2022/04/18 Air
チューダーは、ロレックスの創始者ハンス・ウィルスドルフ氏が普及を目的として、知名度の向上や販売の拡大の為に作った「ディフュージョンブランド(廉価ブランド)」として知られています。
その歴史は長く、90年以上前の1920年代にまで遡り、当時は「チュードル」という名前で展開されていましたが、2018年に「チューダー」へと改名しました。
そのような背景を持つチューダーは、良くも悪くもロレックスの普及版であり「一般庶民に向けた腕時計ブランド」というイメージが根付いている事も否定は出来ません。
しかし、すでにロレックスが世界に広く知れ渡った現在も、チューダーは色褪せる事なくその魅力を発揮して続けています。
ロレックスにはない「ヘリテージブラックベイ」シリーズなどの展開によって確立したブランド力が人気となり、2022年の3月には新作も発表されており、
後ほどおすすめの新作をご紹介しますので、今なお多くのファンに支持される魅力を、さらに掘り下げていきましょう。
チューダーの歴史を少し振り返ると、そのブランド名はイギリスの王家である「チューダー家」が由来となっている事が分かります。
これは、誰もが知っている王家の名前をブランド名にすることでまず、イギリス庶民に親しみやすいブランドとして定着させることが狙いだったようです。
via:https://www.tudorwatch.com/ja
王家の紋章である「薔薇」を腕時計のロゴに使ったり、ディテールのモチーフに採用している部分が特徴です。
当初のチューダーにはロレックスとほとんど同じパーツが使われており、見た目も似ている上に低格帯で買えるという魅力から認知が広まっていきました。
異なる点と言えば、内部パーツが「完全自社製」か「他社製」かの違いです。
これによってコストパフォーマンスを抑えながらも、「ロレックスは高級時計」・「チューダーは手が出しやすいロレックス」という2ジャンルを確立しました。
しかし、ここから今に至るまで、それだけで90年もの歴史が続くとは思えません。
なぜなら先述したように、当初は「ロレックスの普及を目的として作られた廉価ブランド」ですので、その役目を十分に果たしたチューダーは、極端な話"この世から淘汰されていてもおかしくはなかった"はずです。
それでも現在、れっきとした一流ブランドの一つとして人気のあるチューダー。
ロレックスとの差別化がされるようになったのは、1960年代の終わり頃に『短針の変更』という独自のブランディングをスタートした事が大きなポイントと言えます。
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正式名称を「スノーフレーク」と呼ぶこの短針は、その個性的なスタイルからファンの間では"イカ針"の愛称で親しまれています。
ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.214270の"ベンツ針"
それまでの仕様は、ロレックス製と同じ「ベンツ針」をセットしたモデルがありましたが、「スノーフレーク」の登場によって、デザイン上の差別化が進み、以降のコレクションにはオリジナルの設計や部品が用いられるようになりました。
そして、2015年には満を持してチューダー初の自社製ムーブメント(キャリバーMT5602)が登場しました。
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このキャリバーMT5602は、ゼンマイを最大まで巻き上げた状態で約70時間も持続するほか、磁気帯びしないシリコン製のヒゲゼンマイを備えています。
さらに、高精度の証明であるクロノメーターも取得していたりと、ロレックスのムーブメントに匹敵するスペックを有しているのです。
こうしてオリジナリティを完全に浸透させたチューダーは、個人的には「独立した人気ブランド」としてのニーズがあるだけではなく、あえて王道をハズしたオシャレアイテム、いわゆる「遊び時計」として注目を浴びているイメージがあります。
カラーリングや攻めたデザインなどが豊富なラインナップの中から、"選んでいる時間も楽しい"と思えるかもしれません。
さて、ここまでご覧頂きましてありがとうございます。長らくお待たせした、「2022年最新作オススメモデル」をご紹介して、お別れしましょう。
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リファレンス:M79833MN-0001
モデル名:BLACK BAY GMT S&G
定価:¥634,700(税込)
ケース径:41 mm(スチール製)
ブレスレット:スチール&イエローゴールド製
おや?
ロレックスのGMTマスターⅡ 126711CHNRにそっくりですって?
いえいえ、落ち着いてくださいね。
1つ、革新的なデザインの短針。2つ、完全自社製のムーブメント、そして3つめに遊び時計としてのリーズナブルな価格とブランド力。
繰り返しとなりましたが、記事を初めから読んだ方にならもうこの「魅力の違い」が伝わっているはずです。最後に紹介したのは、その為です。
『まとめ』
一本持っているだけで万人受けはもちろん、時計通・時計好きな方からのウケも良いブランドです。
コレクターだけでなく、初めての高級腕時計をお探しの方に大変おすすめ出来るスペックと実用性を備えていますので、気になった方は是非調べてみるとお気に入りのモデルが見つかるかもですよ。
それでは、また。