腕時計の売却方程式
腕時計に限った話ではありませんが、人が欲しがっている物「需要の高いもの」ほど買取査定は高くなります。
自動車でも、アパレルでも、土地でも何でも同じです。
では、何が「需要の高い」人気モデルなのでしょうか?
「雑誌」「テレビ」などのメディアを見れば、だいたいのことはわかるでしょう。
メディアは人気がありそうなモデルを報じ(雑誌のカバーとか)、そのモデルを見てまた人々が欲しがる。
良く売れている、アレが欲しいと人々がSNSなどで声を上げると、またメディアがそれを拾い人気があると報じる。
実体験ではなく「●●らしいよ」だけで、人気は維持されますね。
「人気の誰々さんが着けてたからあの時計は格好良い!」となれば、そこにお金が絡みます。
アンバサダーと言う名で著名人に着けさせ、企業イメージに使うんです。
●●さんが着けてたから欲しい!なんて人が、どれだけいるかはわかりかねますがイメージ向上及び売上にはつながっているのでしょう。
「人気」は作られるのです。
もう1つの見極め方があります。
それは、「国内定価」と「実売相場」のギャップです。
このギャップが大きいほど「人気が無い」ことになります。
定価100万円の時計が中古5万円で売られているとします。
買う側にとっては「お買い得」かも知れませんね。
しかし、100万円で買った人が手放す時は、5万円以下になり
「リセールバリュー」が非常に悪い・・・と言えるでしょう。
これが自動車なら何年も乗ったし「処分費」などと自分に言い聞かせられるかと思いますが、腕時計の場合は普通に「人気が無いな〜(需要が少ない)」となるのです。
逆に定価以上で実勢販売相場が推移するモデルがあります。
所謂「プレミアム・モデル」と呼ばれる希少価値の高いモデルです。
更に新品ならまだしも、中古品なのに定価を上回って取引されているモデルもあるんです。
一時期の「たまごっち」や「NIKE エアマックス95」、最近では「妖怪ウォッチ」などもそうでした。
おおよそ、この手のモデルは不公平に太客(常連)へ流れます。
入荷しても店頭に並ぶことなく売れてしまいますね。
仮に目玉商品で店頭に並んだとしても「転売ヤー」と呼ばれる「並んで買って即売却」する方々が買い漁ってしまうので、なかなか手に入りません。
メーカーもメーカーで、煽るように販売量を絞り希少性を上げるので最悪です。
と言う事を前提に・・・
モデル別に人気の度合いがあり「買取査定・価値」が違うのです。
同じ定価でもモデルにより買取査定は変わります。
次に、査定時によく「こちらになります」とか言いながら「電卓」見せるアレ、あるじゃないですか?
「●●円の査定価格になりましたよ」ってことですが、電卓を使う理由があるんです。
つまり計算ですね。
この記事の1番先頭に載せた かなりアバウトな計算式を頭の片隅に入れながら読んでください。
100万円で販売するから50%の50万円で買い取れば、利益が出るな!
とまぁ、単純にはこんな計算を電卓を使ってやっているのですね。
実際には色々考えねばなりませんが、「計算」ができれば大きな損のない買い物ができるかも知れません。
それでは、「腕時計の売却方程式」を頭に入れ実際に腕時計を見ていきましょう。
腕時計の売却方程式 問題集
次の画像から、人気度と買取査定額を解きなさい。
それでは、第1問
オメガのダイバーズウォッチ シーマスター300の中古品です。
・付属品 メーカー純正BOXあり国際保証書あり
・保証書日付は2016年7月
とくに状態についての記載がありませんが、記事を書いているのが2016年10月なので、
まだ買われて3か月の中古と言う非常に良い感じの個体だと言えるでしょう。
定価712,800円に対し、中古美品価格は375,000円の約53%となっています。
まず、こちらをベースに見ていきましょう。
※解答は後ほど
第2問
三大ブランドの雄 バシュロンから今年の新作 オーバーシーズ 4500V/110Aの白文字盤です。
並行輸入品の新品ですので、状態についてはとくにありません。
国内定価2,295,000円に対し、販売価格は1,850,000円と約80%となっています。
先ほどのオメガに比べ、だいぶ高い割合になっています。
後ほど解説含めて、解答です。
第3問
3本の金(ゴールド)を使った高額モデルの中古品です。
1本目は三大ブランドからパテックフィリップ ノーチラス 5711/1R-001 ローズゴールド製
2本目はイタリアの宝石商ブルガリ アショーマ48mm イエローゴールド製
3本目はフランクミュラー クレイジーアワーズ ホワイトゴールド製 ダイヤモンドもあしらわれています。
ノーチラスはメーカー純正BOXあり 国際保証書あり 保証書日付は2016年3月と新しめの中古品です。
国内定価6,188,400とかなり高額ですが、中古のプライスは4,880,000円の約79%!
