ETA valjoux 7750 movement

Original-Spare-Parts-For-ETA-Valjoux-7750-Automatic-
「バルジュー7750」はETA社が製造する自動巻きクロノグラフのムーブメントです。
ETA社は完成(半完成)したムーブメントを製造して、ウォッチメーカーへ提供する企業です。
半完成したムーブメントを製造・卸しする会社をエボーシュと呼びます。
(※現在はスウォッチ・グループ傘下の企業になり他グループへの提供を制限しています。)
ムーブメントを開発するのには膨大な時間と経費がかかるため、多くのウォッチメーカーはコスト面を考慮し完成されたムーブメントを買って自社の腕時計として組み上げ販売していたのです。
バルジュー7750含む多くのエボーシュ・ムーブメントを利用した腕時計は多く、世界に広がっています。
1970年代に起きた2つの事件がスイスを中心とした腕時計業界を襲います。
1つめは「オイルショック」です。
70年代に2度起きたOPECによる(OPECと言うか戦争の影響ですが)石油高騰が引き金になり爆発的なインフレが起きます。
2つめは「クォーツショック」です。
みなさんもご存知のSEIKOが商品化した高精度・低コストのクォーツが腕時計業界を席巻しました。
2つのショックで、小さい時計メーカーはバタバタと倒れ、大きいメーカーでも機械式ムーブメントの開発を中止しクォーツの製作をせざるを得ない状況になりました。
機械式腕時計が再び脚光を浴びたのは1980年代に入ってから。
世界経済が徐々に回復し始めると、嗜好品を求めオシャレの国イタリアで機械式腕時計が求められるようになりました。
その際に人気があったのがクロノグラフであり、各社がコストを抑え使用していたバルジュー7750だったのです。
1970年代に誕生したバルジュー7750は縦目のクロノグラフ配列になります。
おおよそ顔つき(インダイヤルの配置)を見るとバルジュー7750がベースになっているのが判断できると思います。
大量生産に向いた作りで、精度こそ調整が難しいですが組み換えが自在になっています。
自動巻き部分、カレンダー部分、クロノグラフ部分と階層分けされているため厚みが出る反面、カレンダーを変えたり、クロノグラフを取っ払ったりウォッチメーカーが意図するようカスタムできます。
少し説明が長くなりましたが・・・ここからが本題です。
ココ東京おすすめのバルジュー7750をベースにしたクロノグラフのご紹介です!
どうぞ。
ブライトリング

"Old Navitimer" V7750
1980年半ばに復活したナビタイマー・シリーズ「オールド・ナビタイマー」
かっこいいですね。文句なくかっこいいです。
革ベルトの中古品なら20万円台で購入可能です!
黒文字盤にアラビア数字が、おすすめです。
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クロノライナー / Ref.:Y241B10OCA
2015年に仲間入りした新作モデル「クロノライナー」。
ベースがバルジュー7750の「ブライトリング24」が搭載されています。
24時間針が付いていますね。
まだまだ値段は高めの50万円台が相場です。
でも、かっこいい!

CHRONOMAT
生産終了になってしまった44mmビッグボディのクロノマット・エボリューション。
クロノマットのデザインが一気にかっこよくなったモデルですね。
中古品なら20万円台で購入できますよ!
オメガ
OMEGA 3513-50
木村拓哉さん主演のドラマ「エンジン」で着用され10万円台前半だった中古相場が5万円くらい上がった黒文字盤のオメガ・スピードマスター・デイト「3513-50」。
38mm程度の小ぶりなケースで軽くて使いやすい人気モデルでした。
今では生産終了になり、もっとスペックアップしたシリーズが継続販売中ですが、ココ東京はこの頃のモデルがおすすめです。
今では10万円程度で中古が買えますので、状態が良ければ買っておいて間違いなしです。
同じくスピードマスターにシャトル型のポインターデイトと曜日、月のトリプルカレンダーを搭載したバルジュー7751がベースになっている「スピードマスター・マーク40」3520.53。
スピードマスター40周年の1997年に誕生しました。
70年代風のデザイン/カラーで良いなぁ・・・
15万円ほどで購入可能です。
ジン

103.B.AUTO
ミリタリーウォッチ・タイプのSINN「103.B」シリーズ。
パイロットウォッチ・デザインでかっこいいですよね!
中古品の値段も7~8万円から購入可能で、ココ東京一押しの腕時計です。
ブレスレットモデル、シースルーバック(裏スケ)、ムーンフェイズ付きなど様々なバリエーションが出ています。
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Bell & Ross by SINN 144 GMT
ベル&ロスとコラボした(と言うよりSINNが製造した)GMT機能付きのクロノグラフ「144」。
90年代はベル&ロス製のものは、ほぼSINNが作っていますね。
ダブルネームになっているため103.BもそうですがSINNオンリーのモデルより高値で取引されています。
144GMTも相場は25万円程度になっています。でも、かっこいい!
チュードル


Tudor Montecarlo 9420 blue complete watch
チュードルのクロノグラフRef.9420。
このモデルからクロノタイムと呼ばれるようになっています。
2カウンターから3カウンターのバルジュー7750に変更した このモデルは人気が高いです。
※当時はそうでもありませんでしたが・・・
この文字盤はエキゾチック(モンテカルロ)と呼ばれるモノで
今では80万円以上するVT(ビンテージ・チュードル)の代表格ですね。

