文字盤の色と質感が良いことでセンス良く見える
センス良い腕時計は文字盤の色や質感が良く、そのことがセンス良く魅せる最も重要な要素です。
ブランドロゴも含めたインデックスのバランス、色(発色)で腕時計の質感の大部分が決まります。
1956年に発売された56(フィフティーシックス)はクラッシックな装いで、ドレスウォッチの王道を体現した腕時計です。
でもこのモデルの良いところは決してオジさん臭く無いところにあります。
その理由はこの優れた文字盤にあると僕は考えます。バランスの取れたラウンドのケースは淀みなく流れるラインが特徴です。
そして今流行りのブルー文字盤、中心部のブルーをわずかに濃くしています。このことで時計正面から見ると少し立体的に見えることも特徴です。
さらにインデックスの数字とバーの組み合わせが絶妙です。アラビア数字だけにするとどうしても時計がカジュアルになってしまうことがあります。
しかしバーとのコンビネーションでフォーマルに仕上げ、アラビア数字はありきたりな369の配置では無く、12時を起点として一つおきに並べています。このことでセンス良く仕上げていることが特徴です。
そしてカレンダーは曜日と月を小窓でテキスト表示しています。日にちを針で示し、クラッシックさとモダンさを上手く融合させてることが特徴です。
これだけでも十分にセンスが良い時計であることが手に取るようにわかります。
文字盤は腕時計の顔、さらにヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計は仕上げの美しさが際立って高いことです。
12時の位置に置かれたマルタ十字がなんとも言えない安心感を与えてくれます。
裏蓋のシースルバックにもマルタ十字が彫られていて、見えないところへのこだわりに名門メーカーらしい、矜持を感じます。
シンプルな腕時計であればセンス良く見える
「デザインを極めればシンプルになる」、これは80年代にスティーブ・ジョブズが目指したAppleでのデザインコンセプトでした。
バーインデックスと三針時計はどんなに時代が変わっても美しく、飽きが来ません。
そして年代、次代を超えて楽しめる腕時計です。
パテックフィリップのカラトラバは無駄が全くないデザイン、しかし物足りなさを感じさせないモデルです。
これだけシンプルなデザインでも質を高めれば、センス良く仕上がります。
他のブランドでも同様の腕時計はあります。
ロレックスのエクスプローラー1です。
このモデルも無駄を極限まで削ぎ落とし完成されたフォルムで、美しく洗練されています。文字盤の色は黒をベース、シックにしたことによって視認性を高めています。
腕時計にこれまでの常識を覆す、耐久性を備えたことで業界の常識を変えたエポックメイキングなモデルです。
精度の高いムーブメントほどなぜか、センス良く見える
腕時計のムーブメントは自動車でいうエンジンです。ムーブメントが優秀な腕時計はなぜかセンス良く見えます。
優秀な職人が製作するプロダクト(製造物)は一般的に全てに手を抜きません。例えば優れた家具職人は決して見えない家具の裏板に安物のベニヤ板を使わないようにです。
デザインに優れた腕時計ほど、精度の高い優秀なムーブメントを搭載しています。
一流メーカーはシースルーバックにして、歯車さえデザインに置き換えるのです。
ムーブメントも極めれば、無駄が削ぎ落とされ、筋肉質になります。
人間の身体でいう、引き締まったスタイルです。
機械式ムーブメントも同じです。
ではどうやって良し悪しを判別するか、ひとつは耐久試験をパスしているかどうかです。
その中で、スイスクロノメーター認定のムーブメントと時計は精度も高く安心できます。
精度の高さは日常で使用する腕時計ではものすごく重要です。
これにブランド独自の保証、例えばジュネーヴシールのようなお墨付きがあれば、一層安心できます。
上のパティックだとパテックシールという独自規格があります。ロレックスだとスイス公認クロノメーター規格です。
これらがあるかどうか、これもセンス良く腕時計選ぶポイントになります。
SWISS MADEの文字、それ自体センスある腕時計の証
スイス時計業界は16世紀から4半世紀に渡る、時計製作の実績と伝統技術を持っています。
もしセンス良い、腕時計を選びたい人はスイス製腕時計が安心できると僕は思います。
文字盤に輝くSWISS MADEの文字はそれ自体が最高峰の腕時計の証です。
国の他にジュネーブ州、地域における天文台でも独自の品質管理をしている、スイス製腕時計はどんなに時間が経っても変わらない高精度と質感を与えてくれます。
何気無いSWISS MADEの文字はスイスが2013年に議会を通過させた、Swissnessに関する新法案の要求を満たすものです。
スイスは21世紀に入っても、時代に即した法改正で腕時計の文字盤の「SWISS MADE」表記に規制を設けて、基準を満たさないブランドにプリントすることを許していません。
良識ある腕時計を見極めてこそ、時計好き
センスという意味は日本語でよく使う意味以外で、英語では良識、分別という意味もあります。カッコよく良い物を選ぶ鑑識力を付けていくことも、時計好きには必要です。
ぜひセンスある時計好きを目指していきましょう!

@goro