ブルガリのアショーマ48は箱ギャランティーあり オーバーホールと仕上げ済み
ストラップはオリジナルのクロコストラップと交換済み、とキレイに仕上げられた中古品です。
国内1,382,400円に対し、販売価格は658,000円の約47%。
クレイジーアワーズはメーカー純正BOXあり 国際保証書あり 革ベルトは純正の新品に交換済となっています。
定価6,210,000円に対し、中古は1,980,000円の約32%です。
大雑把に80%、50%、30%と数字が開きました。
第4問
ロレックスのデイトナ 116520は今年生産終了になってしまいました。
付属品は箱ギャランティー。
G番2012年10月印、当店にてオーバーホールと外装仕上げを施しました。となっています。
ギャランティー以外の付属品についての明記がありませんので、冊子やタグなどは不明です。
定価1,242,000円ですが、中古品の価格は1,250,000円と約101%です。
定価を超えていますね。
第5問
2本のシードゥエラー ディープシーです。
1本目は新品のDブルー・ダイヤル
2本目は中古のブラック・ダイヤルです。
中古の黒文字盤は、箱なし国際保証書あり Vシリアル 保証書日付は2010年5月となっています。
オーバーホールについては明記されていません。
新品Dブルーは定価1,274,400円に対し、1,345,000円 105%の定価越え。
中古黒文字盤は定価1,242,000円に対し、858,000円の69%となっています。
第6問
青・黒の2トーン・セラクロムベゼルのGMTマスター2 116710BLNRの中古品です。
メーカー純正BOXあり 国際保証書あり ランダムシリアル 保証書日付は2015年5月と比較的新しい中古ですね。
定価918,000円に対し、中古が855,000円と約93%になっています。
第7問
旧型のサブマリーナー・デイト 16610です。
1989年から2010年まで作られたロングセラーモデルですね。
箱ギャランティーあり、K番国内正規2002年11月印 オーバーホールと外装仕上げ済みだそうです。
2002年の個体は「横穴」あり「ルーレット刻印」なし「王冠透かし」は微妙な時期です。
最終定価588,000円に対し、14年経った中古価格は628,000円の約107%。
因みにこの年、2012年は定価改正があり当時462,000円から512,400円に上がった直後に購入されているようです。
462,000円で買っていたら136%、512,400円でも123%です。
生産終了しても値段が上がっているんですね。
第8問
2本のコンビネーションモデルです。
やはり「金」を半分使うだけあって定価も高くなりますね。
1本目はロレックス メンズのデイトジャスト 116233NR。
文字盤にシェルを使い高級感を増しています。Z番2006年の中古品でメーカー純正BOXあり 国際保証書ありの個体です。
因みにロレックスのコンビモデルは「ロレゾール」と呼びます。造語ですね。
2本目はカルティエ レディース タンクフランセーズSM W51007Q4。
クォーツ式の女性物で付属品は内箱のみとなっています。仕上げ・メンテ済みの個体です。
デイトジャストの定価は1,296,000円に対し、中古品は828,000円の64%。
タンクフランセーズは定価804,600円に対し、278,000円の35%となっています。
第9問
ブライトリングの44mm クロノマット・エボリューション ウインドライダー A156A53PAです。
箱ギャランティーありの中古品で、2004年6月印の並行モノ。
仕上げとオーバーホール済みの個体となっています。
現在は生産終了となっていますね。
定価は619,500円ですが、中古は358,000円と約58%です。
第10問
パネライ 44mm 自動巻きパワーリザーブ付きモデル ルミノール・パワーリザーブ PAM00090です。
年式によってこのモデルは「尾錠」「ホールディングバックル」と違います。
こちらは尾錠タイプのE番(2002年)メーカー純正BOXあり 国際保証書あり個体で、2014年にメーカー・オーバーホールが済んでいます。
ストラップは社外の新品に交換されているそうです。
定価928,800円に対し、14年経った中古価格は455,000円と49%。
解答編
はい、では解答編になります。
「次の画像から、人気度と買取査定額を解きなさい。」
第1問
オメガ シーマスター300になります。
人気度を考えるに、新品定価に対し中古相場53%が高いのか安いのかが重要になってきます。
中古だと3ヵ月落ちでも「半値」で買えるモデルは人気なのでしょうか?
