傷だらけのパネライルミノールパワーリザーブPAM00090
13年前に、パワーリザーブ計がかっこ良くてどうしても欲しかった
パネライルミノールパワーリザーブPAM00090。
購入した時には製造から3年ほど経過してはいるものの、仕上げ済みのピッカピカの時計でした。全面が鏡面仕上げなのでどこから見ても自分の顔が映りこむほど・・・。
ケース傷は勲章という言葉で自分をごまかしてはいるけれど、改めて接写してみると凄いなと気づくのでした・・・。
接写画像集
遠目に見る限りそこまで傷が多いようには・・・。いやっ、見えるか・・・。
これくらい接写すると立体的な印刷が確認できなくもないですね。
角が丸みを帯びている優しい印象の字体です。
続いて特徴的なアラビアインデックスの「12」を見てみます。
夜光塗料のみでかなり盛り上げているのですが、下地を塗ってから盛り上げ部分を別にのせている感じなんですかね?他の部分も全体的に縁が低い所を見るとそんな印象です。
それよりも何よりも、この部分を確認している時に風防面になにやら傷が・・・。
縦に一筋の・・・、いや二筋のコーティング剥げのような跡が・・・。
そもそもパネライのサファイアガラスは無反射コーティング的な物はされているんだっけ?
そうだとしたら、13年も使ってこの程度の剥げや剥離ならまだましだなと逆に感心すらしてしまう。
「L SWISS MADE L」の表記がありますね。 ん・・・?
あれっ?こっちは本格的にはみ出している感が・・・。許容範囲になるんですかね、これでも。
購入動機となったパワリザーブゲージ周辺に寄ってみました。
針の中心の処理は綺麗ですね。細かい所もしっかりとした円と直線と曲線で構成されています。
しっかりと角が直角にとれていて、仕上げはしていないのでしょうが、それなりに綺麗ですね。
なだらかな傾斜ですね。文字盤て金属でできていると思うのですが、プラスチックで整形したかのような雰囲気ですね。
夜光の盛り上がりの乗せ方・・・、少しずれているように見えるのは気のせい、気のせい・・・。
文字盤の文字の印字の立体的な艶やかさを一番確認できる写真が撮れました。
ただ平面的に印刷するわけではないこの印字。どうやるんですかね?
できる事なら制作工房見学してみたいなぁ。
続いて短針と長針の中心部分にフォーカスしてみましょう。
あっちゃぁ~。汚さ満載ですね。いわゆる針錆というやつですね。
それにしても凄いな。この季節ウォーキングしていると汗びっしょりだから、その蒸気が竜頭の隙間からケース内に入ってしまってるのは容易に想像できます。そもそも温暖湿潤な日本の気候では避けられない事象という事で・・・。
針の中心がボタンのようになっていて、中心が低くみえるけど、実際の所どうなんでしょう。
斜めから見てみたら、どうやら、中心の方が少し上からかぶさっている感じですね。
上面の角はしっかりと整形されていますが、裏側にかかる角はなにやらぼそぼそしてますね。
夜光塗料の拭き取りがしっかりできていないのかなとも見えましたが、どうやら整形の段階での切りっぱなしの跡のようです。もっと上のレベルの高級時計ならここも磨くのでしょうね。
長針とスモールセコンド針の交差をかっこ良く撮ったつもりですが、いかんせん針錆が・・・。
実は中心の円盤上はもっと酷かったりするんですよね、これが・・・。
針中心の側面を撮りたかったのですが、なかなかうまく撮れませんでした。
秒針で常に動いているので・・・。あまり動かないパワーリザーブ針で挑戦しろよって話ですね。
次オーバーホールする時はリシュモンに出して針交換だけしようかなぁ・・・。針交換は一式全針でしか受け付けないと聞いた事があるけれど、いくらなんだろ・・・。パネライはパーツ代金はあまり高いイメージはないけれども。
さてさて、針錆に凹みつつ、次は日付窓を見てみましょう。
サイクロップレンズ(拡大レンズ)が風防裏面に施されています。ロレックスは表側に出っ張っているので、皮脂汚れなど溜まりがちですが、こちらはそういう煩わしさはないですね。
拡大レンズで拡大された日付をさらに拡大レンズで拡大して接写してみました。
拡大だらけです。なので大きく撮れました。
カレンダーディスクは文字盤よりも更にザラザラとした質感です。
そのザラザラの下地に白い印字が染み込んでいるように見えますね。それでも立体的に印字はされています。
ザラザラと言うよりはサラサラという感じでしょうか。分目盛もツヤツヤしてますね。
パネライルミノールと言ったら竜頭ガードが特徴的ですよね!と言っても過言ではないパーツ。
その前にベゼルの傷の方に目がいってしまったあなた・・・。フライングですよ(汗)。
この程度で驚いていたらこの先は衝撃映像が続きますので、心臓の悪い方はここで読むのをやめましょう・・・。
さすが竜頭を衝撃から守るためのその名も「竜頭ガード」!エッジの打痕傷などから判断すると、しっかり仕事してますね。働き者です!
