はじめに
本日は、日本での知名度はまだまだですが、世界では圧倒的知名度を誇る“TISSOT”から、価格破壊とも言われている新作“バラード オートマティック”を実機レビューいたします。
その前に簡単にTISSOTのご説明をしておきます。
TISSOTは1853年から続く、スイスの老舗ウォッチメゾン。トラディショナルウォッチにおける販売本数は世界1位で、世界でも知らない人はいないほど有名な時計ブランドです。
技術力も素晴らしくCOSCクロノメーター取得数は2014年にはROLEX、OMEGAに次いで3位。2015年にも4位と圧倒的な技術を持っています
さらにスウォッチグループ傘下でもある為、他所属ブランドの技術をいち早く応用。今回のバラードもその流れを受けた最先端技術の詰まった時計です。
実機レビュー

TISSOT/ティソ Ballade Automatic T108.408.16.057.00 ¥102,600(税込)
via @ゆうきち
SSブレスのモデルや、PGとのコンビなどの種類もあるんですが、雑誌等で一番取り上げられている黒ダイヤルに革ベルトのモデルで今回はレビューしていきます。
シンプルになりすぎないよう、スイスの伝統的デザインに都会的なイメージを加えることで幅広い年齢層に受け入れられやすいデザインとなっています。針はドルフィン、バー型のインデックスに12時と6時のみアラビアインデックスを採用しています。
シンプルでドレスウォッチの王道的なデザインです。いい意味で地味ですが、拘わりが出やすいのもドレスォッチの醍醐味。
ダイヤルには“ギョウシエ”、ベゼル部分には“クル・ド・パリ(パリの石畳)”といった伝統的な時計装飾を施しているので、より上品な印象を受けます。
オーナーになって思ったのは、このベゼルは傷が目立たない!ということ。ベゼル部分の傷って仕方ないんでしょうが、やはり気になりますよね…。バラードは元々ベゼルに装飾が施されていることもあり、ちょっとやそっとの傷はわかりません!ティソ的には意図しないものかもしれませんが毎日の仕事で使いたいという方には嬉しいポイントです。
ケースサイズは41mm。それにしては非常に小ぶりに見えますね。
実は、時計を横から見ると分かりますがケースが台形になっていまして、これによりベゼル幅とダイヤルサイズを抑えてあるので、腕が細い方にもおすすめできるかと思います。
さて。“バラード”最大の特徴である搭載された最新ムーブメントのご説明を。
①最新技術、シリコン製「ひげゼンマイ」を採用。
②標準持続80時間、「パワーマティック80」搭載。
③スイス腕時計生産全体のわずか5%、「COSCクロノメーター」認定。
TISSOTは、ETA2824-2を元にしたC07.111というムーブメントを以前発表し、現在のモデルのほとんどにこのムーブメント(パワーマティック80 という名称の方が知られてるかも…。)を採用。
このムーブメントは、ゼンマイを長く、ロービート化したことでパワーリザーブを80時間に伸ばし実用性を向上させた、3日間以上止まらないという低燃費ムーブとなっています。
次に精度。COSCクロノメーターの認定を受けたムーブメントをバラードに採用。公式発表では-4~+6秒という優秀な精度です。(私のバラードは平置き実測で+2秒ほどでした。)
もちろん説明した②③の特徴も素晴らしいのですが、最も説明したいのは、“①最新技術、シリコン製「ひげゼンマイ」を採用。”について。
時計の脅威は3つ・水・衝撃・磁気。
とくに注意が必要なのは磁気です。
磁気帯を受けた時計は【時が狂う】という不具合(主に進むという現象で表れやすい。)が起きることがあります。この磁気に影響を受けやすいと言われているのが、腕時計の核となる“ひげゼンマイ”なんです。
ひげゼンマイというのは、時計の心臓部分にある髪の毛ほど細いバネ状の部品の事。時計の精度を司る重要な部品の一つです。ここにシリコンを使用した特に大きなメリットとしては、磁気の影響を受けにくくなるということ。
この磁気の影響を防ごうと、時計業界は多くの対策、例えば鉛のインナーケース等を考案してきました。その中でも、特に磁気の影響を受けにくいシリコン素材は、大体的に発表された後、パテックやブレゲ、ゼニス、オメガなどの高級時計に採用され、次の機械式時計のスタンダードになるかと思われました。
しかし、シリコン素材最大にして唯一のデメリットがそれを阻みます。それが「部品代が高い」ということ。これにより10万円台の時計への搭載はかなり時間が掛かると言われていたんです。
それを、TISSOTが新作“バラード”で10万円台という価格で実現したわけです。これはすごい・・・。
このようにデザインはシンプルながら、新しい技術と正確な時計作りを取り入れたバラードは個人的に今年もっとも買ってよかったザ・シンプルウォッチでしたね!
ぜひ一度TISSOT販売店で実物をご覧いただくことをお勧めします(^^♪
まとめ
ウォッチモンスターをご覧の時計好きの方々でしたら知らない方はいない、高級時計専門誌「クロノス 日本版」の7月号(71号)でも特集「バーゼル100の事件」のcase:7で紹介されていました。
正直、シリコン製ひげゼンマイ搭載だから買う!!!とはならないかもしれませんが、見た目8割を除いた残り2割の部分で、そういった最新技術をこの価格で体現したその技術力やブランドの歴史といった拘りポイントを語れるとかっこいいでしょうねー。
一本、気兼ねなく使えるシンプルなものを。と考えていた方には全力でお勧め致します。ぜひ一度ご覧になってみてくださいね!!!
最後に、TISSOTは9月よりクロノメーター認定モデルのみ、保証を3年間に伸ばしたそうです!正規販売店のみらしいので一度お店の方に聞いてみてください。
では今日はここまで!