ディープシー チャレンジ
技術力を誇示するための超絶コンセプトモデル
Ref.116660 シードゥエラー・ディープシー ※画像はディープシー チャレンジではありません
via market.watch-monster.com
ディープシーチャレンジは画像の「ORIGINAL GAS ESCAPE VALVE」が「DEEPSEA CHALLENGE」という表記になっていることに加え、「12800ft=3900m」が「39370ft=12000m」という表記になっています。ムーヴメントは市販のものと同様です。実験用モデルのため型番・価格は不明です。
堅牢性を売りにするロレックスでは、その性能をアピールするためのコンセプトモデルを過去にいくつも生み出しています。最近では2012年に、ディープシー チャレンジというモデルが試作されたことが有名です。
これは、映画「ターミネーター」「タイタニック」などの監督を務め、多くの難破船サルページや深海調査プロジェクトに関わってきたジェームズ・キャメロンが、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵で有人深海探査艇に乗って海底を目指したプロジェクトに向けて試作されました。このプロジェクトにおいて使われた探査艇「ディープシー チャレンジャー号」のロボットアームに取り付けられた時計をロレックスが供給しました。
コンセプトモデルは直径51.4mm、厚さ28.5mmの特殊ケースを採用しています。防水性能は1万2000m、耐圧性能13.6トンという超絶なスペックを誇っています。
ロレックスとマリアナ海溝の関係は1960年まで遡ることができます。この年に潜水艇「トリエステ号」が有人でマリアナ海溝の最深部に初めて到達しましたが、このときに船体に取り付けられていたのが、試作機のオイスター ディープシー スペシャルです。
このときに採取したデータは、後に市販モデルのシードゥエラーの開発にも生かされたとも言われています。12年に制作されたディープシー チャレンジも試作機だけに市場に出てくることは考えにくいですが、いくらの値を付けるか、想像は尽きません。
50年以上も前に約1万m以上の深海へと挑んだ時計史に残る傑作
かつて、1960年にオイスターケースをベースにして試作され、1万916mの潜水実験に成功したディープシー スペシャルというモデルが存在しました。深海の強烈な水圧から時計を守るために苦心の末に考えられた球体状の風防がなんとも印象的でした。
あくまで潜水実験のための試作機ゆえに当然ながら市販されることはありませんでしたが、後のシードゥエラー開発にも貢献したロレックスの有名なコンセプトモデルです。
ターノグラフ 日本限定モデル
Ref.116261 ※画像は日本限定モデルではありません
via market.watch-monster.com
日本限定モデルは秒針・デイト表示・「TURN-O-GRAPH」表記にグリーンが使われています(Ref.116263GR)。

意図的なものか偶然かは定かではありませんが、ロレックスでは日本でしか発売されなかったモデルがいくつか存在しています。その代表例が2011年にリリースされたイエローゴールドコンビのターノグラフです。
こちらは白と黒文字盤が各300本のみ発売されたという曰く付きのモデルです。秒針とデイト表示、さらには文字盤の「TURN-O-GRAPH」表記にロレックスのコーポレートカラーである緑が使われているという、なかなかディテールにこだわったデザインが採用されています。
なぜ日本でしか発売されなかったのかは謎に包まれていますが、世界でもターノグラフ人気が比較的高い日本市場を意識しての投入だったのかもしれません。
エクスプローラーⅠに激似のオイスターパーペチュアル
via market.watch-monster.com
2008年に発表された黒文字盤に3・6・9のアラビア文字盤というエクスプローラーⅠに酷似した風貌のオイスターパーペチャルです。日本でしか発売されず、約600本といわれる初期ロット完売後は増産されておらず、世界のコレクターからも注目を集めています。生産数自体が少ないだけに、今後はレアモデル化していくことは必至です。
サブマリーナデイト パナマ運河返還記念モデル
via market.watch-monster.com
