Rolexの取締役は
Rolexに関してはっきりしている事は本社とデザイン部門、宝飾部門がジュネーブ、ムーブメントがビエンヌということが公式HPに書かれています。
会社の社屋や施設以外は公式には何も発表されていません。
役員やCEOも公式には不明です。
しかしネットで検索したら意外に簡単に、わかります。
まずCEOはJean Frédéric Dufour氏です。もとゼニスのCEOで2014年よりRolexの6代目のCEOになっています。Getty のイメージでも簡単にでてきました。
彼の略歴を簡単に紹介します。1969年生まれ、これまでに複数のウォッチブランドのトップを経験しています。BLANCPAINなどを経て2009年からゼニスのCEOに就任していました。
このゼニスでの成功が彼をRolexのCEOに導いた功績であることは間違いないでしょう。
しかし数多くあるRolexの公式行事で彼が例えばプレゼンターとして出席したことは見たことが私はありません。
私が参考にした情報は【Hodinkee】というサイトです。多くのブランドのトップへのインタビューを掲載している信用性の高いサイトです。私も海外からのブランド情報はこちらの検索がヒットする場合も多く、動画でロングインタビューもよく掲載されてるため何度かこのサイトの記事や動画も参考にしました。
NYで2008年に設立された、ヴィンテージウォッチ愛好者である創設者が運営しています。クラッシックカーも好きで何本かの価値ある時計を車の事故でクラッシュしたと紹介文に書かれています。
信用性の高いサイトであり、この記事でもRolexにも確認を取れたと書かれているので情報は間違いはないと私は思います。
謎が多いRolexのヒストリー
CEO誰だとかよりも、私が一番問題と思ったことは、なぜ世界的なウォッチブランドが2014年に就任したトップを2018年7月時点でも公表しないでいられるのでしょうか?
まずあらためて歴史を紐解きます。
創業者ハンスウィルスドルフがRolexでの一番有名な人物で、現在のRolexも彼の名前を冠したハンズウィルスドルフ財団が運営元となっています。この話は多くの時計ファンも知っているところで、そのためRolexは通常の株式会社と違い会社の財務情報などを公表しなくても良いとなっています。
歴史的には英文のウィキペディアによると1905年にロンドンで創業後、1919年ウィルスドルフはイギリスからスイスのジュネーブに会社と共に移住しています。
この時に社名をRolex Watches Company、1920年にMontres Rolex、そして最終的にRolexに社名が落ち着きます。
その後1944年に妻の死後ウィルスドルフは自身の名前を冠した個人的な基金である『ウィルスドルフ基金』を設立しています。
そしてこの頃に彼はRolexの株を全て手放しています。
そして彼の死後1960年に会社は全て基金が所有と経営をすることとなったのです。
ここでの疑問はなぜ基金を設立して、ウィルスドルフの死後に自社株を全て基金に移管したことです。
私の推測では租税対策ではと考えます。
1970年前後のヨーロッパでは多くの資産家達が自国の高額な租税を逃れるために税率の低い国への移住や節税を試みていた時期と合致します。
スイスの光と闇
テニスのレジェンド、ボルグ氏も母国スウェーデンの高額な租税から逃れるため税率の低いモナコに移住しています。
Rolexもそれと同様かもしれません。創業者一族が基金を設立して、節税して財産保持をしたと考えも不思議ではありません。
現在もRolexは基金が運営していることで法人税の支払いを免除されていると英文ウィキペディアには書かれいます。
スイス企業というと我々日本人はクリーンなイメージを想像します。
ジュネーブを中心にに我々が好む機械式腕時計、宝飾品業界、そしてチューリヒでは守秘義務の高いスイス銀行がその代表です。
しかしその真逆な側面もあります。
第二次大戦中は永世中立の立場を利用して、戦勝国や敗戦国の財産を管理していて、敗戦や失脚によって所有者不在不明になった財産を手にして、現在のスイス金融業は成り立っているという意見もあります。
近年はマネーロンダリングの主戦場になっている批判があったため、顧客の情報もかつてのようなどんな機関からの公開要望にも応じない守秘義務は無く、必要ならば公開しています。
それでも漫画のゴルゴ13も口座はスイスのプライベートバンク、映画『ダヴィンチコード』や『ジェイソン・ボーン シリーズ』、『ウルフオブ ウォールストリート』でも隠し口座はいつもスイスのプライベートバンクなんですよね。
節税と脱税は紙一重、やはりスイスには資金運用などのコンサルタントと称して多くの資金が流入するようになっているのでしょうね。
CEOを公表しない事にも歴史あり?
Rolexのライバル他社は現CEO達がブランド公式HPで写真入りでメッセージを載せています。スウォッチグループがその代表で、タグホイヤーはもちろんあのパテックフィリップでさえ公式HPの動画で現社長を公開しています。
ブレゲはマーク・A・ハイエック氏が上の写真の様にHP上でメッセージとサイン入りで登場しています。
現在のほとんどのウォッチカンパニーはブレゲの様にトップが旗振り役となって新商品発表やブランドのイメージ作りに貢献しています。
その企業のトップをRolexが公式HPにも掲載しない理由は何か?
RolexはJean Frédéric Dufour氏が就任する前任者Patrick Heingerが個人的な理由で2008年12月に辞任しています。実はこの辞任は巨大詐欺事件に巻き込まれて会社に10億スイスフランの損失を与えたからと言われています。Rolexはこの件に関して否定したそうですが、2013年にそのCEOは死去しています。
もちろん損失が死因とは直接関係ありませんが、かなりのストレスだったのではと思います。
CEOを公表しない事自体、RolexではCEOには権限が無くお飾りなのか?影の支配者が居るのか?
そうも思いたくなりますね。
また、CEOが巨額詐欺事件で損害を出したなら大問題になるはずです。
それが表面に出ない力がRolexにはあるのかも知れません。
Jean氏が就任して4年ほど経過していますが、彼らしい運営は今のところRolexからは感じられません。
強いて言えばスポーツモデルを若干充実させているくらいでしょうか?
販売ネットワークにも色々なしがらみがある?
Rolexは日本の販売ネットワークにも何らかのしがらみがあり、販売網を再構築できないのではと私は感じます。
特に正規店と呼ばれている店舗は20年前に比べて明らかに減っています。私が当時買った正規店も今は正規店ではありません。
また他のブランドで多くある直営店も日本ではありません。
正規店が減って価格が上昇している、多くの国でメーカーの小売価格圧力への法規制がある中、プライスコントロールが可能にしている事は馴染みの販売店に言葉が悪いですが、『言う事の聞く販売店』を正規店として残し旨味を与えて、業界の監視をしている意見をブログで書いている方も居ます。
スイスのブッフェラーやシンガポールのアワーグラスなどの老舗名門店もお互い持ちつ持たれつの関係かも知れません。
トケマーに出品されていたスカイドゥエラーはタイミング的に新CEOが就任する少し前に出たモデルです。
GMTマスターとの位置付けが疑問に思うモデルですが、僕はこのブルー文字盤は好きです。
CEOが自身のアイデンティティを出すのなら先ず、既存モデルのマイナーチェンジ版をリリースするのも良いのはないでしょうか?
例えばRolexが防水が劣ると言って拒むスケルトンモデルに挑戦するのも良いと思います。
また4年ほど経過していますが、Rolexには公式HPでJean氏のアナウンスメントもお願いしたいです。