新型デイトナの登場に伴い、かつてないほどの高騰を見せる旧型Ref.116520。現行モデルを諦めて、旧型に走ろうとしても旧型の相場も上がっているので悩ましいところです。
つい7、8年前までは100万円前後で買えた116520も今では倍近くまで高騰しており、購入を考えている人たちにとってはなかなか手の出しづらいところまできています。
それでも現状を考えると、今後も右肩上がりに相場は高騰すると予想されていますので、本気で狙っている方は早いうちに押さえた方が良さそうです。
そんな方の為に、今回は約16年間の製造期間の間に施されたマイナーチェンジをご紹介していきたいと思います。
まずは時分針のマイナーチェンジです。意外と知られていませんが、Y番とランダム番の針の太さを比べてみると太さの違いが分かるかと思います。
2004年(F番)の途中から針が太くなり、視認性が向上しました。時分針だけでなく、インダイアルも太くなりメリハリのあるデザインへと変わっています。
F番がちょうど切り替わりのタイミングなので、F番には細針タイプと太針タイプが混在しております。細針はP番〜F番までのわすが数年の仕様となっています。
マイナーチェンジを語る上で外せないのが"バックル"です。旧型の穴あきバックルは折り返し部分が1枚のフラットな板状のものに対し、新バックルは折り返し部分の板が凹んでおり、しっかりとハメ込まれる仕様となっています。
堅牢性は格段に向上し、高級感もぐーんとアップしました。同時期に内装パーツも変更されており"ブルー・パラクロム・ヒゲゼンマイ"が採用されました。それに伴い国内定価は924,000円から997,500円へと上がっています。
バックルのマイナーチェンジは大きな分岐点の一つといえ、バックルの新旧で価格も変わってきます。
さらに、新バックルの中でも、梨地と鏡面の2種類があります。2015年の途中からバックルのクラスプ部分が梨地から鏡面へと変わり、同じランダム番でも本当の最終品番と位置づけられているのは『鏡面バックル仕様』のモデルです。
ちなみに、中古最終鏡面バックルの価格相場は230万円〜250万円前後となっており、現行モデルとほとんど変わらない価格となっています。さらにデッドストックともなると300万円近くに跳ね上がります。
続いてはルーレット刻印の有無です。デイトナ116520のルーレット刻印は2006年(Z番)頃から入り始めており、Z番にはルーレット刻印なしとルーレット刻印ありが混在しております。
以前ほど、ルーレットの有無による価格差は大きくありませんが、高年式をおさえるのであればルーレット刻印をおすすめします。
ちなみに、ルーレット刻印の王冠マークは『ちょうど12時位置』に配置されています。どのモデルも共通なので、ご自身の時計も確認してみてください。若干ズレていたりもしますが、基本は12時位置にぴったりきています。
2010年頃を境にインダイヤルの縁が変更されています。
新旧を比べると2010年以前から流通している旧タイプのインダイヤルは白っぽい色味をしていまず、新タイプは光沢の強いギラギラしたシルバーカラーとなっているのがわかります。
この仕様変更までご存知の方はかなりの玄人ではないでしょうか。些細な違いですが、文字盤外周のミニッツインデックス(分針目盛り)が変わっています。
"SWISS MADE"の両サイドにあたる27分と33分の目盛りの長さが変わっています。
ちょうど2006年頃に切り替わっており、ちょうどルーレット刻印が入り始める時期にこの部分の仕様も変わっているようです。
マイナーチェンジ一つで評価がガラッと変わるロレックスの時計。とりわけデイトナ116520は多くのマイナーチェンジを果たしたモデルといえます。
ただ古いからダメ、新しいから良いという訳でもないので、デイトナの購入を考えている方は是非こういったマイナーチェンジも意識しながら自分に合った一本を見つけて頂きたいと思います。