デカ厚時計終焉?
私が乗降する淀屋橋の乗降客は小さめのサイズの腕時計が多い気がします。
淀屋橋付近は日銀大阪支店や大阪市役所をはじめ、旧財閥系の会社が多いことが特徴です。大阪市内有数の「お堅い会社」が多いことが理由でしょうか?
しかし通勤客をよく見ると、そんなに堅物が多い印象を受けることはありません。
その理由はロレックス以外のブランドが多いからです。
ロレックスも居ますが、タグホイヤー、パネライ、国産のセイコーもよく見ます。
さてデカ厚時計の代表といえば、このパネライです。しかしこのパネライでさえ、このPAM01048はケース直径が40ミリになります。
これまでパネライといえばほとんどのモデルがケース直径42ミリ以上です。現行モデル138の内僅か5モデルが40ミリ以下にとどまります。
コンパクトさにこだわるジャガー・ルクルトも淀屋橋向きの腕時計?
ここ10〜15年の間、多くの時計ブランドでは【デカ厚時計】が増えていました。
しかし全てのブランドがデカ厚時計を製造したわけではありません。ブランドのアイデンティティとして、小さい時計にこだわり続けているのが、ジャガー・ルクルトです。
このブランドはモデルに「ウルトラスリム」というモデルがあるくらいに薄さと小型化されたケース造りを伝統としてきました。
マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン・ウエストミンスター・パーペチュアルという長いネーミングの時計で、コンプリケーションを全て詰め込み43ミリに抑えています。
このモデルもトゥールビヨンやミニッツリピーターまで詰めて厚さを14ミリで仕上げているのが特徴です。ジャガールクルトは創設者アントワーヌ・ルクルトが製造工程にエンジニア的な発想を加えた時計づくりをしてきました。
そんなジャガー・ルクルトだからこそ、ここまで薄さに徹した製品を作りあげたのでしょう。このジャガー・ルクルトのマスターシリーズもトラディショナルな外観のモデルが多くあり、淀屋橋向けの腕時計といえます。
でもさすがに上の時計は絶対いませんね(笑)
デザイン業界の合言葉ミニマライズ
前述のようにこの15年ほどは見栄えの良さと需要に応えるため、各メーカーはデカ厚時計を多くリリースしてきました。
しかし世界的に見てもこの流れに変化は出ています。
まずデザインを重視する北欧系ブランドが工業製品をコンパクト化へとシフトします。そしてドイツ時計ブランドのノモス・グラスヒュッテ は「ミニマライズ」という、フレーズのもと、コンパクトで美しい時計を製造していくのです。
上のクラブ ネオマティック アトランティックもケースサイズが37ミリです。このノモスグラスヒュッテ はミニマライズされた、優れた時計を多く製造しています。
ほとんどのモデルが40ミリ以下、そして機械式時計という本格的な腕時計です。
ストラップにも変化が出てきた
それともうひとつの傾向が、ステンレス製ブレスの減少です。これは私の考えでは、時計の重量が軽くなることで、レザーやNATOストラップを採用しているブランドが、増加していると推測されます。
ステンレス製ブレスはスポーティーな印象を与えるため男性の腕時計の定番です。夏でも汗に強いという日本の風土に合ったステンレス製ブレスですが、なぜ減少しているのでしょう。
実用的な腕時計が見直されている
ミニマライズされた腕時計と、レザーやNATOストラップが見直されてきたかは、さまざまな意見があると思います。
もちろんデカ厚時計やメタルバンドに飽き、これは流行の繰り返しだという意見もひとつの理由です。
しかし、僕は実用的な時計が見直されているからと感じます。
ビジネスで腕時計は、仕事に支障の無い物が必要です。大きな時計ではやはり手を動かす時に妨げになります。
特に現代のビジネスマンはパソコン入力が欠かせません。キーボードの入力操作では、大きな時計だと使いにくいからです。
ミニマライズされた時計はどんな物がおすすめか?
では具体的にどんなモデルが良いのでしょう?
例えばトケマーで出品されていた上の36ミリの「デイトジャスト」はビジネスマン向けの腕時計です。このようなデイト表示がある時計の方が実用的でビジネスでは重宝します。
そして今流行のブルー文字盤はお堅い会社でも問題ありません。
アラビア数字よりローマンインデックスの方がより高級感を与えてくれます。
値段も手頃な50万円代ですから、ぜひ押さえておきたい腕時計です。
他にはジャガールクルト マスターコントロール Q1548470 もおすすめです。ありきたりなロレックスより少し変化が欲しい人にはピッタリ。
このマスターコントロールは黒の文字盤にシンプルなデイト表示で価格はトケマーで40万円代です。
ジャガー・ルクルトは中古ではほとんどの物がロレックスより安く、売られています。しかし、一般の人には聞き慣れ無いこのブランドはまわりから「時計好き?」と尊敬の眼差しで見られることが多いブランドです。
10年以上続いたデカ厚時計もそろそろ終わりが近づいて来たかも、知れません。
ぜひこの機会にミニマライズされた、腕時計に買い変えてみませんか?