竜頭ガードのレバーを引き上げてみました。
手前のレバーにピンを合わせて無駄に背景ボケを演出してみたりしてみました。
ピンあってないけど・・・。
レバーの下はこんな感じ。ネジ頭がドーム状で鏡面なのでレンズが映ります。
中学生が学ランの裏ボタンを凝る感じでしょうか。見えない所も手を抜きません。
今時の子はそんな事しないのかな?
ここでも竜頭ガード君の働きっぷりを確認できますね。どんな勢いでぶつけたらこんな傷が入るんだろうか・・・。
傷と一言で言っても、いろいろな傷があるもんですね。2枚目のうろこ状の連続する傷はいったい何にぶつけたのだろうか。最後の画像の縦に伸びる溝は何にぶつけたらこんな一律の深さの長い傷ができあがるのだろうか。などなど思いをめぐらしてしまいますね。
以前メーカー外にオーバーホール依頼した時に、「ラグねじが少し長いので使用中にすぐ緩んできますよ。調整しますか?」と聞かれたのでお願いしました。別作なのか短くしてもらったのかわかりませんが、ネジ穴が無い方の見た目がやはり少し違いますね。もし次リシュモンにオーバーホールを依頼するのであれば、こちらも交換してもらおうかなと思います。
ラバーベルトか革ベルトのモデルになりますので、ステンレスベルトの時計よりはベルトによる裏蓋への傷つけ攻撃が少ないはずなのですが、13年も使っているとやはり・・・。
刻印の彫り方が見たかったので寄ってみました。溝に横線が入っているように見えますね。彫る時についてしまう跡なのでしょうか。わざとそういう仕様にしているようにも見えますね。
中心から同心円でヘアーラインが施されているのですが、それにしてもそれ以外の傷が目立つこと目立つこと。
ここからは本命のケース傷です。7枚一遍に行ってみましょう!壮観です。
いかがでしたか?凄いでしょ!何を勝ち誇っているのだか・・・。
大概の傷はポリッシュで消えますよーと言いたい所ですが、こちらの場合、ポリッシュで消える傷を探す方が難しいのではと思います。
ラバーベルトは13年ものではありませんが、5年ほどは使っているような気がするので、ここもチェックしてみましょう。
ループを見るとすぐにわかりますが、だいぶ摩擦で角が落ちてしまっていますね。
ベルトの刻印を確認。しっかり押されていますね。だいぶ使っているので油が抜けているのでしょうか?少しスが目立つような気もしますね。それとも拡大するとこんなもんですかね。
文字の所に寄ってみたら、こんな感じ。細かい所も綺麗に作られています。
少し汚れがついてしまって見苦しくてすみません。
自分のモデルは尾錠モデルですので、あまり見る所はありませんが一応見てみましょう。
PANERAIと刻印が有りますね。更に寄ってみましょう。
寄ると傷が目立ちますね。しょうがない事ですけど。
彫りは梨地に見えますが、レーザー刻印ですかね?
さらに寄ってみましょう。
う~ん。レーザーですかね・・・。あまり均一さは感じられないので、あられ打ちなのかもしれません。
育てがいのありそうなパネライ達
いくつか消えない打痕が残っているようですが、概ね研磨済の傷の少ない個体のようです。
まだまだ傷という勲章をつけられるキャンバスは広大に残っていますので、自分色に育てられますね。
レフトハンドですね。竜頭がケース左側にきます。
働き者の竜頭ガードにどういった傷がつくのか未知の領域です。
是非誰か13年使い倒してどんな傷になったか教えて欲しいものです。
まとめ
そろそろオーバーホール時期なので、正規のリシュモンに出すか、市中の修理屋さんに出すか悩ましい所ではありますが、リシュモンに出す際は針交換も検討したいと思います。
どちらに出すにしても研磨は絶対にお願いしないでしょうね・・・。
ここまでくると浅い傷だけ消えても深い傷が残りますので逆にそれだけ目立ちますからね。
ケース傷は勲章という事で・・・。
編集後記
最近購入したグランドセイコーSBGR099の方がよっぽど扱いに注意しているというこの矛盾。
購入したばかりはしょうがないですよねぇ。パネライルミノールパワーリザーブPAM00090だって買ったばかりは、ぶつけてしまった度に傷がついてないか確認してましたから・・・。