セイコー5は日本の腕時計メーカー「セイコー」が販売している腕時計シリーズで、1963年に販売がスタート。
現在に至るまで新製品がリリースされ続けている長寿ブランドです。
その最大の特徴は何といっても機械式腕時計としては破格と言えるほどの「安さ」にあります。
1万円未満から購入できるため、腕時計初心者にもお勧めしやすい入門編的なアイテムと言えます。
日本国内でクォーツ時計が発売されるようになってからは、主に発展途上国などをメインターゲットとして海外でのみ販売されるようになり、現行のセイコー5もこれに準じています。
多少荒っぽい使われ方をしてもしっかり動くという信頼性の高さ・故障の少なさや、トータルで200種類近くにも及ぶ膨大なバリエーションが海外でも評判となり、いまや日本以上にセイコー5は世界各国で知られた存在となっています。
1. 切れないゼンマイ(ダイアフレックス)
2. 耐震装置(ダイアショック)
3. 自動巻き
4. 防水機能
5. デイ・デイト表示
今の腕時計事情からすればどれもあって当たり前と言えなくもないですが、これらの機能がまだ珍しかった1960年代の名残りといえます。
現行のセイコー5に使われているムーブメント(腕時計の内部機械)はこの時代に作られたものが基礎となっており、当時誇った高い信頼性をそのまま継承しています。
上述の通り、現在のセイコー5は海外で販売されているものがほとんどで日本国内には(一部を除き)正規流通していません。
そのため逆輸入品という扱いになります。
購入する場合は「amazon」「楽天」「yahooショッピング」などのインターネット通販を利用するのが一般的ですが、「ヨドバシカメラ」「ドン・キホーテ」「ヴィレッジヴァンガード」など一部の小売店、腕時計の専門店などで取り扱っていることもあるようです。
基本的にはインターネット経由で購入する方が安いのですが、店舗では実物を直接見ることができるため、セイコー5を扱う店が近くにあれば足を運ぶ価値は大いにあるでしょう。
逆に言えば、大半のセイコー5は実物を見る機会が限られているため、ネットで注文してから実際に届いたものを見てイメージと違った…ということにもなりやすく、注意が必要です。
かくいう私もそのパターンに何度か陥っています(汗)。
ウォッチモンスターが管理人となっていますトケマーでもちょくちょくセイコー5が入荷されていますが、大人気の為すぐに売り切れてしまっています。
もし在庫があったら購入したいものです。実際定価が安い商品がさらにトケマー(大黒屋)を通じているので中古に至っては数千円で購入できてしまいます。
現行のセイコー5は大きく以下のグループに分けられます。
(注:私の独断による分類です)
特徴
・ケースサイズ 約36~40mm前後
・30m~50m防水(日常生活防水程度)
・手巻き機能なし、自動巻きのみ
・秒針停止(ハック)機能なし
・ブレスレットは板バネ式
最も一般的なセイコー5で、通称「レギュラー」。一部のものは「ドレス」というサブグループ名が付けられているようです。
ケース直径が比較的小ぶりな事に加え、落ち着いたデザインのものが多いため、就活を控えた学生やとりあえずそれなりの腕時計を一個欲しいという社会人など比較的幅広い層におすすめです。
値段も安く7~8,000円程度から購入できます。(2017年5月現在)
難点としては、機械式腕時計の動力源であるゼンマイの巻き上げ方法が自動巻きしかないこと。
事務作業メインであまり動きまわる機会がないという人だと巻き上げが不足がちになるかも知れません。
また、りゅうずを引いて時間合わせをする際に秒針を止める「ハック機能」がないため、時刻をピッタリ合わせるということができません。
とは言え、これらの機能をあえて省くことによりムーブメントに使用される部品点数が減り、故障リスクと組み立てコストの低下を実現できたという面もあるため、安価かつ高信頼性を取るための選択ですね。
特徴
・ケースサイズ 約40~45mm前後
・100m~200m防水
・手巻き機能なし、自動巻きのみ
・秒針停止(ハック)機能なし
・ブレスレットは疑似ソリッド(フローティング)式
セイコー5より少し上の価格帯で、ケースのサイズも大きめ。
デザインはアクティブ感のあるスポーツ系が中心で、より趣味性の強い腕時計となっています。
使われているムーブメント「7S36」は7S26の派生型で、軸受けに使われている石の数が少し多くなっている以外にこれといった性能差はないようです。手巻き・秒針ハック機能が無い点も同様。
防水性能は基本的に100mですが、ダイバーズウォッチ並みの200mまで強化した高級ラインも数種類存在します。
なお、一部のモデルは現在(2016/6)も生産が続けられているようですが、新製品のリリースは行われていません。
特徴
・ケースサイズ 約40~45mm前後
・100m防水
・自動巻きに加えて手巻きにも対応
・秒針停止(ハック)機能あり
・ブレスレットは疑似ソリッド(フローティング)式
2010年に登場した新型ムーブメント「4R36」を搭載した5スポーツ。上記の7S36型5スポーツの後継機的存在です。
7S36版との見分け方は簡単で、4R36版は文字盤のseiko5ロゴの下にプリントされた「SPORTS」の文字が赤くなっています。(7S36版は白あるいは黒)
価格は少し高めになっていますが、上記2つにはなかった手巻き機能とハック機能が追加され、本格的な機械式時計らしくなりました。
近年、日本国内のセイコー・メカニカルシリーズに「ファイブスポーツ」ブランドが復活しました。
セイコー5の代名詞であるロゴマーク(通称:5盾)がなく、性能・価格ともに逆輸入版ファイブより上に位置付けられています。
当ページで紹介するセイコー5とはやや趣が異なりますが、一応ファイブシリーズに属するものとして紹介しておきます。
4R36ムーブメントを搭載した5スポーツもごくわずかながら販売されています。
カレンダーが日本語表示になり、文字盤の表記が一部異なる(防水に関する記述)など、海外流通モデルとは若干の違いがみられます。
現代は携帯電話、スマートホンの普及で腕時計の需要が減ったと言われています。
しかし、スマホで正確な時刻を知ることができるようになったぶん厳密な精度を腕時計に求めなくても良くなったとも言えるため、純粋に「機械式腕時計」を楽しむ余地はむしろ以前より増したようにも思えます。
電子部品や電池を一切使わず、歯車やゼンマイのみで動き続ける機械式ならではのクラシカルさを手軽に味わえるセイコー5。
この魅力を多くの人に知って頂ければ幸いです。
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