今からかなり昔、およそ20年前の話になりますが、当時も今と同じで、スポーツロレックスの人気が非常に高い頃のお話です。
ある意味、全盛期というか、むしろ、今よりも人気があったかもしれないですね。
当時は、テレビにでている男性アイドルの人たちも、ロレックスをつけたり、ドラマの小道具に使われたりしていましたね。
一般の若い子たち中心に、サブマリーナや、エクスプローラⅠ、Ⅱ、GMTマスターなど、定番のスポーツモデルをつけている20代の方も結構おられたように思います。
並行輸入品を扱うお店だと、エクスプローラⅠで35万円ほど、サブマリーナあたりでも、40万円も出せば買えた時代です。
もっとも、これでも当時かなり値上がりしての話で、さらにその数年前であれば、それらのモデルでも20万円代で買えた時代があったのですよ。よい時代ですね。
そういった、当時の現行新品を買う人たちと、それとは別に、アンティークとは言わないまでも、少し前のスポーツロレックスの中古を好んで買う人たちに、当時は分かれていたように思います。
当時人気のあったモデルは、当然のように今でも人気があるのですが、エクスプローラⅠの1016、エクスプローラⅡの1655、サブマリーナの1680赤サブ、赤シードなどでしたね。
そのような中、いつものように、休日になると、時計屋巡りをしていたのですが、ある時、あるお店の店主さんに1016の改造品を買わないかと勧められたんですね。
当時、私は現行のエクスプローラⅡとチュードルの青サブを普段使いに使用していたのですが、エクスプローラⅡと交換してあげるよと。
1016の改造品とはいえ、リダンされた文字盤は、とてもきれいで、少し見ただけでは、改造品だと気付く人はほとんどいないと思います。
何をどう改造したのかは忘れてしまいましたが、おそらく、ref.1500でしょうか、オイスターパーペチュアルあたりに、無理矢理、文字盤をつけていたのかと思われます。
当時は、ムーブメントがどうとか、あまり知りませんでしたが、中身を見せてもらうと、日付表示がないのに、中の機械には日付のリングがあったり、文字盤の高さが合わないので、何か自作の部品を付けて丁度いい位置に文字盤がくるように調整していたりと、怪しさ満開です。
私も若かったので、無下に断ることもできず、「これつけて、ちょっとその辺ぶらぶらしてきなよ。」という言葉に誘われて、数時間だけ交換しました。
まぁ、お店の人にしてみれば、色んな部品を組み合わせた、それこそガッチャマンを、純正のエクスプローラⅡに交換することができれば、そりゃお得ですよね。
結果的にはもちろん交換はしていないですが、その数週間後には売れたと言っていましたから、買った人がいるのでしょう。
確かに、遠目から見れば、お、エクスプローラⅠじゃん、ってなるだろうから。
これが果たして安いのか、高いのかは、人それぞれの価値観によりますが・・・。
もちろん、日本ロレックスでのオーバーホールや修理は受け付けてもらえません。
また、そのお店も今はもうないので、そんなガラクタ所有しても、自分で中を開けていじる趣味でもなければ、故障したときに厄介ですね。
お店に自分の時計を置いて出てきたときに、少し不安だったのですが、タイミング的に、その後わりとすぐに、私のロレックスはオーバーホールしてもらいました。
何も問題はなかったのでよかったですが、交換している間に、純正の部品を抜き取られるなんてことも、無いとも限らないですからね。
実際、そのお店では、色々な改造品も売られていたので、そういったロレックスって、今はどうなっているんでしょうね。
出来のよい改造品なんて、ふつうに流通してそうで怖いです。
70年代、80年代あたりの、アンティークというか、中古のロレックスは、今ではなかなか扱っているお店も少ないように思います。
購入するときは、日本ロレックスでのオーバーホールをした記録のあるものを選ぶことをおすすめします。
私は、アンティークのロレックスにはあまり興味はないのですが、かなりディープな世界ですね。
もし、足を踏み入れるならば、かなりの勉強量が要求されるかと思います。
騙されることもあるかもしれません。
当時の時計雑誌に載っているようなお店でも、今でもしっかりとやっておられる時計店もあります。
ただ、20年以上続いているお店となってくると、かなり少ないのではないでしょうかね。
そういった時計屋さんで扱っている固体は、やはり、それなりのお値段がするんですね。
良いモノは決して安くはない、そういうことでしょうか。
皆様が、素晴らしい時計と出会いますように。