トレンド
流行りにのるというのも面白いもので、ファッションや食べ物の様にロレックスにも流行が存在しています。
2016年は食べ物で言えばパクチーが流行りましたね。ファッションで言えば今までの細身のスタイルから大きめのトップスを敢えて選ぶオーバーサイズが流行しました。
ではロレックスのトレンドとは?という事で2013年からのロレックスのトレンドを振り返っていきたいと思います。
2013年のトレンド 新たなベストセラー
2013年からのロレックスといえば毎年トレンドモデルを変えながら緩やかに上昇相場を続けて来ました。
2013年の米国の景気回復と2012年年末に誕生した自民党安倍政権による円安相場の形成こそが上昇相場のスタートである。
しかし2013年にはそれ以外にも上昇相場を形成する要因がありました。
2013年はバーゼルワールドで発表されたロレックスのスポーツモデルが軒並み高評価だったことも国内ユーザーに活気を持たせる結果になりました。
ヨットマスターIIのステンレスモデルは今までシードゥエラーディープシーしか無かった大型ロレックスを求めるユーザーへの新たな選択肢となりましたし、
デイトナ116506は発売されるなりキムタクをはじめとした著名人から所謂高額時計を愛するセレブリティユーザーにまで爆売れでしたね。700万円オーバーなのに関係なしの売れ行きでした。
でも1番のヒットモデル、そう「トレンドモデル」はこれでしたよね。
ロレックスの2013年のトレンドモデルと言えば間違いなく
116710BLNRで決まりだと思います。
登場以来定価以下で販売されていた記憶はほとんどありません。
やはりロレックスのカラーリングベゼルモデルは強いと再認識させてくれたのがこのGMTマスターII青黒ベゼルでした。
発売当初に着けている人は本当に目立ってましたね〜
ロレックスのトレンドモデルの特徴ですが、人気がある間は供給不足が慢性的に続きますので需要と供給の関係が如実に価格に転嫁されます。
簡単に言うと「どんどん値上がりする」という事です。
面白いことに毎年腕時計を買い換えているのにトレンドモデルのロレックスを買い続けている人って全くお金を使っていなかったりします。
流行りそうなロレックスを先に買って、買った値段より高く買取してもらえるときに次のトレンドモデルに買い換える。
腕時計を買い換えているのにお金をほとんど使っていない。という謎現象が起きたりしますね。
まさにロレックスという腕時計の趣味の醍醐味でもあります。
トレンドを押さえておけば飽き性な男性でも毎シーズンいろいろなロレックスを着けて遊ぶことも出来てしまいます。
さてそれでは2014年以降のトレンドも見ていきましょう。
2014年のトレンド 世界が青ブーム
2014年のバーゼルは2013年の当たり年と比較すると「まぁ地味」というのが総評でしょう。
2014年のバーゼルワールドから顕著に文字盤の青いモデルが腕時計業界全体のトレンドになって参ります。
以前は黒文字盤と白文字盤に比べて一歩劣る印象があった青い文字盤ですが、近年では青もスタンダードカラーとしてラインナップするブランドも増えましたので市民権を得たと言えるでしょう。
そしてロレックスにも意外な形で青文字盤が登場します。それがミルガウス116400GV ZBERですね。
2007年に復活を果たしたものの当初にプレミア価格を付けすぎた為に大暴落をしたロレックスとして有名なミルガウス、150万円で116400GV買った人もいたとかナントカ。
その後落ち着いていたミルガウス市場に突如青文字盤が投入されたのである。
ただでさえアクの強いオレンジの針に青文字盤というロレックスらしからぬチョイス。
しかしながらアブノーマルな腕時計を好む個性派層から支持され販売開始当初には並行輸入店から正規販売店まで売り切れラッシュが続きました。
しかしミルガウス 116400GV ZBERは爆発的なトレンドモデルと言うには勢いは弱く、定価を大幅に超えて取引されるモデルにはなりませんでした。
2014年には16600の正統後継機種であるシードゥエラー4000も発売されたのですが、定価が100万円オーバーという事とデザイン的な話題性の無さでこの時はまだ日の目を浴びることはありません。シードゥエラーの詳しい事は後半で書いていきます。
と言った具合で2014年は超人気モデルは不在のまま2013年の116710BLNRを主体としたGMTマスター高騰の流れが続いて行きます。
2014年の影トレンドと言えばこのGMTマスター16710の2色ベゼルモデルでした。
おそらく箱、保証書付きの良個体をまともな値段で買えた最後の時代だと思います。2015年からは中国からの渡航ビザ緩和の影響もあって海外に16710は大量流失していきます。
