2022/03/24 聖徳太子
パテックフィリップの特徴的なケースを持つ時計というと、ノーチラスやアクアノートを思い浮かべる方が多いと思います。しかしそれよりも早い段階でケースにデザイン製を持たせた時計はゴールデンエリプスだと言えます。
今回はゴールデンエリプスについてご紹介いたします。
via:Patek Philippe | パテック フィリップ | ゴールデン・エリプス・ブラック文字盤ローズゴールド5738R-001モデル
ゴールデンエリプスはその名の通り黄金分割法のケースデザインを持ちます。
1:1.618の形は最も美しく見える比率で、曲線美の美しい楕円形を持ったケースが特徴です。
ギリシャの数学者により発見されたといわれる黄金分割は神聖なる比率とも呼ばれ、建築や絵画の偉大な作品の中に見られる比率です。
このデザインを60年代から作られてきたという経緯がパテックフィリップの時計製造の気概が感じられますね。
代表的なモデルである3738は1977年から2018年の41年間にわたって展開され続けできました。
この事実からこのモデルはパテックフィリップの本質的な魅力が感じられるモデルと言えますね。
このオーバル型のケースデザインはケースメーカーではなくパテックフィリップのイニシアチブによって作られたものです。
パテックフィリップがトータルデザインを意識した時計はこのモデルが初めてと言われております。
初めてリリースされたモデルは3748というモデル。
オーバル型のデザインは当時生産しているメーカーはなく、量産化は難しいとされていました。
当時は放電加工機などの工作機械はなく、フライス盤、旋盤のみでオーバルケースを形成。時間、コストをかけて複雑な形に挑む野心が世界最高峰の時計ブランドであり続ける所以なのかなと思いますね。
この気概からステンレスという加工が難しい素材を使った複雑ケースを持つノーチラスが生まれたところにつながります。
また、こちらの構造はベゼル、ミドルケース裏蓋、ムーブメントカバーの4ピース構造となっております。
部品が多くなれば生産効率、気密性が損なわれるという難点があり、2ピース構造にすることを目指してムーブメントの薄型化が必須となりました。
その過程で74年に誕生したムーブメントが手巻きキャリバー215です。これを搭載した3ピースのモデル3748が誕生。このモデルは94年までのヒット作となります。
そして、77年マイクロローターを持つ自社製自動巻ムーブメントキャリバー240が誕生。これによって2ピース構造,25m防水の3738が誕生します。
こちらのモデルは完成形と言えるような時計です。このモデルは現代でもケースサイズが大きくなった5738と型番は変わるもののディティールは受け継がれています。ケースの形に加え、シンプルな2針とダイヤルは時を超えても息を飲む美しさがあります。3色展開されるダイヤルは、光の具合で濃淡が変わるソレイユ装飾。極めてフラットな裏蓋。2ピースケースの薄いケースもアイコンの一つとして健在しております。
まとめ
ゴールデンエリプスは特徴的なデザインを持ちながらも歴史を感じられるような時計です。
パテックフィリップの良さを感じられるデザインウォッチを探されている方にはオススメモデルです。
ではまた