価格差は小さくなってきましたが、海外の定価と比べ日本国内の定価は高めに設定されています。
それにより海外からの並行輸入新品が増え、時計ショップでは国内定価より低い価格で販売されるのです。
新作では、おおよそ70~80%くらいが平均値となっていますね。
(2016.10)
ブティックや百貨店での国内定価は712,800円
並行輸入の新品を扱う宝石広場での販売価格は425,000円
約60%と、2014年の新作にしては低めですね。
このモデルの新品人気は「普通」が正解です。
10人いたら、5人は良いモデルだと思い1人くらいは買うかも知れません。
次に今回の問題「中古」です。
新品が425,000円で販売されているのに対し、中古が375,000円と88%という数字が出ました。
これは非常に高い数字です。
ここから判断すると、中古品は非常に人気があるという事です。
円高の影響で新品相場は落ちていますが、まだ発表後2年と中古の玉数が少なく中古需要は高めと言えます。
このモデルの中古品であれば人気は「高い」が正解です。
画像からもわかるように「商談中」となっていますので、どなたか購入する予定なのでしょう。
この様に、同じモデルでも新品と中古の価値(人気)が違うモデルがあります。
また新品には新品の、中古には中古の「こだわり」などでも変わります。
最後に「買取査定額」です。
人気の高いモデル(この場合中古)なので、販売額375,000円に対し70~85%の査定額が予想されます。
それでは一応、方程式に はめ込みます。
(中古)375,000円を(新品)425,000円で割りますと88%と言う数字が先ほど出ました。
375,000円に88%を掛け、メンテナンス費を引きますと買取査定になると言う方程式です。
結果33万円となりました。うーん・・・ちょっと高めですね。
美品で付属品完備、大きなキズも無い(メンテナンス費用が不要)「まんま出し」「バキバキ・キレキレ」状態です。
88%は高めでも85%は上限で行くかもしれません。
おおよそ26~32万円で買取してもらえるでしょうか。
解1.中古は人気モデル 買取査定は26~32万円
第2問
新作の新品オーバーシーズです。
定価に対し並行新品価格は80%となっていました。
ここでの注目ポイントは「新作」です。
新作は出回りがまだ少なく相場が不安定なのです。
当然「珍しい」ので、発売当初は高めに設定されるでしょう。
徐々に出回り始め、店頭での回転率・取り寄せなどのオーダー数で値段の上下を決めていきます。
「このモデルは人気だから、まだこのまま下げずにいこう」とか「全然注文入らないから値段を下げて、人気モデルと抱き合わせで卸そう」など色々ですね。
日本に入ってくるときは「為替」も影響してきます。
さて、では人気についてです。
オメガのシーマスター300が60%と低めだったのに対し、やはり80%は高く「人気」モデルと言えます。
三大ブランドは製造工程から大量生産ができず、更にステンレススティールのスポーツタイプは非常に人気で枯渇しています。
パテックフィリップのノーチラス、オーデマピゲのロイヤルオークよりは、やや人気は落ちるものの「新作」ですので80%は妥当な数字ですね。
買取査定の計算は、このままでは出そうもありません。
ではサンプルで旧モデルの中古を見てみましょう。
定価に対し68%と、オメガのシーマスターが53%だったことからも高い人気であることがわかります。
やはりオーバーシーズは新旧問わず人気モデルですね。
次に買取査定額です。
人気だからと言って、為替の影響を受けやすく、新作ゆえに値段も落ちやすい「弱点」を持っています。
定価の80%で販売しているなら、定価の70%くらいで買うんじゃないの?と思われた方・・・「甘い」です。
まず無理でしょう。
仮にその買取店に「新しいオーバーシーズの新品が入荷したら電話ちょうだいよ」と言う常連さんが居たとするなら定価の70%ちかくもあるかも知れません。
ですが、そんなイレギュラーでもない場合は定価の60%くらいが買取査定になると思います。
人気モデルだから「60%」も出ると思ってください。
定価2,295,000円に対し買取額は140万円くらいが妥当でしょう。
185万円の販売額が、為替以外にも「ライバル店頭の競争」「保管時のキズ」などの問題で下げざるを得ない状況になる可能性を前提に査定されるからですね。
解2.人気モデル 査定140万円
第3問
金無垢モデルの話です。
ここでの注目ポイントは「人気」です。
パテックフィリップもブルガリもフランクミュラーも、この記事を読んでくださっている方は皆さんご存知ですよね?
