資産としてのロレックス
新品を買って手放す時に儲かるモノ、中古で買って手放す時に儲かるもの。
フェラーリ、腕時計、美術品ぐらいでしょうか。
その中でも最も初期投資額が少なく安定しているのがロレックスの腕時計だと思います。誰に説明を受けたわけでもありませんが、いい年齢の大人になればどこかで、
「買うならロレックス、売ってもお金になるから」
こんな話を耳にするはずです。
そうなんです。ロレックスの腕時計は買っておしまいではありません。売却すれば現金として手元に返ってくる資産性の高い商品なのです。
例えばどのぐらいの資産性の高さなのか?
ロレックス サブマリーナ 116610LN で見てみますと
2017年2月
・新品販売価格
「874,800円」
↓↓↓↓
・2015〜2016年販売品の中古買取価格
「65万円〜70万円」
新品を買って使って飽きて売ったとしても2割強の損しかしていません。
もちろん中古で未使用品なんかを798,000円ぐらいで買えたとすれば飽きて売却しても10万円程度の損で抑えられるという事です。
世の中にここまで高額で安定した取引ができる嗜好品は腕時計だけです。
唯一のリスクと言えば盗難でしょうか。ロレックスの腕時計は故障さえ安価で直すことができますから。
しかしどのロレックスでも同じような高率の値段で買い取ってくれるのか?
それは違います。もちろん種類や条件、売る場所によっても買取値段はバラバラです。
資産としてのロレックスを意識しつつ好きなデザインの腕時計を買うためにはそれなりの知識、いわゆる「ロレックス投資学」が必要になってきます。
ちなみに上の写真のサブマリーナ3本ですが、一番資産価値があるのは真っ黒なステンレスのサブマリーナです。
真っ黒なステンレスのサブマリーナはイエローゴールドコンビのサブマリーナ2本の半分の定価ですが、売却すればイエローゴールドコンビのサブマリーナの2倍の値段で売却することが出来ます。
これは実話です。
一体何故なのでしょうか?
それではロレックス投資額の3条件を見ながら解説していきたいと思います。
ロレックス投資学の基礎3条件
まず条件を書いていきます。
・生産終了品(個体が減少するだけで増加しないこと)
・唯一性のある特徴を持っていること
・コンディションが抜群であること
簡単に書くとこの3つの条件を満たしているものが相場を維持しやすく、為替や経済状況の変化がによりロレックスの腕時計の相場が動き始めた時には上昇に転じやすいという性質を持ちます。
それではこの3つの条件を一つづつ見てまいります。一度3つのサブマリーナの画像から離れて、1980年代のサブマリーナコンビ16803を例にあげて投資学基礎3条件を見てまいりましょう。
生産終了品(個体が減少するだけで増加しないこと)
1980年代にはどこにでもありふれていた16803 サブマリーナコンビ ですが気がつけばレア物になってしまいました。1980年代と言えばBMWと16803というのがお金持ちのボンボンの定番スタイルでした。そのため世の中にはたくさんの16803が存在していたはずです。
しかし現在のロレックス市場にて見かけることがどのくらいあるでしょうか?
毎日腕時計店のオンラインショップのパトロールをされている方でも良い商品は半年に一度あるか無いかという状況だと思います。
生産終了品は故障や、紛失により減少はすれども増加することはございません。
25年という歴史がありふれたロレックスを「レア物」にまで昇華させてしまったのです。ロレックスで言えばデイトナばかりが注目されてしまいますが、投資学3条件をしっかり見ていけば他の人が注目していないレアロレックス予備軍を入手することが出来ます。
その上ではまず生産終了品である個体を選ぶことが資産性の高いロレックスを所持するオーナーになる第一歩であると言えます。
唯一性のある特徴を持っていること
さて、それでは2つ目の条件である唯一性について見てまいります。
ただ古いだけのロレックスであれば市場に溢れかえっています。ではなぜこの16803 サブマリーナコンビはレア物になれたのでしょうか?
