高い信頼性を誇るロレックスの自動巻きムーヴメント。
多くの派生ムーヴを生み第2世代の完成形とされる、Cal.1530が1957年頃に登場しました。
このCal.1530は、Cal.1000系に比べてテンプと香箱の大型化によって精度の安定性が確保されました。
そして、自動巻きの切り替え車の素材に、ルビーパウダーによって硬化処理が施されたアルミニウムが採用され、摩耗に対する耐久が大幅に向上しました。
このCal.1530をベースとしたCal01500系が、高い信頼性を誇るロレックスの自動巻きムーヴメントの礎を築いた最高傑作と評される、まさにポストヴィンテージ時代の主力機です。
では、Cal.1500系が搭載されているモデルとは・・・。
まずは【サブマリーナー】です。
Ref.5512は製造期間が1959年から70年代前半とポストヴィンテージ時代としてはギリギリ入るかどうかというモデルです。
このRef.5512は、Cal.1530→Cal.1560→Cal.1570と3種類のキャリバーが使用された稀有な存在です。
Ref.5513はCal.1530→Cal1520と2種類のキャリバー使用され、1962年から1989年に製造された抜群の信頼性を誇るロングセラーモデルです。
Ref.1680はCal.1575が使用され初めてデイト表示を備えたクロノメーター機です。
このモデルには通称<赤サブ>と呼ばれている稀少なモデルが存在します。
また稀少性の高いプレミアモデルとしてプロダイバー仕様のRef.5514(Cal.1520)や、イギリス軍仕様のRef.5517(Cal.1520)が存在します。
次は【シードゥエラー】です。
このモデルはRef.1665のみで使用されたのは、Cal.1575です。
ただこのモデルも<赤サブ>と同じように<赤シード>と呼ばれる稀少な個体が存在します。
【GMTマスター】は同時に二つの時刻を確認できる実用機です。
Ref.1675は1960年頃にリリースされた第2世代目に当たり、80年頃まで生産されるというロングセラーになりました。
使用されたキャリバーは、Cal.1565GT→Cal.1575GTの2種類でした。
また、複数のバリエーションが展開されていたモデルでコンビモデルや金無垢、ベゼルが黒一色のスチールモデルなども投入されました。
冒険者という名前が示すように、高い視認性と堅牢性を備えた【エクスプローラーⅠ】
Ref.1016は1962年から1988年に製造され使用されたキャリバーはCal.1560→Cal.1570です。
Cal.1560が搭載されたモデルは前期型、Cal.1570が搭載されたモデルは後期型と言われています。
後期型のCal.1570には、時刻を正確に合わせるための秒針停止機能(通称ハック機構)が備えられました。
また、生産終了間際のシリアルナンバーが<R>か<L>から始まる個体は、生産数自体が少なく稀少価値が高くなっています。
最後に紹介するのが【エクスプローラーⅡ】です。
独特な異彩を放つこのモデルは、Ref.1655が1971年に発売されCal.1575のキャリバーが使用されています。
スポーツロレックスの中ではだいぶ後発ですが、その背景にはエクスプローラーⅠの販売不振が関係していたと言われています。
最大の特徴は副時針として24時間計を備えている点でしょう。これはGMTマスターのように第2時間帯を示すものではなく、現在時刻が昼なのか夜なのかを判別するためのものでした。
今回はロレックスのCal.1500系スポーツモデルを紹介しました。