ロレックス 正規オーバーホール明細公開 エクスプローラー1 Ref:114270
愛用の腕時計をいざオーバーホールに出そうとした際、1番に気になるのはその『料金』今回はエクスプローラー1の正規オーバーホール料金を公開します。ご検討の助けになれれば幸いです。
ロレックスの正規オーバーホール(OH)
ロレックスを所有するにあたり、どうしても避けられないのがオーバーホール(OH)
3~4年にオーバーホールに出すのが長く愛用する秘訣でもあります。
いざオーバーホールに出す際に、一般の時計修理店・工房にオーバーホールを出すのと、メーカーオーバーホールにするのはどちらがいいのか!?悩んだ事はありませんか?
今回は、日本ロレックスにオーバーホールを実際にお願いした、エクスプローラー1 Ref:114270を修理明細書と共にご紹介します。
オーバーホールに出す際にご参考ください。
ロレックス エクスプローラー1 Ref:114270 Z番
今回紹介するのは、ロレックス エクスプローラー1 Ref:114270 Z番です。
2001年~2010年までの10年間製造された型番です。(現行はRef:214270)
Z番は2006年頃の製造なので、今から10年前に生産された個体です。
2007年には、インナーベゼルに今ではお馴染みの『ROLEX』と『シリアルナンバー』の刻印が入るので、刻印が入る前の最終モデルです。
※個人的には入らない方が好きですね。
それでは、ロレックス正規オーバーホール明細をみていきたいと思います↓↓
ロレックス エクスプローラー1 Ref:114270 オーバーホール明細
上記が日本ロレックスから出される、「請求書件納品書」です。
2016年5月に仕上がりました。
預けたのが、4月なので仕上がりはおよそ1か月といったトコロです。
※勿論、状況に応じて納期は前後します。ご参考まで
オーバーホール料金 総額:¥61,560(税込)
総額¥61,560(税込)で仕上がりました。
項目ごとに見ていくと以下のようになります。
①オーバーホール料金→¥43,000(税抜)
②リューズ交換→¥9,000(税抜)
③チューブ交換→¥3,500(税抜)
④クラスプ用バネ棒交換→¥500(税抜)
⑤バネ棒交換→¥1,000(税抜)
①オーバーホール基本料金
①のオーバーホール料金は基本料金の為、マストで掛かります。
税込で¥46,440なので、4年でOHに出したとすると年間¥11,610-となります。
※3針デイト無しのエクスプローラー1の場合
※デイトナなどクロノグラフの付いたモデルだと基本料金も上がります。
②③リューズ交換・チューブ交換
②③のリューズ交換とチューブ交換はマストではありませんが、提案される事が多いパーツです。
これは、時計内部と繋がる部分で、直接の防水性に繋がる為です。
※リューズが摩耗(ネジ山など)すると機密性が保てなくなり、防水性を損なう結果となり、状態次第では交換がOHの条件とされます。
ステンレスのリューズに¥9,000-
高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、時計内部への水分の侵入を防ぐ重要な部品でもありますから、相応に精密に作られている事を考えると納得できますね。
チューブってどこ?
「チューブってどこ?」という方は上の画像の赤い四角で囲った部分をご覧ください。
この部分がチューブです。
※正確にはもう少し長いですが。
リューズを捻じ込む為の受けの部分と覚えておけば大丈夫です。
ネジ山は摩耗していきますから、リューズ交換のタイミングで同じくネジ山のあるチューブも交換です。
※前述の気密性の為
※ブランドによってはケースと一体になっているモデルもあります。
※画像はトリプロックのサブマリーナでスイマセン。。。
④⑤クラスプ用バネ棒・バネ棒交換
クラスプ用のバネ棒は、バックル部のクラスプに使用されているバネ棒です。¥500-
※クラスプで長さ調整の時に使用するピンの部分(1箇所の為1本分の値段です)
ケースとブレスレットを繋ぐフラッシュフィットに使用されるバネ棒です。
6時位置・12時位置それぞれ交換で2本分¥500×2=¥1,000-
※クラスプ用のバネ棒・バネ棒はどちらも不具合がでると、着用中にケース落下の原因になるなど大きな事故に繋がりかねないので普段からチェックしておきたい部分ですね。
研磨の仕上がり(ケース・ブレスレット)
オーバーホール基本料金には仕上げ(ケース研磨)が含まれており、新品時の輝きが甦った相棒を受取る事ができます。
スムースベゼル・ケースサイドについた小傷が見事に取り除かれ、しっかりと顔が映ります。
日常の使用に伴いどうしても傷が入ってしまうブレスレットも、しっかりと傷取りされ新品同様のサテン仕上げで戻ってきます。
※敢えて傷の付いた個体を安く購入してOHの際に綺麗にするという考え方は「アリだな」と思ってしまいますね。傷の見極めが大事になりますが。
仕上げ研磨で取りきれない傷もあります。
反射しすぎて上手く撮影が出来ないほど仕上げられたケースサイドですが、取りきれない傷もありました。
わかりますか?
