さて今日のご紹介はロレックス デイトナエバーローズゴールド 116505です。
金無垢の腕時計を買おうという方が皆さん気になさっているのは、
「金無垢っていうけど全部が金で作られているの?」
という事ですがロレックスに関してだけ言えば、
・ブレスレット、ケースリュウズの外側は全て18金製
・ケースとブレスレットを繋ぐバネ棒も金無垢モデルはケースと同じ色をしていますので中のスプリング以外は18金だと思われます。
・文字盤と中身の機械だけが通常と同じステンレス製になっています。それからリュウズのネジ部分は耐久性を考えて金では無いと思います。
と高いだけあって殆どの場所が名前の通り金で出来ています。
それもこのデイトナは「エバーローズゴールド」製ですので、今までの金無垢とは一味違うわけです。
まず図の3種類のメジャーな金ですが、
18金の場合は100%のうち75%は皆さんが思い浮かべる黄色い金が占めております。
要は残りの25%に何を混ぜたかで色と性質が決まります。
ピンクゴールドは残りの25%に銅を大量に使用します。
イエローゴールドは残り25%に銅と銀を半々で使用します。
ホワイトゴールドは残り25%銅と銀とパラジウムを5%ほど含有します。このパラジウムが白い金属なので金なのに白いのです。
しかしこのロレックスのエバーローズゴールドはただのピンクゴールドではありません。
配合率はロレックスお得意の企業秘密ですが、どうやらプラチナが混ざっているらしいです。
プラチナは柔らかいイメージがありますが、非常に融点(金属溶ける温度)が高く、
金が1000℃で溶けるのに対し、1700℃まで溶けません。
それから汗、塩素、硫黄、漂白剤に強いという性質を持っています。
現代社会で言えば汗はスポーツ、塩素はプール、硫黄は温泉と金属に変色のリスクを与える環境に対してプラチナは非常に強いと言えるでしょう。
おそらくロレックスのことなので何回も何回も金属の配合率を変えて挑戦してプラチナとゴールドのイイトコどりの性質になるまで研究を重ねていると思います。そしてその結果がこのエバーローズゴールドという訳です。
この2つのデイトナ「116520」と「116505」どちらもコスモグラフデイトナなんですが、実はケースの形が違うんですね。
この2枚の写真は同じアングルで撮影した新品状態のものです。
リューズガードからラグまでのケース外側のラインを見ていただきたいのですが、ステンレスはクロノグラフプッシャーの根本がベゼルに隠れていますが、
エバーローズゴールドモデルはクロノグラフプッシャーの下の部分が分厚く作られているのがわかります。
ベゼルの大きさは116520も116505も同じですが、ケースの大きさは116505の方が大きいです。
実はホワイトゴールドのデイトナである116509もケースは大きく作られています。
まとめると、
・デイトナには2種類のケースデザインが存在する
・116520と116528(イエローゴールドモデル)は従来のデイトナのケースを採用
・116505(エバーローズゴールド)と116509(ホワイトゴールド)は巨大化した新型ケースを採用
という事になります。同じモデルネームですが、全く同じ形では無いのです。
このあたりは何か考えがあってのことだと思います、私はホワイトゴールドのデイトナ発表時にステンレスモデルとの差別化するためにケースデザインにマイナーチェンジを加えたのだと思っております。
新しい配合のゴールドに無垢モデル用にマイナーチェンジされたケースデザイン。
ロレックスのすごいところは色と素材違いのモデルを出すだけでも手を抜かないところですよね。
より良い性能、より良い見た目を目指して人が気づかない様な小さな努力を重ねてモデルを発表しているのです。