『時計未経験者』の人達は何らかのきっかけで、急に時計に興味を抱く事があります。例えば、たまたま近くに時計に詳しい人がいる事もその動機になります。
時計好きのみなさんも、周囲の友人達へのアドバイスで、彼等を時計ファンにしてみませんか?
今日は時計ビギナーの方へ時計をすすめる私流のポイントを紹介します。
高級時計購入のススメ、より輝かせるアクセサリーへ
「時計詳しいんだ!、どんな時計がおすすめ?ロレックス?」
時計に興味を持った人達は大抵、こんな質問をして来ます。
そして僕は「時計未経験者」から質問を受けた場合、必ずこう言います。
「時計はアクセサリーだから、自分に似合う物、または好きな時計がおすすめだよ」。
時計ビギナーは時計に対して、スペックやブランド名をまず重視する傾向があります。
しかし、時計はメカである前に「装身具、」という事を意識してもらう、アドバイスが良いでしょうね。
つける人に似合う、時計がおすすめ
似合う時計はどんな物なのでしょう?
まず自身の背格好や体型、どんなシーンでその腕時計を使うかがポイントです。
鏡に自分を写すと意外に気付かない自分が居ます。思ったより若い、老けている自身がそこに写って居ます。肌の色や髪の色も腕時計とのコーディネイトでは大切です。
購入時には鏡で自身の全体像を時計と一緒に写して似合うかどうか、見てください。
もし自信が無ければパートナーの人に判断してもらうのも良いでしょう。
腕時計をどんなシーンで使うかもポイントですね。
フォーマルな席で使うために購入するのか?または日常的に使うのかでも腕時計のセレクトが変わります。
20年程前は腕時計も「シーンを選ばない」あらゆるシーンで使える時計に人気がありました。
しかし現在はシーンに合わせた時計選びが、トレンドだと僕は思います。
時計ブランドも最近はあるゆるシーンで使えるステンレスブレスから、よりフォーマルなイメージが強い、レザーストラップのモデルを増やしている感じがします。
ドレスウォッチの見直しや復権がヨーロッパ諸国には芽生えているかもしれません。
スポーツモデルの時計もスーツに合いますが、やはり少しばかり違和感を感じる時があります。
就業時間の服装やパーティーでの招待状に【ドレスコード】を記載していることが増えているように、その場に相応しい服装をする文化が日本でも浸透してきています。
そのため複数の腕時計を用意して、シーンや服装に合わせセレクトして欲しいです。
機械式時計の魅力を伝える
僕はビギナーの方には、機械式の時計を必ずすすめています。
しかしほとんどの人が数として多くは無い、機械式をすすめる事に疑問を持ちます。
そんな彼等に永遠に動く機械式時計の魅力を僕自身の体験を交えながら説いています。
そこで一目でわかりやすい、スケルトンの時計をおすすめしています。シンプルにスケルトン裏蓋から見える歯車やゼンマイの動きの美しさを伝えることが一番理解しやすいからです。
上の写真のIWCムーブメントの魅力は、ムーブメントその物の、美しさです。
永遠に動き続けるテンプの動き、裏蓋から見えるローターの奥で複雑に絡みあったパーツ、そしてパーツ自体の仕上げの美しさ、これこそが機械式時計の魅力です。見たままの美しさを伝えるのが、一番わかりやすいのはないでしょうか?
永遠に動き続けるムーブメントの素晴らしさがわかるのは、1日や2日ではわかりません。例えば僕のように電池切れで過去に時計が止まったなど、色々な経験、出来事の積み重ねで、機械式時計の良さを実感できます。
ロレックスは『3大時計ブランド』に追いついていない
ビギナーの方、時計に全く興味の無い方含め、幅広い層の人に知られている認知度の高いブランドです。
認知度が高いから、ロレックス(Rolex)が欲しくなり、高級時計に興味を抱き始めるビギナーも多いと思います。
そんな方から、ロレックスに関する質問を受けた場合に僕が言うコトバはただ一つ、「ロレックスは三大高級時計ブランドではない」と伝えています。
時計好きにとっての常識、三大時計ブランド「パテックフィリップ」、「オーデマピゲ」、「ヴァシュロン・コンスタンタン」これらブランドの知名度は時計ビギナーには限りなくゼロです。
この三大時計ブランドとロレックスの決定的な違いは先ず歴史です。パテックフィリップは1839年、オーデマピゲ1875年、Vコンスタンタン1755年です。
それに対してロレックスは1905年です。
そして三大時計ブランドとロレックスとの決定的な違いは時計のメンテナンスで永久ケアをするか、しないかの違いです。
三大時計ブランドは自社ブランドの時計のケアは100年以上経過していても、必ず部品を用意して修理を行います。
それに対してロレックスは、これも我々の間では常識の「4桁ロレックスの修理受付拒否」が公然と行われています。リファレンスナンバーが4桁の旧いモデルの修理は「部品が無い」と受付を断わっているのです。
僕はここがロレックスと三大時計ブランドとの大きな隔たりであり、ブランドの格の違い、だと思っています。
ロレックスにはパーペチュアル(perpetual)、【永遠】という言葉を引用した、『オイスターパーペチュアル』があります。しかしその名前と同じサービスができていないのはかなり問題がある、と僕は思います。
それでもなぜ、ロレックスは人気なのでしょう?
私は「リセールバリューの高さ」だけだと思います。
どの時計を選ぶかは個人の自由です。それでも、僕はロレックスが三大時計ブランドとは現時点で、ブランドの格で『追いついていない位置』にいることだけは伝えるようにしています。
それでもロレックスは高く売れる、この事だけがロレックスの人気を支える、要因なのです。
ビギナーにおすすめのブランドは?
先ず、私がおすすめのビギナー向けのブランドの筆頭はTISSOTです。
TISSOTは値段がリーズナブルな割に、質感が高い時計を多く発売しているブランドです。
ムーブメントはETA社との共同開発ムーブメントで、機械式ムーブメントはシリコン製ひげゼンマイを採用、耐磁性に優れた物で販売価格10万代の時計にも採用しています。
過去にはアンジェリーナ・ジョリーがTISSOTの時計を映画で付けていた事がありました。特にアメリカで人気が高い時計です。NBA選手トニー・パーカーをサポートするなどスポーツ選手と多く契約、特にMotoGPレーサーと多く契約しています。
程良い値段設定でスイス機械式時計の良さを兼ね備え、日本での人気はまだまだ高く無いので、おすすめです。
人気が出てきたら値段が上がりますから、今が手に入れるチャンスかも知れません。
そして何より文字盤に刻まれた「SWISS MADE」このロゴが付きます。歴史もロレックスより長く、ブランドマークにスイス国旗を使う事を許された数少ないブランドです。クオリティが高い時計を10万以下で、更にムーブメントも機械式で手に入ります。
上の写真の2018秋冬モデルの新作も注目です。
値段以上のクオリティを持つ時計を所有する
ビギナーの方にはできれば、値段以上の価値を持つ時計をして欲しいです。
しかし、まずは手頃な価格でもしっかりとした、スイス製時計を手にして、その後またワンランク上のブランドを自身で探して欲しいです。