お盆明けて時計が止まっていたら
お盆明けで、仕事前に時計が止まっていて、ゼンマイを巻き上げ時間調整をした方も多かったと思います。
しかしカレンダー表示がある時計は、多くのメーカーで20時または21時から翌4時頃までリュウズを使った時間調整は避けるようにと、説明書に記載しています。
もし21時頃を指していたら、ある程度動し、午前4時過ぎてから調整するのです。
しかし後、数時間で出勤というタイミングで時計が止まっていたら他の時計を付けていく、壊れるのを覚悟で調整するかです。
この時計怪獣の読者で壊れるのを覚悟で時間調整する方は居ないと思います。
時計が止まるのを避けるためには、パワーリザーブが長い機械化時計をつければ良いのです。
たとえ休日に時計を外しても、その間動く時計は実はたくさんあります。
パワーリザーブの意味は?変わる使い方
さて、パワーリザーブの意味は【パワー】=腕時計では動力、【リザーブ】は貯めるという、意味があります。つまり、時計のゼンマイを巻き上げてから動く時間、【駆動時間】を指します。
しかし、パワーリザーブ=【巻き上げてから長く(数日)動く時計】とも、使われています。
実際に駆動時間が比較的長い時計を【パワーリザーブ付き】と、表現している通販サイトもあります。
パワーリザーブという言葉が使われて来た事は時計を使い分ける文化が浸透して来たからと、個人的に感じます。
20年程前は1本の高価な時計を仕事とプライベートを分ける事無く、使う事が大切と思われていた時代でした。「パワーリザーブ」というコトバも当時は全く浸透していませんでした。
キリスト教の国では日曜日は礼拝の日
しかし欧米では日本と違い、パワーリザーブが浸透する週休2日制度が昔からありました。
これは日曜日はキリスト教の国々では休日では無い事から来ています。
キリスト教の国々は土曜日が休日で、日曜は礼拝の日とされています。日曜は家族揃ってドレスアップ、教会に行く日です。
私も以前、宗教がカソリックの国に在住していた事がありました。
皆朝から家族総出でドレスアップして教会に必ず行きます。
また、イタリアではセリエAの試合は日曜日の場合、キックオフ時間は必ず夕方15時以降になっています。これは教会に行く事を前提にしているからです。
このように欧米は宗教的な背景があり週休2日制度が日本より早く、普及していました。日曜日に使う時計はドレスウォッチであり、金曜の夜にはビジネス用の時計を外す背景があると思います。パワーリザーブの需要は古くからの習慣があるため高く、長時間駆動する時計が根付く要素があったためです。
近年日本でも週休2日制度が浸透してきました。またTPOに合わせた時計をする習慣も出てきたため、これからパワーリザーブが長い時計のニーズが高まり、もっと人気になるでしょうね。
パワーリザーブ インジゲーター付きモデルが、まずおすすめ
コンプリケーションウォッチに含まれる、パワーリザーブ インジゲーター付き時計も最近は良く見かけますね。
このモデルは1999年のモデルで、トケマーでも貴重な一品として出品されています。
インジゲーター付きモデルはパワーリザーブの残量がわかり、また複雑時計としても楽しめる時計です。パネライはダイバーズウォッチのイメージがある時計ですが、意外にもパワーリザーブが長い時計も多くリリースしています。
6日間のパワーリザーブがあるモデルもあります。
パワーリザーブが70時間以上ある時計が実用的
機械化時計の場合、説明書にムーブメントのパワーリザーブ時間が記載されています。
どの位あればいいか、迷う方には個人的に70時間以上ある時計が実用的だと思います。
一般的にパワーリザーブは【48時間】という時計が多いです。
しかし48時間だと、仮に金曜日の夜20時頃に時計を外して、月曜日の朝6時頃に時計をつける場合、時計が止まる可能性が高いです。
もし、80時間駆動する時計だと金曜日の夜に時計を外して、週末2日間時計を使わなくても、月曜日の朝でも時計は問題無く動いています。
TISSOT ル・ロックル パワーマティック 80はTISSOTの創業の街をモデル名に冠したモデルです。外観はローマン数字を文字盤に配列したエレガントな雰囲気ですが、ムーブメントは最新の80時間のパワーリザーブがある実用的な時計です。TISSOTらしいコンセプトの時計でビジネスユースに広く使う事ができる時計です。
この時計であれば、週末の間時計を外していても、止まる無く月曜日から仕事につけて行く事ができます。
もっとラグジュアリーなパワーリザーブ時計は?
もう少しラグジュアリーな雰囲気のパワーリザーブ時計が欲しい方にはIWCも人気です。
『ポルトギーゼ・アニュアルカレンダー』はドレスウォッチとビジネスウォッチどちらでも使える腕時計ですが、個人的にはビジネスユーズ色が強い腕時計だと思います。こちらの現行モデルは168時間のパワーリザーブがあります。7日間のパワーリザーブだと、3連休少し超えても休日明けに使える時計です。
デイト表示の時計には必需品かも?
今回色々なサイトでパワーリザーブの時計を見てきました。
先ずパワーリザーブという言葉は時計販売サイトでは長い駆動時間を持っている時計に多く使われていました。
それに対して時計ブランドのサイトではパワーリザーブはあくまでムーブメントの駆動時間としての意味合いで使われていました。
パワーリザーブの意味合いが変わって来たのも事実でしょう。
しかし、時代共に「パワーリザーブの時間が長い方が良い」という事は機械式時計の欠点を補い、それにより機械式時計の復権にもつながりました。
これからもパワーリザーブの時間は更に長くなっていくと思います。
使いやすくなる事、そしてデイト表示がある機械式時計には必需品でしょうね。