それくらい有名な時計ブランドです。
なんとなく定価が高い方が、中古は安くなっちゃう「ギャップ大・モデル」だと感じていらっしゃるとは思いますが
人気の度合い・・・言い換えると「希少性」で、もの凄い差が出ることがわかります。
同じような国内定価のノーチラスとクレイジーアワーズ。
中古品の場合490万円と200万円と、その差約300万円!
どうしてだろうか?
ノーチラスのローズゴールドモデルは非常に個体数が少なく、希少性・需要が高いモデルと言えます。
逆にクレイジーアワーズは、フランクミュラーの人気の陰り、モデルの不人気、ホワイトゴールドの不人気、ダイヤモンドの派手さがマイナス要因になっている「不人気モデル」と言えますね。
イエローゴールドやピンクゴールドのノーマル・トノーであれば、ここまでの下落は無かったでしょう。
それがブルガリのアショーマです。
ブルガリ自体は人気があるとは言えませんが、重量感と高級感のある・・・
いかにもアジア圏の消費者が好きそうなイエローゴールドの「塊」感が定価に対して50%という好水準を保っているのです。
「日本人」に不人気であっても、爆買対象であれば「人気モデル」の仲間入りができますね。
それでは買取査定です。
ノーチラス 5711/1R-001 は超人気モデル、付属品あり2016年の印と好条件なので
中古販売額の80%は堅いですね。
新品相場は570万円くらいでした。
ZENAMIの売却方程式に入れます・・・488万円を570万円で割りますと86%くらいになりました。
場合によっては高額ゆえ90%でも欲しい時計ショップはありますので、440万円までは計算できそうです。
それでもすぐに売れて50万円もの利益があります。
第1問のオメガ シーマスター300であれば10本分の利益です。
アショーマ AA48C13GLDは人気モデル(爆買対象)です。
SSに比べ低い査定になりがちですが、中古販売額の70%は堅いですね。
新品相場が75万円くらいでした。
方程式に入れます・・・65.8万円を75万円で割りますと88%になりますね。
うーん・・・無いな。88%はマズない、頑張って80%、普通は70%でしょうか。
70%の45万円からオーバーホールと仕上げを買取店がしないといけないので費用
(オーバホール代3万円+仕上げ代1万円)を引いた査定になるでしょう。
クレイジーアワーズは不人気モデルでしょう。さらに国内正規でないと国内での正規修理ができません。
となると、中古相場の30~50%程度の査定になることを覚悟しないといけません。
一応新品相場を調べましたが情報が無く、定価に対し60%で見ると350-370万円くらいになるでしょうか?
198万円を370万円で割ると、53%なのでやはり5割が上限なんですかね。
100万円以上の買値査定がつけば万々歳でしょう。
解3.金無垢はモデルで大きな差が出る
第4問
中古であっても定価超えをするデイトナ ステンレススティール 116520。
今回は白文字盤でしたが、黒文字盤の方が10万円ほど高値で取引されます(定価は同じです)。
今年生産終了になったため今後状態の良い個体は値上がりが期待できそうです。
人気については「超」が2つほど付く人気モデルですね。
新品の黒文字盤は135%(約168万円)と希少性が高いことが伺えます。
では、買取査定です。
G番なので新バックル(梨地プレート)、スーパールミノヴァ夜光でしょう。ルーレット刻印で保証書付き。
中古販売値に対し、超人気モデルなので80~90%の査定額はあるんじゃないでしょうか?
