2021/11/2 聖徳太子
ミルガウスはロレックスの耐磁時計です。
サブマリーナやデイトナのスポーツモデルとは少し異質な存在です。
この耐磁性の強化は科学者などの技術職に向けというコンセプトに製造されました。
ミルガウスの意味として、フランス語でミルは1000を意味し、ガウスは磁束密度の単位です。
その名の通り1,000ガウスの耐磁力を持つ時計です。
一般的な非耐磁時計50〜100ガウス前後というところを鑑みると桁が違う耐磁力だといえますね。
ミルガウスの歴史は1956年からであり、その同世代としてIWCのインジュニアが販売されました。
戦後科学の発展を支える科学者に対するプロフェッショナルウォッチとしての需要を満たすとのことです。
先見の明と技術力が見て取れます。
ミルガウスは欧州原子核研究機構(CERN)で共同開発されました。
そこで実際性能を発揮していた過去もあります。
オイスターケースの中にまた軟鉄性のインナーケースを収納することで耐磁性がかなり向上します。高性能磁気遮断ケースですね。こちらはロレックスが強磁性合金を配合させたものです。
特殊な素材を使うのはロレックスのお家芸ですね。
また、ミルガウスに内蔵されているキャリバー3131はかなり耐磁性に優れたものです。
こちらはロレックス唯一の耐磁ムーブメントです。
磁力の帯びやすいガンギ車などを常時性素材(ニッケル、リン合金)を使用し、また、ブルーパラクロムゼンマイというニオブ、ジルコニウムなど温度変化にかなり強いゼンマイを使用しております。
しかしながら、そこまで耐磁性をもとめている声が少なく一度生産中止となりました。
そこから電子機器が必須となった現代復活を遂げました。
これは各ブランドが磁気対策に力を入れてきた背景もあるかと思います。
初代モデルのイナズマ針、2代目モデルのポリッシュベゼルをイメージソースとして116400が発表されます。
登場は白黒の文字盤展開。
オレンジのカラーのイナズマ針は当初は賛否両論ありましたが、現在は市民権を得てミルガウスのアイコンの一つとなってますね。
また、ロレックス唯一の風防を変えたモデルも発表されます。116600GVですね。GVはフランス語でガラスが緑という意味だそうです。
こちらは緑の色味を考慮して偽物防止の王冠マークがありません。
インデックスも他モデルとは違い、3.6.9がオレンジの夜光りです。
色のコントラストがオシャレですね。
黒と緑とオレンジがちょうどいいカラーバランスを保っています。
2014年になるとZブルーという文字盤が追加されます。これはただのブルーではなくジルコニウムを含ませることで色味が他のサンレイのブルーより淡い色味になります。
また変化球を入れてきましたね。これで見た目もかなりカジュアルダウンします。
現在はGVガラスのみの展開となっておりますが、近々新作が発表されると噂されており相場がかなり上がっています。
ロレックスの中でもコンセプト、ディテール共に異質な存在ミルガウス。
今後の動向注目必須のモデルです。