赤丸で囲った部分が凹んでいます。
仕上げは研磨(削る)という性質上、どうしても限界があります。
大きい凹みなどを取り除こうとすると、凹みの分、深く削る必要がでてきますが、削り過ぎるとケースが痩せ防水性が保てなくなります。見栄えもあまりよくありませんし。
※通常ケース研磨は4回程度まで可能と言われます。
凹みは残ってしまいましたが、輝くほど磨かれている為そこまで気にならなくなりました。
※どこにあるか顔を近づけても中々見えなくなっています。(老眼)
ラグの赤丸部分に傷が残っています。
薄くはなっていますが、爪に引っ掛かる深さは残りました。
あまり削るとケースの厚みがなくなる為ここまでということですね。
仕上げで目立たなくはなっていますが、鏡面との境の部分の為、少し目立ちます。
気持ち的にも。
爪に引っ掛かる傷や明らかな凹みは消すことはできませんが、腕に着けてしまえば気になりません。それよりも新品の様な輝きに喜びが込み上がります。
ケース痩せも感じさせない仕上がりは流石メーカー仕上げと感じさせてくれます。
エクスプローラー1 現在の入手方法
エクスプローラー1 Ref:114270は廃盤になった型番です。
その為、新品での入手は並行店やUSEDショップでデットストックの未使用品を探すしか手段がありません。
年式にもよりますが、70万円~の販売といった所でしょうか。一番高いのはランダムシリアルのデッドストックとなりそうですね。
※2010年廃盤なのでメーカー保証は切れてます。
Ref:114270は、最終が2010年と比較的最近まで販売されていた事で、比較的状態の良いUSED品を探しやすい点が魅力です。
また、現行のケース径が39mmに対し36mmと小ぶりな点も高い評価を受けています。
※インデックスのバランスや腕の馴染みやすさなど。最終的には好みの部分ですが。
ちなみに114270が現役時の定価は、¥493,500-ですから、
定価以上の取引が現状されています。
※現行Ref:214270の定価は、¥669,600-ですので、現行新品以上の取引相場とも言えます。
114270の購入はUSED品を取り扱うショップを巡るのがメインとなります。
デットストックを購入希望!!と確固たる意志持った方以外は、USED品を購入する事になる為、購入時はUSEDロレックスの購入時の注意点を頭に入れておきましょう。
USEDロレックス購入時の注意点を知りたい方はコチラの記事をどうぞ↓↓
ロレックス メーカーオーバーホールまとめ
ロレックス正規オーバーホールは、総額¥61,560(税込)でした。
ムーブメントの部品交換もなく、ほぼミニマムでのOHの金額になっています。
※使用状況によっては、リューズ・チューブの交換なしの場合を考えると、最低料金は基本料金の¥46,440-+バネ棒でしょうか。
今回のOH料金、¥61,560-を4年間で割ると、年間¥15,390-
月¥1282-のメンテナンス費で使用可能と言えます。
早めの3年周期でOHに出したとしても、¥1,710-となりますので、街の時計屋さんにOHを出すよりも割高にはなりますが、決してメーカーオーバーホールが高すぎるという事はなさそうですね。
なにより預けるときの安心感はメーカーが1番です。
※生産終了モデルなどは、メーカーOH時に年代の合わない部品(トリチウム夜行の針がオリジナルなのに、現行夜行の針)に交換がされてしまう事がありますので、オリジナルを保ちたい方は、事前にその旨を伝え、可否を確認したうえで発注しましょう。
右がRef:214270(現行)