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PATEK PHILIPPE / パテックフィリップの記事一覧へ


パテックフィリップはどうして、最高峰なのか?

2019/9/19



パテックフィリップは我々にとって憧れであり、最高峰とも呼ばれるブランドです。設立が1839年と、歴史と伝統はあります。しかしそれだけで最高峰と、呼ばれることはありません。今日はパテックがなぜ「トップオブザトップ」ブランドなのか?その理由を僕目線で、解説してゆきます。


最高峰である理由、永遠という名の継承

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僕が時計ブランドのことを調べるとき行うこと、必ず公式HPをアクセスします。
公式HPは企業が彼らの言葉で、誰に干渉されることなく、企業哲学を語ることができるところです。
そこから経営トップの考え、ブランドの目指す方向を読み取れるように心がけています。
ほとんどのブランドはトップが腕時計の紹介やこれまでの歩みを語っています、ロレックス以外は!
パテックはスターン一族が1930年代よりブランドの経営権を創業一族から継承し、経営していることが特徴です。上の写真は現CEOと前CEO(名誉会長)です。前任者が寄り添い、経営をサポートしていることがHPからも見ることができます。
写真が示す通り、パテックのアピールポイントは継承です。オーナーに対し(スターン)ファミリーが経営を継承することで安心感を与えることにあります。
例えばカラトラバを一度手に入れたオーナーは子や孫へ大切なカラトラバを継承しても「パテックが最後までケアできるため安心ですよ」と、言っているのです。
パテックフィリップの広告でよく見かける物が親から子へ継承するイメージの物です。彼らの広告は時計雑誌や高級紙の【背表紙】か【表表紙】だけに限定しています。
(僕の個人的な意見です、違う意見の方ご指導お願いします)
雑誌の内部にはなぜか、広告を出しません。

Patek Philippe airs new "Generations" ad

2度の世界大戦を乗り越えてもパテックは現存しています。スイス銀行のようなたゆまない安心感はヨーロッパの富裕層たちへ説得力を与えます。
そのことが、英国王室からも支持されている大きな理由なのでしょう。

品質と精緻な仕上がり

パテックは自分たちがオンリーワンということを自覚しています。そのための哲学を公式HPで10のキーポイントとして、紹介しています。
10個あるポイントのうち、私が特に着目したいことが見出しのフレーズです。
これがパテックの全てを表現している、フレーズだと言えます。
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私の個人的な好み、コンプリケーションのワールドタイマーです。5230Rが特に好きで、このローズゴールとブラウンレザーストラップとの組合せは王道デザイン、でも他のブランドより少しだけ品が高い印象を受けます。
この品を高く感じさせる「パテック・マジック」が彼らの言う「品質と精緻な仕上がり」なのです。
ディテールが美しく、デザインに相当労力をかけていることがわかります。
そのため工程の多くに手作業を多く採用しています。
工作機械による加工で多く見られるケバなどが全く無く、デリケートな手首周辺に装着する腕時計にとっては大切なことです。
また美しいことだけに目がいきがちですが、実用的な造りにはとことんこだわっている、マニュファクチュールです。
このワールドタイムの簡単な時間調整機構は過去記事でも述べました。わたしの過去記事も良ければ読んでください。
ワンプッシュで世界中のあらゆる都市の時間がわかることは、ユーザー目線でとても大事なことです。

ひとりの職人が作れるミニッツリピーターは年間ひとつが限界

Patek Philippe Ref. 5531 World Time Minute Repeater

パテックフィリップがこだわる、ミニッツリピーターはこの時代にはふさわしく無い物かもしれません。しかし中世の教会の鐘を思わせる音色は心が和らぎます。現代社会が忘れた何かを感じさせる心地よい音です。

ひとりの時計職人が要するミニッツリピーターの製作期間は1個あたり1年以上と言われています。
さらに彼らの技術習得まで掛かる養成期間はおそらく10年以上が必要と思われます。
ただ、企業にしてみれば効率が悪いものです。近年の企業のグローバル化でのキーワードは efficiency、効率です。
生産性の向上はクオーツショック時に当時のスイス時計産業が企業コンサルタントや買収先から言われ、多くのブランドは生産体制を見直しました。
しかし、パテックはHPにあるように独立を保っていることが特徴です。そのため外部からの圧力による、合理化や経費削減とはほぼ無縁であったため、パテックの伝統を保つことに成功しています。
現代に生きる我々にとってはミニッツリピーターは必要の無い、技術かもしれません。
しかし、大航海時代、操舵室で荒れ狂う海と格闘していた船乗りはひと時も前方から目を離すことはできません。
そんな彼らに唯一時間を教えてくれたのが、ミニッツリピーターのゴング音だったのです。
現代のデジタルにあふれた世界でも、ゴングの涼しい音色は経営者達の心を和ませ、新しいアイディアのエネルギーとなるはずです。
効率が悪いのは事実です。しかし時代を超越する素晴らしい伝統技術を後世に伝えることも必要でしょう。
企業コンサルタントだって彼らは予言者では決して無いのですから。

飾りすぎない、だからこそパテックフィリップ

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最高峰ブランド、パテックフィリップはここ数年の高級腕時計人気の影響からか、挑戦してみたい人が増えている声をよく聞きます。
20年前僕が腕時計に興味を持った頃は、「祇園の高級料亭」みたいな雰囲気がありました。
しかし、今はワンランク上の腕時計を楽しみたいという風潮の中、いくぶん敷居が下がった印象を受けます。
上の写真のアクアノートだったら少し頑張れば買える時計です。
決して庶民が買えな?なんてことは無いと思います。

アクアノートを含むパテックの時計がもつ魅力は飾りすぎないことにあると僕はいつも思います。
ヨーロッパの美術館に並ぶ作品のようなものが、パテックフィリップなのです。
いずれにしても多くの腕時計に興味を抱き、比較検討するとよりこのパテックフィリップに惹かれても、仕方ありません。

ぜひトケマーなどからも情報を集めお気に入りのパテックを探しあててください・。

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1000万位まで下がったら116506A欲しいなー
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