100~112万円までは計算できますが、オーバーホール・仕上げ代(5万円)は引かれるでしょう。
148万円が新品相場とします。
125万円×(125万円÷148万円)-5万円(修理)=100万円となりました。
解4.超人気モデル 査定額95~107万円
第5問
ロレックスのシードゥエラー・ディープシー116660の2モデルです。
新品のDブルーは、定価越えの超人気モデル(定価超えは人気モデルで間違いありません)
中古の黒文字盤は858,000円とだいぶお買い得に感じました。
人気度を見るため、新品の相場をチェックします。
ZENMAIの腕時計売却方程式に組み込みます。
人気度は中古価格を新品価格で割った値です。
858,000円÷1,050,000円=0.817
81.7%と比較的高い数字が出ましたので「超」が使いない「人気モデル」と言えますね。
続いて方程式の買値計算も。
2010年製なのでオーバーホールをすると踏みます(費用は業者価格で4万円程度か)
(858,000円×0.817)-40,000円=660,986円
だいたい66万円程度の買値が出れば上出来でしょうか?
新品Dブルーは喉から手が出るほど欲しいかな?
85~90%くらいの査定額は新品販売相場から計算できそうですので
115~120万円くらいになるのでしょうか?
解5.Dブルーは超人気 黒文字盤でも人気 査定額は新品Dブルー 115~120万円 中古黒で66万円~
第6問
同じくロレックスのプレミアムモデル GMTマスター2 116710の中古品です。
画像の様に新品はわずかにですが定価以上の値をつけていますので「超」人気モデルと言えますね。
では、855,000円で販売されている中古品です。
855,000円÷918,000円=0.931
93%とスーパーハイスコアが出ました。
中古も需要の高い人気モデルという事がわかります。
※そもそも中古で定価近いので人気モデルという事はわかりますけどね。
方程式に当てはめると2015年モノでノーメンテナンスなら79万円もの査定額になりますが、どうでしょう?
ちょっと無理かな?
解6.超人気モデル 査定額は中古で70~79万円
第7問
皆さんご存知の旧型サブマリーナーデイト 16610 K番です。
販売終了時の定価に比べて107%と、人気ぶりが伺えます。
新型の116610LNの登場により、旧型も引っ張られたのでしょう。
628,000円と言う中古価格は割高にも感じますが、人気ゆえ仕方ありません。
新品価格が無いので方程式には当てはめず、ロレックスのSS人気モデルなら80%をベースにメンテナンスなどの費用を引くのが良いでしょう。
(628,000円×0.8)-40,000円=462,400円
そうですね・・・40~46万円くらいが目安でしょうか?50万円出たら万々歳と言う結果でしょう。
解7.人気モデル 査定額40~46万円
第8問
この問題は「コンビネーションの人気」が注目ポイントです。
コンビになると「金」を使うため高級感は当然増しますが、定価もググっとあがります。
SMサイズのレディース タンクフランセーズはSSモデルで定価359,100円(税込)
コンビネーションで804,600円(税込)と大きく変わりますね。
時計を使うシチュエーションからも「金」を使ったモデルはやや控えられるため人気はSSに比べ低めでしょう。
さすがにロレックスのデイトジャスト116233NRは定価に対して64%と割と高い数字をキープしていますが、
タンクフランセーズは厳しいですね。
「コンビ」「レディース」「カルティエ」「生産終了」のキーワードが関わっているのでしょう。
まず116233NRを見てみましょう。
新品の相場がわからないので80%の103万円で固定します。
すると中古の828,000円は新品相場の80%となりました。人気モデルですね。
よって、Z番2006年の個体は828,000円×0.8-40,000円=622,400円くらいになるでしょう。
次にタンクフランセーズSMのコンビ
278,000円÷570,000円=0.487
人気度は普通ですね。やや低め。
278,000円×0.487-15,000円(クォーツの外装仕上げとメンテナンス費用)=120,386円
約12万円か・・・もう少し買値査定はありそうですね。
12~17万円程度はあると思いますが、定価の80万円で買っていたら2割程度まで凹みますね。
解8.コンビネーションはメーカー・モデルによって差が大きい
第9問
今回のモデルは「相場」を調べないとダメだよと言う「罠」です。
ブライトリングのクロノマット・エボリューションは生産終了から時間が経過しているため「新品」相場はありません。
問題の画像で中古相場を35万円程度に固定してしまうと、思わぬ落とし穴にはまります。
大きく重いマッチョなクロノグラフなので、ブライトリングと言うメーカーから「ほどほど」の掛け率で買おうと試みます。
358,000円をベースに、人気度は普通、2004年の個体でオーバーホールは必要だな・・・計算しましょう。
358,000円×0.6-40,000円=174,800円
約17万円の査定額になりました。
しかし上の画像をご確認ください。
安いお店では20万円台で販売されています。
楽天市場でも25万円程度から販売されていますので、中古の状態は様々ですが
販売価格はよほどでない限り一定ではありません。
17万円のつもりで査定に行って10万円と言われてガッカリしないようにしましょう!