アメリカからパナマ共和国への運河返還を記念して、モデル名表記部分にパナマコミッションのロゴを入れたレアモデルです。1999年にステンレスモデルが75本、翌年にコンビモデルが75本製造され、その多くはVIPに贈答されましたが、ごく一部が市販されたと言われています。
文字盤にプリントされているパナマ運河返還前のエンブレム(パナマコミッション)は、通常の文字盤の印字と同質で、最初からパナマキャナル用にロレックスでプリントされています。ほかのダブルネームは基本的に後から書き加えられたものがほとんどということを考えるとかなり珍しい仕様です。また、裏ブタ外周にリミテッドエディションナンバーが刻印されていると言われています。
シードゥエラー イタリア警察潜水工作隊創設50周年記念モデル
via market.watch-monster.com
イタリア警察の潜水部隊創設50周年を記念し、功績のあった隊員に支給されたモデルです。78本(そのうち28本が名誉昇進のナンバー刻印入り)が存在すると言われています。そのロゴから通称「タコシード」と呼ばれますが、海外オークションでもほぼ出てきません。裏蓋には部隊名の刻印が誇らしげに入ります。
スペースドゥエラー Ref.1016
「宇宙の居住者」の名を与えられた珍品モデル
実物はモデル名表記のみが「EXPLORER」ではなく、「SPACE-DWELLER」になっています。
ロングセラーコレクションが多いロレックスですが、その長い社歴のなかでは姿を消してしまったモデルも少なくありません。その代表的な例が、スペースドゥエラーです。このモデルはアポロ計画で世界中が沸いていた1960年代後半に投入されたモデルです。
その名からもわかるように多分に宇宙時代を意識していました。このモデルの発売自体、米国初の有人宇宙飛行だったマーキュリー計画に参加したパイロットの来日を記念したもので、日本市場のみのリリースだったと言われています。
しかし高価なこともあってヒットせず、早々に廃番になってしまいました。見た目はエクスプローラーⅠとほぼ同じですし、そもそも型番もまるっきり一緒だという非常に謎の多いモデルでもあり、マニアから人気を集めています。
エアキングデイト Ref.5701
エアキングのバリエーションとして1960年代後半に登場し、実は90年代まで製造されていたモデルです。ゴールドコンビモデルも存在していることから、やや高級版のエアキングという位置付けだったと思われます。デイト表示はありますがデイトジャスト機構は非搭載です。
ベータ21 Ref.5100
ロレックスの初期クオーツ
70年前後に起こったクオーツショックの波はロレックスも無視できず、70年に「ベータ21」搭載モデルを1000本ほど生産しました。77年には自社製クオーツムーヴメントの開発にも成功し、実はロレックスも一時期は全生産量の約1割がクオーツでした。クオーツモデルは21世紀初頭まで製造されており、いまでも市場で見かけることができます。
ベータ21はスイスの時計メーカーが共同で開発した最初期のクオーツムーヴメントです。最初期のクオーツウォッチは高級品であり、このモデルもイエローゴールドかホワイトゴールドのモデルしか存在しません。製造数も1000本程度と少なく非常にレアです。
ベータ21の登場後、1977年にはロレックスも自社製クオーツムーヴメントの開発に成功し、デイトジャスト(Ref.17000)やデイデイトモデル(Ref.19018)を市場に投入しました。フラッシュフィットを採用しないケースデザインなど、近未来感を強調したようなフォルムが印象的です。比較的タマ数は多く、市場でも見つけやすいです。
最後に 今はなき謎のペットネームモデル
トゥルービート Ref.6656
機械式ムーヴメントなのにクオーツウォッチのようなステップ運針するため、1秒の間隔が正確にわかるという特殊モデルです。製造期間は1954年からのわずか5年間ほどと非常に短いです。いまや市場にも状態の良いものはほとんど出てこないレアモデルとなっています。
ゼログラフ Ref.3346
クロノグラフとは異なり、プッシュボタンを押すと秒針が0に戻り簡易的に秒数計測ができる機能を搭載しています。1930年代にリリースされたモデルですが、現存数は少ないこともあって価格は4000万~5000万円クラスの超レアアイテムです。
センターグラフ Ref.3462
機械的にはゼログラフとほぼ同様で、簡易秒数計測機能が搭載されています。製造はゼログラフの後の1940年代だと思われます。医療関係者など一部のプロフェッショナルに愛用されたと言われるモデルです。オークションにもほとんど出ません。