個性的で気になっています。深くえぐられた溝が独自の存在感を出していて結構好みのモデルです。太めの矢印状の針も主張が強くてダイバーズらしさがありますね。
PMD56-3081
・65,000円 + 税
・200m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:43.5mm
・クリスタルガラス
こちらは非常に珍しいダイバーズのソーラー電波腕時計。
ダイビング中に電波を受信することが可能なのかどうかはちょっとわかりませんが、受信を必要とするまで長時間の潜水をすることもないでしょうし、日常のシーンでは便利に使えることは間違いないと思います。
ダイバーズの機能とは関係ありませんが、曜日のカレンダーの表示方法がなかなかカッコいいです。
BN7020-09E
・260,000円 + 税
・1000m防水
・ソーラー腕時計
・ケース横幅:52.5mm
・サファイアガラス(無反射コーティング)
・チタンモデル
こちらも最近発売されたばかりの新製品。1000m飽和潜水に対応した本格ダイバーズウォッチです。
海外で販売されている大柄なダイバーズ・通称”ゴジラ”(エコドライブモデルは”エコジラ”)を思わせるような男らしすぎる魅力にあふれたモデルです。スクリューのようなシルエットのケースやぶっとい針が頑丈な海の時計というイメージを強く押し出しています。
こちらはチタンを使用したモデルですが、それでもサイズがサイズ故か重さは180gとなかなかのもの。同じ形状でステンレス素材に置き換えたらどれほどの重さになるのやら…。
最後に
今回は主にセイコー・シチズンなど国産、なおかつアンダー10万の手ごろなダイバーズウォッチをご紹介しました。
国産腕時計といえば忘れてならないのが「カシオ」の存在ですが、もちろんカシオにもダイバーズウォッチ「G-SHOCK フロッグマン」が存在します。
ただ、フロッグマンは普通のG-SHOCKと見た目のイメージにそこまで差がないため、ダイバーズウォッチ特有の雰囲気を求めている方には少し物足りないかな…という個人的な理由で今回は割愛させて頂きました。
こちらもデジタルならではの多機能ぶりで、本来のダイビングに使用する目的ならばかなり重宝しそうではあります^^;
いずれにしても、そのゴツさと派手さからビジネスシーンでの着用は敬遠されがちなダイバーズウォッチですが、最近はあえてスーツにダイバーズを合わせるという方も少しずつ増えてきているようです。より多彩なシーンでダイバーズを楽しめる時代になってきているのかも知れません。