解9.人気は普通 査定額12~15万円
第10問
パネライの定番モデルPAM00090 パワーリザーブです。
2002年の少し古めのモデルでオーバーホールをメーカーで行っていました。
社外製のストラップに交換されています。
455,000円÷573,980円=0.792
中古の需要はありそうですが、新品は60%と普通ですね。
査定を方程式に入れてみます。
455,000円×0.792=360,360円
おおよそ35万円前後の査定になりそうです。
他社も45万円以下の販売値は無いので大丈夫ですね。
解10.中古であれば人気は高め 査定額は35万円前後(ストラップ代引かれるかも)
まとめ

ZENMAIの腕時計売却方程式
いかがでしたでしょうか?「ZENMAIの腕時計売却方程式」
中古販売価格×(中古販売価格÷新品並行販売価格)-メンテナンス費用=買取(売却)査定額
当然ですが「ZENMAIの腕時計売却方程式」は「きやすめ程度」の考え方です。
ばっちり当てはまるわけでもありませんし、買取査定をする側の在庫状況や為替によっても上下するでしょう。
付属品に有無によっても違いますし、取れないような大きなキズでも評価は変わります。
一括りで販売価格と言っても「中古」には千差万別の条件があります。
まったく同じものは無いので、なるべく近い状態のものをモノサシにして計算すると良いですね。
ただ先に知っていれば、リセールを優先するのか、好みを優先するのかで購入すべき腕時計が決めやすくなるのではないでしょうか?
すぐ買い換えたいなんて方はリセールバリューが高いモデルを選んだ方が有利です。
一生売らないよ!って方は、誰に何を言われようが好みで選ぶべきです。
結果だけ見ればロレックスのステンレス素材のスポーツモデルは異常にリセールバリューが良い事がわかります。
現行機種は少しの損でリセールできますし、古い中古はリセールするとプラスになることもあるのです。
マンションなども住みながら価値が上がる地域がありますね。
それと同じでロレックススポーツは使いながら価値が上がるモデルがあるんです。
不思議ですね。
人気度順 査定掛け率表
最後に「ZENMAIの腕時計売却方程式」は
現行機種に限ります。
新品と中古の相場がわからないと計算できないからですね。
計算と言っても「人気度」ポケモンGOなら「CP(個体地)」が、決められないからです。
じゃあ、モデルチェンジしたら使えないじゃないか!
まぁそうですね(笑)
なので「オマケ」で人気度順をざっくり記載して終了します。
(査定掛け率は中古販売価格に積算します)
人気度順
★★★★★(時計ショップなら喉から手が出る人気機種・・・超超人気)
査定掛け率80~90%
現行機種のSS三針スポーツ・パテックフィリップ
良個体のSSデイトナ
★★★★☆(時計ショップに目玉としてよく並んでいる・・・超人気)
査定掛け率75~85%
ロレックスSSスポーツモデル
金無垢・プラチナのデイトナ
三大ブランドのSSスポーツモデル
★★★☆☆(リセールバリューが良いと言えるモデル・・・人気)
査定掛け率60~80%
ロレックスのドレスモデル
ロレックスのロレゾールスポーツ
現行品の三大ブランド各種
ランゲ&ゾーネ各種
ブレゲ・ブランパンのスポーツモデル
現行機種のオメガ・パネライ・タグホイヤー・カルティエ各種
★★☆☆☆(リセールは普通)
査定掛け率40~70%
ブライトリング・IWC・CHANEL・ブルガリ・ゼニス・ブレゲ・ブランパンなど
旧モデルのオメガ・パネライ・タグホイヤー・カルティエ各種
ロレックスのチェリーニ
各社のクォーツモデル
★☆☆☆☆(リセールは悪い)
査定掛け率20~50%
不人気になってしまったブランド・モデル
壊れてしまっている
しかもかなりアバウトです。
新し過ぎる新作や、新品がもう無い中古では使えません。