My First known Rolex 初めて知ったロレックスと時代背景
このサイトに来る時計好きの方、愛好家、専門家など色々な方々でロレックスを嫌いな人は殆ど居ないでしょう。
僕が初めてロレックスを知ったのは、1970年代の小学生の時です。
当時親父のネイチャー系雑誌の裏表紙にロレックスの広告に小学生の僕は目を惹かれます。
氷壁をアイゼンとピッケルで氷を砕き登るアルピニスト、
子供心にカッコイイイメージの時計と感じ、「将来はこの時計が欲しい」と心に誓ったのを覚えています。
表紙は登山家のメスナーでした。

Frankfurt Book Fair 2014
1970年代から90年代を代表する、イタリア人登山家で、チョモランマ(エベレスト)はじめ、多くの山を無酸素登頂で制覇して、名を馳せた方で、ご存知の方も多い筈です。
そんな彼はロレックスの広告で主に、エクスプローラⅡの広告で使われてきました。
現在と違い、冒険や登山、極地探検が花盛りの1970年代はロレックスは積極的に、登山などをバックアップをして、パブリシティとして使っていました。
1970年代、クオーツ時計業界の隆盛
この1970年代はスイス時計産業の岐路となった年代です。
日本を始めとした、クオーツ時計業界の拡大がスイス業界のマーケットを奪い、スイス国内時計産業に大きなダメージを与えてきました。
当時のクオーツ時計の隆盛は時計産業が主力だったスイス国内も雇用にも影響がありました。国内時計産業の従事者が1970年代は約9万人、しかし1984年にはおおよそ3分の1の約3万人に激減します。
しかしスイス時計産業はこの時期、時計産業のグループ化を集中させて、世界レベルでマーケットを結束させます。
①スウォッチ、②リシュモン(カルティエ)③LVMH(タグホイヤー)などとグループ化により販売網を充実させて競争力をつけました。
また機械式時計の資源資本を集中させ、職人の雇用育成、部品会社の買収で、安定した製造や部品提供を可能にして、流通を再構築、2010年代へのV字回復へ導くのです。
特にスウォッチグループは2011年にも全世界で2800人の新たな雇用を創出、同年には高級時計ケース製造の「シモン・エ・メンブレ」の資本を60%買取、スウォッチグループ内の部品提供の安定化に努めています。
単独峰を目指す、ロレックス、市場、部品から全てを自社内で
しかしロレックス社はそんな中、単独で他のメーカーの様なグループに所属しないで、孤軍奮闘しています。
デイトナのムーブメントを一時期、ゼニス社から提供を受けた時期もありましたが、現在は完全に自社生産になっています。
ロレックスは完全自社生産にする事で品質管理を徹底的に強化している気がします。
僕がロレックスを使っていた時感じた事は本当丈夫な時計だと常々感じていました。
多少ぶつけても時間も狂わなく、また軽い水泳などでは腕につけたまま泳いでも、故障もしませんでした。
そんな頑強な時計だと言う声は私だけではありません。世界中のユーザーから頂いた手紙もロレックスのホームページでは公開しています。
そしてびっくりする様なストーリーが公開されています。
これは1985年にドイツ人のスキー愛好家がオーストリア、ザルツブルクでのスキー競技の後に自身のロレックスが無くなっている事に気づきました。
すぐに観光案内所に、「もし時計が見つかったら」と連絡先を届けたのです。しかし当時本人は時計は見つからないと諦めていましたが、なんと2ヶ月後に発見の知らせの電話が入りました。
氷の中に2ヶ月閉じ込めらたロレックスは氷をハンマーで砕き取り出した時計は秒針も、日付カレンダーもしっかりと、まだ動いていたのです。
この様に、他のメーカーではあり得ない、アルプスの雪氷の中で、低温そして雪氷の圧力の中、ケースも壊れずに2ヶ月閉じ込められて尚も動く、「堅牢な時計」を作り出すプロセスはロレックス社のホームページではその時計の試験方法を公開しています。
無作為抽出では無く、試験に合格した時計のみが市場へと流通します。これはやはりロレックスの拘り以外の何物でも無いでしょう。
そしてグループ企業では自社一貫生産で時計の材料であるホワイトゴールドを鋳造する製造工程は他社では到底無理な話です。
あのアップルでさえ、部品製造はアウトソーシングで行う時代、製造業の一連の工程から考えると、経費面ではかなりコスト高になると思います。
現在のロレックスはスイス国内の4つの施設で、デザイン、ケースブレス、ムーブメント、ダイアルと貴石のセッティングを行なっています。
この様な自社一貫生産で、高い耐久性を持った時計を作る事は、「過剰品質」では?という声も出てきます。
グローバル化が進んだ現在のマーケットでは過剰品質はコスト高に繋がり、企業経営を圧迫するという声も当然ある筈です。
しかしロレックスはホームページにもある『ROLEX WAY』を貫き、人件費の安い海外へ工場を移転させずにスイス国内でできるだけその国内に拠点を集中させる事で、創設時から貫く、堅牢性の高い時計を作り続けています。
これは株式を上場させていない事が可能にしている物でもあります。
空気が薄く、ブリザードが吹き荒れる高い標高の山頂を目指す、登山家のハンマーを振り下ろす手にもロレックスはその動きを妨げずに、壊れる事の無い、時計を作り続ける事。
そして素晴らしい事は全てのモデル(レディースウオッチにも)にその堅牢性を適用させている事でしょう。
いかがでしたか?
ロレックスは単純に高価なだけの時計ではありません。
高価でも値段以上の堅牢さが愛好家がこの時計を愛して止まない理由だと考えます。
ロレックスを買った事の無い人も是非そのロレックスの堅牢さを体験して欲しいと僕は考えます。