第3回目の本物はどっちだ?はロレックスの特殊ウォッチ・ミルガウス Ref.116400GVをピックアップします。
2007年に登場し瞬く間にスーパープレミアムウォッチになったグリーンガラスのミルガウス。
当時はリーマンショック前のピーク時期だと言うこともあり時計の値段はうなぎ登り。
現代環境にフィットした耐磁性をもち、何と言っても「緑色のガラスは限定品なんじゃないか?」
と言う噂が伝染し手に入らない人気時計になってしまいました。
一時期は200万円に届きそうなプライスが付いていましたね。
そうなれば悪質な業者は「ニセモノ・コピー品」を作ることになります。
サイアクです。
しかし今回のミルガウスは「GV」がキモになります。
ガラスをグリーンカラーにすることは、できるのだろうか?という事です。
さて、画像を見てください。
最初の画像は「意外に同じに見える」かと思ったかもしれません。
しかし、横から見たら「一目瞭然」。
おわかりですね。
ニセモノ・コピー品はガラスをグリーンにはできず、内側からフチをミドリに塗っているだけです。
中空コマではない、ステンレス無垢ブレスの感じはよく似せています。
振ってもブレスレットはカシャカシャ・グラグラせず、重さもしっかりあります。
今回もブラックライトにしっかり当て、夜光を見てみます。
GVの特徴の1つでもある色違いのインデックス。
これも一目瞭然。
バックル部分を見てみましょう。
バックルの形状は非常に似ております。
この辺りの作りはだいぶ力が入っています。
半コマの微調整が可能なアジャスター部分も同様の仕様になっていました。
裏蓋(ケースバック)の刻印も真似されています。
ROLEX OYSTER MILGAUSSのフォントの太さなどに違いはありますが、並べて比べないと違和感を感じないかも知れません。
さて10倍ルーペを使って見てみましょう。
ミルガウスの特徴の1つ「稲妻針」ことオレンジ色の秒針もコピーされています。
画像では違いはなかなか確認できませんね。
ヘリのルーレット刻印、アプライドのロレックス王冠など、しっかり真似されています。
許せません。
時分針の留め方に違いがありますね。
ご存知かもしれませんが、ロレックスは2000年代前半から「サファイアクリスタル」の6時位置に王冠マークをレーザー刻印しています。
しかし、グリーンガラス(グリーンカラーのサファイアガラス)には王冠マークが刻印されていません。
これはニセモノ・コピー品も同様に王冠マークはありませんでした。
インデックスの夜光面の質感に違いがあります。
ニセモノ・コピー品はザラついた粗い仕上がりになっていますが、本物はキレイに塗布されていますね。
アプライドの王冠マークはなかなか似せています。
クラウンのクラウン(リューズの王冠マーク)は、だいぶ似ています。
ケースバックは「手を抜きやすい」箇所ナンバー1です。
ニセモノ・コピー品は必ずコスト面に見合わない部分は手を抜きます。
ニセモノをバラ撒いて儲けたいので「顔」部分はしっかりと似せてきますが、夜光だったり機能だったりは似せません。
似せることも技術的に可能であっても「儲からない」ことはしないのです。
その最もたる箇所がケースバックですね。
だいたい駄目です。
当たり前ですが、ダメですね。
ダサ過ぎる。
スクリューネジのフィット感、接合部の仕上げなどはコスト面から見ても力を入れない箇所なので雑さが目立ちます。
いかがでしたでしょうか?
もう、おわかりですね。
そうです。
今回は横並び画像の右側、縦並び画像の下が「本物のロレックス ミルガウス GV」です。
簡単でしたね。
やはりグリーンカラーのガラスが真似できない。
表面から見れば「似ているかも?」と思うかもしれませんが、横から見れば一目瞭然。
全然違います。
ただ・・・ノーマルの116400だったら、ひと目で看破するのが難しく感じるかもしれません。
よく見ればわかります。
ただ、着けていたりしたら・・・
ダメです。「人」と「なり」でバレますよ。
自分の価値が落ちてしまいます。ニセモノ人間ですね。
お決まりの〆になりますが
きちんとした店舗を構える時計ショップで買うのが1番です。
日本国内では正規代理店の名がロレックスのHPに掲載されています。
中古品を買うのであれば「古物商営業許可番号」が必ず掲載されたショップにしましょう。
都道府県の警察署HPで番号を突き合わせするのも、お忘れなく。
インターネットで買う場合は「振込先」を必ず確認しましょう。
HP・WEBサイトを丸々コピーした悪質な時計ショップっぽいページが複数見受けられます。
各ショップさんにも掲載されていますが、注意喚起しても「ニセモノ・サイト」はなかなか無くなりません。
買われる方の方にも「見る目」が必要です。
ニセモノをニセモノとして理解し買うのは犯罪です。
ニセモノをニセモノと知りつつ売るのは犯罪です。
詐欺です。
気を付けましょうね。
また、ニセモノ・コピー品は「すぐ壊れます」。
ネットオークションやネットフリマでも「ジャンク」として、よく出ています。
スグ壊れる物に、修理をしてもらえない物にお金を使うのは「お金を捨てている」のと同じだと気付かないのでしょうか?