今年の新作 アクアノート クロノグラフ 5968A。
ノーチラスクロノグラフなどに搭載されているCal.CH 28-520 Cですので、フェイスの見た目も同様ですが、この使われているカラーリング「オレンジ」が凄いモダンな印象を受けます。
同じブランドの同じムーブメントですが、使う色味やダイヤルデザインでノーチラスは高級感とクラシカルなイメージがあり、アクアノートはモダンでスポーティなイメージがあります。
なぜ「オレンジ」を使ったのか?
少し疑問に感じますね。
ラバーストラップ(トロピカルバンド)もオレンジを大胆に使っているので、よりカジュアルダウンしたモデルだと思います。
以前にもレディースのアクアノートルーチェなどポップなカラーリングを使用していましたが、メンズモデルでここまで砕けたカラーデザインは初めてではないでしょうか?
アクアノートは高級感を前面に出していくことを望んでいないのかも知れませんね。
アクアノートが誕生した1997年。
最初期はトロピカルバンドスタイルのみの展開だったことからも、ノーチラスのカジュアルモデルとして、よりマリンスポーツなどに使える「ラグジュアリースポーツウォッチ」としてリリースしたことが伺えます。
当時としては高級ブランドのスポーツモデルでラバーストラップを採用することは珍しいことでした。
振り返ればウブロやブルガリなどがありますが、三大ブランドがここまでカジュアルな時計を作るとはと驚かされました。
常にフィットするスタイルを伝統にとらわれず挑戦していくことは素晴らしいですね。
しかし、まだ何故オレンジ色なのかがわかりません。
光の入り方によって黒文字盤ともブラウンともグレーとも見える美しいダイヤル。
使うカラーは、モータースポーツ的な「レッド」、視認性の高い「イエロー」。爽やかな「ライトブルー」、1番フィットしそうな「ホワイト」など幾つも候補があったでしょう。
ヨーロッパでオレンジと言えば・・・オランダ?メロン?
何なんでしょうね・・・
オレンジカラーの針を使っているモデルと言えばロレックスのミルガウス 116400系。
「イナズマ」マークは電気や磁気をイメージしているのだとすれば「イエロー」なのではないかと思うのですが、オレンジを使っています。
※因みにオリジナルのイナズマハンドはスティール製のシルバーカラーでした。
2007年にリリースされた頃にはブラックダイヤル、ホワイトダイヤルがラインナップされていて記念モデルとしてグリーンガラスのブラックダイヤルも用意されました。
ロレックスがわざわざ選んだという事もポイントで、「黒」や「白」のベースに映えるのは「黄色」より「オレンジ」なのかも知れませんね。
現行機のエクスプローラー2 Ref.216570もオレンジカラーのGMT針を使用しています。
旧モデルは「赤」を使用していましたが、ヘリテージとしてオレンジを採用しました。
ホワイトダイヤルにやはりイエローハンドは目立たないのか、オレンジを使う理由はそのあたりにありそうですね。
「視認性」「カジュアル」この2つのポイントが各メーカーがオレンジを使う理由なのかも知れません。
オメガのプラネットオーシャンはリリース当時からオレンジを大胆に使っています。
理由は暗い深海で最後に視認できる色がオレンジだからだそうです。
なるほど、やはり「視認性」ですね。
三大ブランドのオーデマピゲから、高級機のロイヤルオークオフショアダイバーです。
2年ほど前からポップなカラーを使ったモデルを乱発している同モデルですが、これは「カジュアル」なイメージのために使っているのがわかります。
真夏のマリンスポーツにはもってこいのド派手なダイバーウォッチですね。
格好良いな~。
答えは見つかりませんが、きっと「視認性」と「カジュアルさ」のための色合いがオレンジカラーなんだと思います。
アクアノートクロノグラフの目的はカジュアルよりなモデルにしたかった(値段は400万円もしますけど)のだと推測できます。
ラフでスポーティな、サラっと着けられるモデルがラインナップに欲しかったのかも知れませんね。
いつか、メーカーから「なぜオレンジカラーだったのか?」の答えが聞けたらな~と思います。