赤シード復活、2017年ロレックス開幕
さぁ2017年のバーゼルも開幕しまして、ロレックス新作スポーツモデルの情報が入ってきましたね。
シードゥエラー43 「通称 赤シード」
Ref.126600
43mmケース
1220m防水
セラクロムベゼル、数字はプラチナコーティング
Cal.3235搭載
シードゥエラー50周年記念モデル
定価の発表は11350ドル?との情報ですので、
本日レートで日本円に換算すると126万円くらいだと思います。(まだ不確定情報です)
新スペックを並べて書いてみますと、
「cal.3255搭載」という点が私的には1番の注目点ですね。
私は自分の記事で述べていますが、去年のデイトナのモデルチェンジは何の感動もありませんでした。むしろロレックスのモデルチェンジにしてはあまりにもインパクトの無いつまらないモノだと感じていたくらいです。
ロレックスはブレスレット販売店じゃありません。
時計販売メーカーですよ?
リファレンス変えたのに同じ機械ぶち込んで、ベゼル変えただけじゃダメなんですよ。
その点今回のシードゥエラー43は遂にロレックスの誇る新ムーブメント「cal.3235」を投入してきましたね。
おそらく近代時計のムーブメントの中ではかなりのハイスペックの機械が投入されて、さらに外見まで完全リニューアルも行われています。
これはかなり期待のモデルチェンジでは無いかと思います。
そんなに「cal.3235」ってすごい機械なの?
簡潔に書きます。
「すごいです。」
もう現在のサブマリーナやヨットマスターに搭載されているcal.3135からの進化ったらそりゃあもうすごい変化です。
iPhone4とiPhone7くらいの差があります。
出来ることは似ていても、
「その中身に大きな差がある」ということなのです。
そこで新旧シードゥエラームーブメントのスペック比較をしてみましょう。
新旧シードゥエラームーブメント比較
それでは比較してみましょう。
cal.3135VScal.3235において客観的数字で見ても差がつくのが
パワーリザーブ が48時間から70時間へ飛躍的に伸びている事でしょう。
今までは70時間もパワーリザーブのある腕時計は
「ロングパワーリザーブウォッチ」と呼んで差し支え無かったと思います。
しかしこのcal.3235が全てのロレックスウォッチに採用されていけば現在の標準である42〜48時間リザーブの腕時計によって出来ている「自動巻き時計は二日間腕から外しても動いている」という業界の基準が「自動巻き時計は三日間腕から外しても動いている」へ変わる可能性すらある新基準を作ろうとしているのであります。
左が従来のcal.3135に搭載されている脱進器、右がcal.3235に搭載されているクロナジーエスケープメントになります。
この脱進器とは、巻き上げた動力が伝わってくる歯車と時計が正確なリズムを刻むためのスピードの調整役であるテンプを繋ぐパーツである。
1800年にブレゲの創始者、アブラアン=ルイ・ブレゲが完成させて以来ほぼ全ての企業がこのクラブツース脱進器を採用しています。
※クラブツース=蟹の爪の様な形状をしているため
つまり200年もの間進化していない部分とも言えるわけです。
もちろんブレゲ以外の企業も様々な種類の脱進器を開発したのですが、主流にはならずに歴史の影に消えてきました。
今回のシードゥエラーに搭載されるクロナジーエスケープメントはそんなクラブツース脱進器の最終型態とも呼べる究極の進化を遂げています。
まず脱進器自体の軽量化がされている事で運動効率が高まっている事が見て取れます。
実はこの脱進器というパーツは1日に691,200回も動いています。
軽量化により5%運動効率が上昇するだけでも1日に60万回以上動くパーツなので、腕時計の性能に多大な好影響を与えるのです
今までの腕時計メーカーであれば、腕時計のパワーリザーブを伸ばすのであれば、より長いゼンマイを用いてゼンマイの巻き上げ容量を伸ばそうとしました。
クルマに例えるならガソリンタンクを大きくしてより多くのガソリンを給油すればいいというのが今までの腕時計のロングパワーリザーブムーブメントの考え方です。
しかし今回のシードゥエラーに搭載されるcal.3235はクルマに例えると
「ガソリンタンクを大きくしながらも、消費ガソリンの削減まで行うクルマ」なのです。
要は旧型のcal.3135が普通の「乗用車」ならば、新型のcal.3235は「エコカー」という例えになりますね。
この様に新型のcal.3235は今までのロレックスの常識であった2日間動く腕時計、という常識を3日間動く腕時計に変化させるムーブメントである。
理由としては従来のやり方通りゼンマイの絶対量を増やしてパワーリザーブを延長させ、そのエネルギーを効率よく伝える新型の脱進器を搭載したエコカーの様なムーブメントであるからである。
次のページでもシードゥエラー 126600の進化について触れていこうと思います。
カレンダーの日付もいつでも調整可能
これまたロレックスの新常識ですね。
最新のロレックスの32〜系のムーブメントは日付の調整が全時間帯可能であります。
ロレックスの正しい知識を持つ販売員さんであれば、
「午後9時から夜中の3時までの間には日付を調整してはいけません」
との助言を腕時計を購入する際にしてくれるはずです。
しかしその説明すらいらなくなってしまう日もそう遠くは無いのでしょう。
なぜならこのシードゥエラー 126600は24時間どの時間に日付を変更しても大丈夫なのですから、そしてこの32〜系ムーブメントがロレックスの全てのモデルに搭載されれば日付変更時間の注意を受ける機会も無くなるのだと思います。
シードゥエラー 126600 総評
今回のモデルチェンジは本当に外見も中身も伴った本当のモデルチェンジであると思います。
・強烈な印象の赤いロゴ
・43mmというサブマリーナと差別化されたサイズ
・cal.3235をいち早く搭載した新機軸スポーツモデル
・日付の変更も全時間オッケー
・デイトナと同じ脅威の70時間パワーリザーブを誇る
ここまで進化すれば期待通りのモデルチェンジとも言えるでしょう。
そしてウェブカタログからはしっかりシードゥエラー4000が消えております。
イマイチぱっとしなかったシードゥエラー4000 116600の中古市場もしばらくヒートアップしそうな気がしますね!
今回のモデルチェンジは今まで陰っていたシードゥエラー人気を復活させる1手になるかもしれませんね。
2017年のバーゼルもロレックスはしっかり仕事をしてくれましたね。
2017年のシードゥエラー市場に期待しながら見守りたいと思います。
それでは今日はこの辺りで失礼いたします。