セイコー腕時計の型番について
世の中に流通しているメーカー製品には大抵「型番(品番)」というものが存在します。
これは企業側が自社製品を区別するためにつけるもので、消費者側にとってはそこまで馴染みの深いものではありませんが、それでもパンフレットやパッケージに記載されるなど目に触れる機会は多く、買い物の際に値段を比較したりするうちになんとなく覚えてしまうこともあったりします。
セイコーの腕時計にも勿論型番が存在し、その割り振りにはユーザー側でもうかがい知れるある程度の法則性が存在します。
これを知っておくことで、たとえばセイコー5のように日本国内で出回らない上にあまりにも膨大な数のモデルが存在するシリーズのラインナップを調べたり、他のバリエーションを見つけたりすることが格段に楽になります。
今回は、セイコー・機械式腕時計の型番について(知っている範囲で)お話していこうと思います。
※独自の解釈・見解も多分に含まれています。あくまで参考程度にお読みください。
型番の規則性
現行のセイコー腕時計の型番は基本的にSから始まるアルファベットの羅列と、数字2~3ケタの組み合わせで構成されています。
海外展開(日本国内で正規販売されていない)モデルになると、数字の後へ更に「J1(JC)」「K1(KC)」というナンバーが振られます。同じ見た目・型番でもJ1とK1で分かれているわけですが、末尾J1のモデルはメイドインジャパン、K1モデルはそうではない(中国・マレーシア製?)という説が一般的です。
ただし、J1モデルが一般的にイメージされるようなメイドインジャパンかどうか(日本国内で製造されたものなのか)についてはインターネット上でもいまだ議論が交わされることもあり、明確な答えは出ていない…と思われます。
いずれにしてもJモデルとKモデルでは前者のほうが販売価格が高い傾向にありますが、特に両者の間で品質・精度に目に見えるほどの差があるわけではなさそうです。
また、Sから始まるアルファベットの後に続く数字は基本的に下1ケタが奇数であることが多く、同じモデルのバリエーション違いは大抵奇数の連番になっています。
そのため、インターネット上などで気に入ったモデルを見かけ、これの色違いを知りたい!と思ったときは数字の下1ケタの数字を他の奇数に変えて検索してみるとどの程度バリエーションがあるのかを調べることができます。
下1ケタが偶数の型番もたまに存在しますが、そういったモデルは大抵IP(めっき)など特殊な配色であることが多いようです。
主なムーブメントの型番(キャリバー)
せっかくなのでムーブメントの型番(キャリバー)についても少し触れてみます。
現行のセイコー機械式腕時計に使用されている主だったキャリバーは以下の通り。
【7S26】
60年代頃に日本国内で展開していた「70系」の後継機で、現行セイコー機械式腕時計の基礎的なムーブメント。セイコー5(レギュラー)など、安価なセイコー(アルバ)機械式腕時計に使われることが多い。
【7S36】
7S26に軸受の石を2つ増やした派生型で、それ以外のスペックは同等。2010年くらいまでのセイコー5スポーツ等に搭載されていることが多い。
【6R15】
7S系ムーブメントの日差・最大巻き上げ時間を強化し、手巻き機能と秒針ハック機能を追加したタイプ。カレンダーはデイ表示のみ。4~10万円前後のセイコー5よりやや高めのモデルに搭載されることが多い。
【4R36】
日差や最大巻き上げ時間は7S系と同等だが6R系と同様に手巻き・秒針ハック機能が追加された。カレンダーは7S系と同じデイデイト。2011年以降の5スポーツや、プレザージュシリーズの5万円以下モデルなどに使われる。
【4R35・4R37・4R38】
4R36の派生?タイプ。35はカレンダーがデイ表示のみ、37は24時間計が追加、38はカレンダー無し・オープンハート仕様。
上記以外だと、クロノグラフに使用される8R系、プロスペックスの上級機種に使われる8L系、グランドセイコーに使用される9S系などが存在しますが、それらについてはほとんど知識がないので割愛します。
ムーブメントのキャリバーは基本的に時計裏側を見れば確認できます。
キャリバーの後ろにA、B、C…といったアルファベットがついていますが、これはムーブメントのバージョンを表しており、同じ機械でも多少のマイナーチェンジは施されているようです。
最後に

セイコー5
via くろ
海外のみで販売されるシリーズ(セイコー5や一部のプロスペックスなど)は基本的に日本語で公式な情報が流れてくることはなく、海外の腕時計ファンによるフォーラム、あるいはインスタグラム等SNSを積極的に活用しなければ、新製品の情報を掴むこともなかなか困難です。
もし自分の気になる新製品の情報をゲットしたならば、上記の方法で色違いなどのバリエーションモデルを確認することも格段に簡単になります。
ぜひ試してみてください!