それは外装にひと目でソレとわかる強烈な特徴を持っていたからに違いありません。
「フジツボインデックス」
※海辺で見かけるフジツボのように目盛りのドットインデックス部分が先細りになっているデザインです。インデックスの下に肉眼でも見える空間があることも特徴的です。
そうなんです。現行サブマリーナコンビとの違いが一目でわかる特徴を持っているのですね。そしてこの仕様のサブマリーナ16803は非常に短命でして3〜4年しか製造していなかったと思います。
ただ古いだけでは無く極一部の個体にのみ採用された唯一性のある珍しい特徴を備えていたこともこのサブマリーナコンビ16803がレア物になった大きな要因の一つになります。
こういった個体の少ない特徴はロレックスを売却する際に売却側のイニシアチブを極大に増加させます。
いわゆる「欲しいなら譲ってあげてもいいよ?」という状態です。金銭的な交渉で風上に立てるという事ですね。
これは個人売買でも、対会社取引でも同様だと言えると思います。
珍しいという謳い文句で腕時計を販売しているケースは多いと思いますが、目で見て一目で珍しいと認識できる特徴を持っている腕時計はスグに売り切れますしそれがロレックスとなれば、時計販売店やバイヤーにとってはまさに最高の商材なのです。
目で見て分かる特徴、ライムベゼル、200タキベゼル、フチなしインデックスなど、明らかに目で見て取れる特徴を持つロレックスは為替には左右されても相場が緩やかに上昇する傾向が強いです。
コンディションが抜群であること
最後の条件は状態が抜群であることです。
状態とは、
「時計本体のコンディション」
「個体のオリジナリティ」
「付属品の有無」
このあたりがポイントになると思います。さてこの16803について見ていくと、まさかのノンポリ個体です。新品で買われて一度もメンテナンスせずに押入れの中に有りました。内部の機械は心配ですが、ロレックスオタクなら理想的なアンティークの生き残りシチュエーションですね。
そのおかげか針もインデックスもトリチウムのまま、その他外装部品も交換はされておりません。日本ロレックスでメンテナンスをした場合針や文字盤、風防を交換されてしまうと、針と文字盤はトリチウムからルミノバインデックスに交換されてしまいますし、風防には交換したという刻印が入ってしまいます。
結果、いくら綺麗でももうアンティークコレクターの食指は伸びないわけでございます。今回の16803は押し入れにずっと入れてあったのでパーツ交換の心配も無いわけです。
最後に付属品の有無ですが、この16803は箱、保証書、プライスタグ、クロノメータータグ全て当時のオリジナルのまま残っております。
冊子は文字の色が変わる&年代が書いてあるため最近の年代のものを添付してもバレてしまいますし、箱の中身のマクラも同様です。明らかにこの個体は当時のオリジナルの付属品でございます。
本体のコンディション、オリジナリティ、付属品全ての状態要素においてこの16803は完璧と言って問題無いと思います。だから、10万円高くても、20万円高くても買う人がいます。
なぜなら、そんな個体は世の中に数えるくらいしか無いからです。
今買って10年置いておけば間違いなくプラスです。なぜなら腕時計のコンディションは購入したその日から下がるしかありません。コンディションが回復することはありません。
磨きをかけて表面上、OHをして内部のオイルのコンディションが回復したとしてもそれが新品状態を上回る事はありません。
要は「腕時計とはいかにコンディションの劣化を最小限に食い止められるか」ここに尽きます。
その点使われず、付属品も無くさず、そういう極上のコンディションの商材は10万でも20万円でも高い資産性を誇るのです。
なぜならコンディションとは一度劣化させると二度と元に戻らないという特性が有るからです。
まとめ

最初のサブマリーナ3本
さて今回は3つの条件である
・生産終了品(個体が減少するだけで増加しないこと)
・唯一性のある特徴を持っていること
・コンディションが抜群であること
について16803を例に挙げて見てみました。
最後に最初の質問に戻ります。
「写真のサブマリーナの中で最も資産性が高いのはどれか?」
答えは一番下のステンレスの黒いサブマリーナノンデイトです。
なぜなら、
・生産終了の14060
・ティファニーコラボレーション
・状態抜群
であるからです。実際体験談に基づいて私はお話していますが、このサブマリーナを売却した時は有り得ないくらい利益がでました。サブマリーナがもう一本買えるくらいですかね(笑)
今回から始めたロレックス投資学、次回は実際他の人に差をつける買い方を書いていきますのでよろしくお願いします。それでは失礼します。
ヒントは細部まで細かく見ることです。