「WIRED(ワイアード)」は、若者(20~30代くらい?)をメインターゲットとしたセイコーのサブブランドの一つ。1~2万円台の比較的低価格のモデルがメインで、ソーラーおよびクォーツモデルが中心となっています。
今までのワイアードは若者好みのしそうなカジュアル感の強いビジュアル…具体的には多面カットが施されたボックスガラスや多角形型ケースなど、派手目なシルエットを多用するイメージでしたが、新しいシリーズがいくつか増えてきて、中にはおとなしめのシンプルベースなデザインのものも少なからず目立ち始めてきています。
30代以上のアダルト向けと言っていいくらい落ち着いたデザインが増えてきたことで、ワイアードはより幅広い世代をターゲットにしたラインに進んでいこうとしているのかも知れません。
ワイアード内の各ラインナップから個人的に気になっているものを一本ずつ挙げてみました。
2017年6月に発売されるニューモデル。ワイアードでは初となるデジタルウォッチです。
このシルエットは昔セイコーから発売された多機能デジタルウォッチ「デジボーグ(※007が使用した事で有名)」からインスパイアを得たとされており、レトロメカニカルな風貌でありながら現代風にアレンジされたシルエットに仕上がっています。
カシオのデータバンクやシチズンのアナデジテンプなど、密度感のあるメカニックなスクエア型ウォッチはいずれも人気なだけに、このモデルも人気が出そうな予感があります。
「APPOLO(アポロ)」という名前からもわかるようにモチーフは「太陽」で、日輪を思わせるような雰囲気。
文字盤に立体リングソーラーを使用し、ソーラーウォッチでありながら複雑なデザインが目を引きます。
初見だとかなりハッキリしすぎ?というくらい派手なビジュアルですが、ワイアードのイメージカラーである青をうまく使っているためか、そこまで悪目立ちする印象はありません。
ワイアード全体のフラッグシップモデルとしてなのか腕時計雑誌などにも紹介されているのをたまに見かけるので、こういったデザインラインが今後主流となるのかも?
従来のワイアードモデルに多く見られる多面カットのボックスガラスが印象的。
今時の腕時計ではあまり見かけることが少ないカットガラスですが、そのおかげかワイアードらしさを出すことには一役かっている様子。
多少のヤンチャ感もありますが、若者向け腕時計としてはこれくらい主張のあるデザインもアリかと。
クォーツ・クロノグラフモデル
スカイブルーな文字盤のカラーリングが爽やか。上のモデルとはまた少し雰囲気が変わって、どちらかと言えばALBAを思わせるビジュアル?
ヤンチャ感、派手さが少し抑えられてスタンダードにカッコいい系のデザインになった気がします。
ここまで来ると、本家セイコーから発売されているクロノグラフモデルとそこまで大差ないデザインに。
数字のフォントで少しファッショナブルな感じが出てるかな?
余計な装飾がなくなり、クロノグラフ用の丸いプッシュボタンなど全体的なシルエットがスタンダードなクロノグラフモデルにだいぶ近づいてきています。
ワイアードのレディースモデル「WIRED F」
セイコーのレディースモデル「ルキア」に比べると、より可愛らしさを強調した感じに。
とは言え、トータルではすっきり収まっているので『オンオフ関わらず使える』というフレーズもあながち間違ってはいなさそうです。
以前記事にしたSONY wenaとのコラボなど、最近ワイアードに新しい動きが目立ってきているように感じます。
デザインもテーマカラーのブルーを基調にしたコンセプトを維持しつつ、普遍性のある感じにシフトして、より幅広い対象にマッチしようとしている動きの現れなのかも知れません。
とはいえ、今まで培ったワイアードのイメージである「若者向け」なイメージはそのまま踏襲していって欲しいところです。現行セイコーのラインナップではまず見られないような個性的な腕時計をこれからもどんどん出していって欲しいですね。