チュードル 旧型クロノタイム 79160 黒×白 前期型
VTで購入可能で人気の高いRef.79160 プラベゼルの黒文字盤クロノタイム。
ロレックスのパーツを使用しています。
またビッグブロックと呼ばれるブ厚いケースに入っているため「カマボコケース」と日本では愛称が付きました。
50万円程度の値段が付けれています。
パネライ
クロノグラムモジュールを取っ払ってしまったのはパネライの自動巻きモデル。
自社製キャリバーができるまでは、自動巻きモデルのベースはほぼバルジュー7750です。
※手巻きは同じくETAのユニタス6497ベース。
尾錠タイプなら50万円程度で購入できます。
IWC

メカニカル フリーガー クロノグラフ Ref.3706
ココ東京はミリタリーウォッチやパイロットウォッチのデザインが大好きなので
もちろんIWCならフリーガー・クロノをおすすめします。
しかも90年代のペンシルハンドのシンプルなものが良いですね。
かっこいい!
中古の良品は少なくなってきましたが20万円代後半で購入できますので、探してみてください!
IWCからもう1本・・・本当はGSTクロノをおすすめしようと思いましたが
アクアタイマー・クロノグラフに変更です!
インパクトある44mmのビッグボディ。かっこいいなぁ・・・。
オールブラックのガラパゴス・アイランドと言うチャリティーモデルもかっこいいですよ!
40万円くらいから中古が買えます。
バルジュー7750をベースにしたIWCキャリバー79350を搭載しています。
縦目の2カウンターでポルトギーゼ・クロノはオシャレですねぇ・・・かっこいいなぁ。
IWCはバルジュー7750を愛していますね。
タグ・ホイヤー

ニューカレラ タキメーター クロノグラフ CV2010.BA0794
ブラッド・ピッドを広告に使ったカレラ・タキメータークロノグラフ!
いやぁーカッコイイ。
ケースの厚みとブレスレットのペラペラ感が凄かった1stモデルなら15万円程度から見つかります。
シースルーバックですし(中はもちろんバルジュー7750ベースのCal.16ですが)
見た目もグッド・・・ジンに次ぐ超おすすめモデルです。
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TAG HEUER LINK CHRONOGRAPH CJF2114.BA0594
セナが愛したS/elの後継機リンクシリーズからリンク・クロノグラフ。
リンクのブレスレットは本当に凄いです。フィット感がヤバいですが、今回はフェイスを見て下さい!
かっこいいでしょ???
シンプル、シャープ、レーシー!
他にもあるぞ!バルジュー7750をベースにした人気モデル
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HAMILTON カーキ BelowZero クロノグラフ H78616333
ハミルトンの人気シリーズ「カーキ・ネイビー」のビロウゼロ・クロノグラフ。
1950年代のハミルトン・コックピットクロックを踏襲したデザインですね。
46mmのXLサイズに防水1000メートルとオーバースペックを誇ります。
クロノグラフじゃないノーマル・モデルに映画「オデッセイ」マーク・ワトニー着用モデルがありますね。
映画観に行きましたよワイフと。面白かったです。
ビロウゼロとは零下のことですが、極寒でも固まらない油を潤滑油に使っているのかな?
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Hamilton Khaki Field Auto Chrono Réf. H71616535
2016バーゼルワールドの新作 カーキ・フィールド クロノグラフです。
定価20万円程度とお買い求めやすいのにカッコイイ!
オールブラックのPVDモデルRef:H71626735もあります。
いいですねぇ、オススメしたいけど実物見てからだな。
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fortis flieger chronograph black
フォルティスのフリーガー・クロノです。
ブラックPVDケースでミリタリー色が出まくりですね。
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ORIS TT1 Chronograph
オリスのTT1クロノグラフも、なかなかナイスです。
42mmのビッグボディですね。
現行モデルはダイヤルに3.9が記載されていますが、ココ東京は旧作のシンプルな文字盤が好きです。
またもっとゴツイ「オリス TT1 ダイバーズクロノ」もかっこいいですよ!
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Tissot SeaStar 1000 Chronograph Valjoux Limited Edition (ref. T0664141705700)
モンスターサイズの48mmを誇るティソ・シースター1000クロノグラフ。
デザインはかっこいいですが、デカ過ぎますね。
シースルーバックでバルジュー7750が見えますが、ケースに対してローターの大きさが・・・
44mmくらいで別バージョン出されても良いかと思います。
まとめ
いかがでした?
機械式腕時計が低迷していた時期に登場したモデルも多数ありました。
かっこいいでしょ?
人気でますよね、やっぱり。
時計業界の救世主と言っても過言じゃないですよね?
同じバルジュー7750を使用してても手頃な価格なモデルから、なかなか高級な腕時計までありますね。
10万円台から買えるモデルにも、かっこいいのがありますので本当におすすめです。
なにより大変普及したムーブメントですので、街の時計修理屋さんにもパーツなどが充分に揃っており、パーツ不足を理由に修理を断られることもない安心のムーブメントと言えます。
各社エボーシュ・ムーブメント・バルジュー7750をベースに、1度分解しカスタムしてメーカーの味を出していますね。
表面加工だったり、パーツの交換だったり、精度の調整だったりカスタムがしやすいのもバルジュー7750の魅力です。
似た表情のレマニア5100と言うムーブメントがありますが、見た目の違いはわかりますか?
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Sinn 156B ミリタリー クロノグラフ レマニア5100
答え
レマニア5100は自動巻きで12時位置のインダイヤルが24時間計になっています。
隠れていますが、60分計針とストップウォッチ針(60秒計)が中央の長針短針と重なっています。