リコー(RICOH)について

リコー
事務機器・光学製品(カメラなど)を扱う国内の機械メーカー「リコー(RICOH」はおそらく多くの人がご存知だと思います。
ですが、リコーが実は腕時計を作っている!というのは意外と知らないという方も少なくないのでは、と思います。
今回ご紹介するリコーの腕時計は、正確には「リコーエレメックス」というリコーの子会社が製造・販売を行っています。
リコーエレメックスは1921年に立ち上げられた「高野時計金属品製作所(タカノ)」という会社が前身で、数十年後にリコーが経営権を引き継ぐという経緯があります。
腕時計も事務機器も精密機械という意味ではまったく遠くもないためか、機械メーカーと腕時計の相性はそう悪くもないようで、他に有名どころの企業でいえば電気シェーバーで有名なドイツのメーカー「ブラウン」なども腕時計を作っていますし、名前は知っているあの有名企業が実は腕時計も作っている!
(なお、プリンタ等を作っているメーカー「エプソン」もセイコーの関連企業です)
リコーウォッチの特徴

リコーウォッチ
リコーの腕時計をユニークたらしめている特徴の一つとして、他にあまり例のない駆動方式が挙げられます。
「電磁誘導無接点充電式(Rechargeable Electromagnetic Quartz)」と呼ばれるもので、携帯電話(スマートフォン)やゲーム機など、主に小型端末の充電にも使われている方式です。
セイコー独自のムーブメント駆動方式である「キネティック(kinetic)」も専用の無接点充電器を使用することで充電を行えますが、自動巻きのように回転錘が動くことで単独でも発電を行えるキネティックとは違い、こちらのリコーのほうはシンプルに充電のみとなっています。
太陽光や照明の光さえあればどこでも充電が可能なソーラー発電方式と比べると専用充電器が必須である分やや不便にも思えますが、同じように充電式であるスマートウォッチの方は基本的に接点充電が主流であることを思うと、腕時計としては他に例の少ない『レアな存在』と言えなくもない…のかも知れません。
(スマートウォッチが接点充電を採用しているのは充電速度を重視しているという面が大きいと思われます)
ちなみに、バッテリーゼロの状態からフル充電までには40時間、一度フル充電することで約一か月間稼働するそうです。機能などの違いから一概には比べられませんが、フル充電で約2年ほど稼働するソーラー充電と比べるとやはり少し短い印象。
リコーウォッチの機能

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と、なんだかイマイチな感じの説明が続いてしまいましたが…
リコーウォッチの特徴的な機能として「バイブレーションアラーム」があります。
通常のアラームはあらかじめ指定した時間を電子音で知らせる機能ですが、会議や客先など、音が出しにくい場では使いにくいもの。
かといって、スマートホンのバイブ機能はしまう場所によっては振動が伝わりにくい、という面もあり、これも今一つ。腕に装着した状態でのバイブレーションなら、気付きやすく周囲への配慮もできるため、これが意外と便利だったりするわけです。
リコーの腕時計はこのバイブレーションアラームを搭載したモデルが多いため、ビジネスには割と活用しやすいのかも知れません。
おお、リコーすごい!と感心したのもつかの間…
有名どころではカシオの「G-SHOCK」など、同じようなバイブレーションアラーム機能搭載の腕時計は他にも結構あるようです。

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こちらもかなり特徴的なLEDデジタル表示機能。
一見アナログっぽい見た目から、文字盤にデジタルセグメントが浮かび上がるのが個性的でカッコいいです。
アナログ・デジタル両方搭載したいわゆるアナ・デジタイプはデジタル表示部分の窓が開けられたりしていて文字盤全体の一体感がありませんでしたが、こちらはアナデジモデルとしてはかなりいい感じなのではないでしょうか。

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なお、普通のソーラー発電モデルも存在するようです。
割とスポーティーな多機能モデルが主流というイメージでしたが、こちらは比較的フォーマル感があります。
定価32,000円、実売価格約20,000円未満という値段で風防にサファイアガラスを使用しており、質感も案外悪くなさそうな印象。
最後に

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国産腕時計のメーカーの中でも特にマイナーな存在であるリコーについて、私自身も浅学ではありますが少しだけご紹介してみました。
機械式やダイバーズウォッチに強いセイコー、エコドライブ、デュラテクトなど先進的な技術に長けたシチズン、G-SHOCKに代表される高耐久モデルを備えるカシオなどに比べると「これ」といった特徴が見えづらいという点は否めないものの、リコーもまたそれなりに歴史のあるブランドだけに、注目される機会が増えればいいな、と思う次第です。