腕時計の大型化が進むスイス時計業界
機械式時計は高級感があるけど、重たくて大きいと思っている方も多いのでは?
ロレックスのサブマリーナで重量が120〜140グラム、それに対して一般的なクオーツ時計は商品によりバラツキがありますが、凡そ60〜100グラム、50グラムを切っている製品も多くあります。
ロレックスのメンズスポーツモデルは基本40ミリが標準でした。
最近のスポーツモデルでは直径が40ミリを超える物が多く、新型エクスプローラⅡ、新型シードゥエラー、ヨットマスターⅡなどなど40ミリ以上となっています。
私が初めてロレックスを購入した1998年はロレックスブームの年でもありました。
俳優の木村拓哉が松たか子と出演したドラマ「ラブジェネレーション」で彼がエクスプローラⅠを付けて主演した事がきっかけです。
当時のエクスプローラⅠの直径は36ミリ、これでも少し大きいと感じていました。
結果は私は2ミリ小さいエアキングを購入しました。前回の記事で書いたエアキングは細身の私の腕ではそれでもギリギリの大きさです。
腕時計の大型化はスイス時計産業の世界戦略
しかし私の意に反して、腕時計は2012年頃から大型化が進みました。
この腕時計の大型化に影響を与えていたのは、Chinaマーケット(中国市場)でしょう。
2011年JETRO(日本貿易振興機構)がスイス時計産業に対する興味深い調査レポートを発表しています。
スイス時計産業全体でアジア市場の伸びが大きく輸出総額に占めるアジア占有率は29.7%と輸出全体の3分の1となり、世界最大の時計市場となり、そしてその中心が香港と中国なのです。
その中国人の時計への関心の高さも大手調査会社ボストンコンサルティンググループがその調査で、時計への支出割合が他の国よりも高いとレポートには書いています。
特にこの2011年はスイスから中国向けの時計輸出総額が対前年比48%も増加しました。
そしてスイス時計産業はこの中国向けのマーケティングを強化、取り組み成功してきました。
スウォッチグループは当時2億フランを投資して、強大な「スウォッチ・アート・ピースホテル」を上海にオープンして販売を強化したと書いています。
勿論、時計の大型化の全てがこの中国向けの時計業界の戦略では無いでしょうが、要因の一つです。
レポートでは触れられていませんが、アメリカ向け輸出の増加も要因でしょう。アメリカ人の「大きいモノ」好きは有名で、全てのマニュファクチャ製品に対して大型の物を好みます。
中国人とアメリカ人の時計需要の高まりがこの時計大型化の大きな要因である事はほぼ間違いない事でしょう。
しかし彼等と比較して小柄な私は大きな彼等向けの大型時計を付けるよりも、自分の腕の大きさに合った最適な時計を探す事の方が大事だと思います。
黄金比は腕時計にも当てはまる!
私が現在愛用しているSEIKO5、リーズナブルですが、カレンダ機能もあり、仕事中でも視認性が高い時計です。
腕が細い私で、この時計の直径は36ミリでも手首の大半を文字盤が覆ってしまいます。

@goro
36ミリの時計に対して、
僕の手首周辺はおおよそ、59ミリです。
時計の直径:手首の周囲=36:59=1:1.63888......
そうもう皆さんおわかりかも知れません。
黄金比の比率は1:1.618となります。
購入当時は意識はしていなかったですが、偶然にも黄金比とほぼ同じ比率だったのです。
オウム貝の断面図と同じ比率です
ロレックスはWEBから文字盤の大きさで製品をセレクトできる
さて、ではロレックスで36ミリ前後の大きさの時計はというと、オールドロレックスファンならご存知の「ボーイズサイズ」があります。
以前のボーイズサイズは31ミリの商品もありましたが、現行品では34ミリで、それ以下はスモールサイズと分類されています。女性用とは書いていませんが間違い無くレディース仕様でしょう。
「ボーイズサイズ」の正式名称は現在は『オイスターパーペチュアル』と言います。
現在のロレックスの公式WEBではミディアムサイズで検索すると直径が34ミリ〜37ミリでヨットマスター、デイデイトなどと一緒に「オイスターパーペチュアルデイト34」と出てきます。
この現行品のブルー文字盤も個人的には大好きな色です。シンプルなデイト表示もロレックスらしいクールなモデルです。
サイズ的にも日本人にはぴったりなモデルで、もし僕が個人的に今購入するならこのモデルです。
皆さんご自身の腕の大きさはどの位ですか?
腕が大きい人なら43ミリを超えるモデルでも美しい黄金比を形成している筈です。
しかし僕位の腕の太さなら、無理して大型のスポーツモデルよりも、36ミリ以下のモデルを検討されてみてはいかがでしょうか?
きっとその方が腕にジャストフィットして、美しいフォルムを形成する筈です。