ウブロっぽいけどいつも見ているウブロとは違う…
丸いケースのビッグバンに見慣れているので一瞬、
「ウブロっぽいけどウブロなのかな?」と疑ってしまうほど変化したデザイン。
従来から存在した文字盤がスケルトン仕様になっているウブロ アエロバン。
そのアエロバンを更に巨大化させ四隅の角ばった樽型ケース(トノーケース)に変化させた風貌のウブロ スピリットオブビッグバン。
並べてみるとベゼルに配置されたアルファベットの「H」をモチーフにしたネジやベルトとケースをつなぐラグと呼ばれている部分は共通点としてありますが、デザインとしては完全一新したモデルであることが伺えます。
さらにこのスピリットオブビッグバンは外装だけでなく、内部にいたるまで様々なスペックアップが施されている様です。
そのあたりを今日は細かく見ていきたいと思います。
まずは文字盤から見ていきましょう。
もうこのあたりのデザインの上手さはウブロのお家芸と言っていいのではないでしょうか。
中心よりも一段高い位置に施された目盛り、正面からでも中身が丸見えになる様に透明なサファイアクリスタルによって作られる文字盤。
伝統色が強いスイス時計業界においてテクノロジーや立体感を感じさせる文字盤のデザインを続けてきたウブロならではの近未来を思わせるハイテクノロジーデザインですね。
そんな文字盤の特徴の中でも特筆すべきはカレンダーディスクですね。
普通腕時計メーカーの作るカレンダーディスクと言えばドーナッツ状に切り抜いた金属の板にインクで数字をプリントするのが一般的です。
この写真の様なカレンダーディスクが一般的な機械式時計に用いられるタイプです。
それに対してスピリットオブビッグバンに採用されているカレンダーディスクは一枚の金属の板を数字の形にくり抜いて作られる特注デザインのものになります。
文字盤をアップで撮影したので見てみてください。
かつては「デザインだけ」のメーカーなんて揶揄されたウブロもこういう芸の細かいことをしているのです。
やっぱり高級品ですのでどこまで細部にこだわって作られているかってすごく大事なことだと思うのです。
こういうところを見てしまうと否が応でもウブロの新作を評価せざる得ないですね。
いやぁ秀逸な文字盤でございます。
はい。
裏スケルトンを見てピンと来た方はもう腕時計上級者ですね。
従来のビッグバンシリーズが搭載していたのは汎用ムーブメントのETA7750ベースのムーブメントでした。いわゆる毎時28800振動の1秒あたり8振動のムーブメントです。
しかしながら今回のスピリットオブビッグバンはエルプリメロベースのムーブメントでございます。LVMHグループに所属しておりますのでグループ内企業のゼニスよりムーブメントの供給を受けることが可能ですね。
毎時36000振動の1秒あたり10振動です。単純にスペックアップしておりますし、エルプリメロを搭載したことで裏スケルトンの美観もかなり良くなりました。
この仕様変更は旧世代の機種と比べると明らかにスペックアップと言いきってよろしいと思います。
心配なのはハイビートムーブメントに文字盤スケルトンの組み合わせは直射日光に弱く、オーバーホール感覚が短くなりそうということだけですかね。
まぁウブロあたりを買う人はそこまで細かいところは気にしない人が多いので大丈夫ですかね〜
よく見てみると細かいところにも配慮があります。
スポーツウォッチがコンセプトのウブロとしてはアクティブに使うユーザーにも配慮したいところ。
このグミアリゲーターベルトは裏面は全てラバーで覆われており、正面から見える部分のみレザー素材に切り替えてあります。
ですのでレザーベルトの持つ高級感と、汗をかいても大丈夫なラバーベルトの2つの特徴を持ったベルトということになります。
こういう配慮も実際に汗をかくから革ベルトは苦手という人にはありがたいですね。
今回見てみたウブロ スピリットオブビッグバン。
ムーブメントには優秀クロノグラフムーブメントであるエルプリメロ、外装にはウブロのビックバンデザインを踏襲した風貌に、実際に使うことを配慮したベルト。
全てが高次元でまとまった一本となっておりました。
今回レビューした スピリットオブビッグバン 601.NX.0173.LR
定価は2,516,400円とウブロらしいお値段ですが、値段なりに細かい配慮を感じた一本でした。