私自身16710の赤×黒を使っておりましたが、2015年辺りから全く買う気がしない値段に突入していきました。2014年ぐらいまでにGMTマスターの2色ベゼルを確保出来ている人も的確にトレンドの波に乗れている方だと思います。
それでは次のページでは2015年以降の流れに参ります。
2015年のトレンド 海外需要を色濃く移す
2015年は海外からの爆買い需要によってロレックス相場が支えられた1年でした。
バーゼルワールドではウブロ人気に同乗したラバーバンドのピンクゴールドヨットマスターに、デイデイト、レディースの金無垢モデルなどがデビュー。
近年稀に見るズッコケバーゼルワールドとなっておりました。
しかし2014年終盤からシードゥエラーディープシー 116660 DBLUEのデリバリーが開始した事で話題には困りませんでした。
2015年のトレンドはズバリ海外需要でした。
日本人には大きいシードゥエラーディープシー 116660 DBLUEも外人さんには大ウケ。日本の腕時計屋なのにお客さんはみんな外人という奇怪な現象が始まりました。
青サブや黒サブといったイエローゴールドコンビのサブマリーナ16613、116613も中国の方に大ウケ、2015年に躍進した腕時計のひとつ。
16613を持っていた人は2015年にめちゃくちゃ資産価値が向上しましたね。いまいちコンビモデルって日本のロレックスユーザーには受け入れられていなかった印象がありました。
元々好きな人はいましたが、大半の方は仕事でも使えるステンレスモデルを好んでいたと思います。
その為日本市場ではコンビモデルは定価が高いのに中古では割安な値段で買えていたのです。
しかしながらその安さに目をつけた外国人が爆買い。
コンビモデルは軒並み高騰いたしました。
2014、2015年は日本市場が本格的にシンガポール、香港といった世界の腕時計マーケット相場の1つに組み込まれたと思います。
超円高時代が到来しない限り腕時計相場は大暴落しにくくなりました。国内で値段が下がれば海外からバイヤーが買いに来る。ですので株式の原理と同じで直滑降で値段が下がり続けるという事象は起きにくくなりました。
安くなったら買う人がいるということです。
2016年 デイトナ激動相場のスタート
2016年は前年のズッコケバーゼルワールドから一新、最強布陣を用意してきたロレックス。
デイトナ116500LN、エアキング116900、ヨットマスター116622ダークロジウム、デイトジャスト126333と隙のない布陣。
2016年はどれも申し分なく主役級ですが、やはりトレンドウォッチはデイトナ116500LNでしょう。
ロレックスファンが1番注目するモデルチェンジですからね。
国内では2016年5月からデイトナ116500LNのデリバリーがスタート。発表から販売までの早さに驚きましたね~
今までは発表から販売まで半年ぐらいかかっていましたがロレックスも発表直後に販売できる様に生産体制を整えたものだと思います。
しかしこのデイトナ116500LNも右肩上がりに相場上昇したわけではありません。
トランプさんがアメリカの大統領になるまで2016年は円高による腕時計相場の下落が起きておりました。
発表当時は200万円近くで販売されていたデイトナ116500LNも2016年9月位には160万円位まで値下がり致します。
このままダラダラ下降するかと思いきやアメリカでトランプ氏が選挙に勝利、またもや円安方向に為替が動きだしデイトナに神風が吹きます。
そしてみんなの予想以上に値上がりしたのが旧デイトナ116520ですね。
今までのロレックスはディスコンが決定してもダラダラと2年ぐらいデリバリーがありました。
しかし今回の2016年デイトナ116500LNの発表の後はピシャリと116520のデリバリーがストップ。
その為2016年に起きていたデイトナ116520が市場に溢れている問題が一瞬で解決。
今度は逆にデイトナ116520足らない問題が勃発。ランダムデイトナは瞬く間に150万円を越えるモデルに急成長。
まさに2016年は近年におけるデイトナトレンドイヤーとなったわけです。
そして2016年浮き彫りになったのがロレックスのディスコンモデルの枯渇の早さなのです。
2011年廃盤のモデルが2013年に新品で販売される事などロレックスではしばし見られたストック品販売ですが近年ではパタッとなくなりましたね。
ロレックスのディスコンモデルの枯渇の速さは2010年辺りと比べても明らかに加速しております。要は迷っていたら気付いたらまともな値段では買えなくなるということです。
そして2016年のデイトナイヤーを終えて遂に2017年に突入する訳です。
2017年のトレンド 不人気モデルの台頭
2017年ロレックスのスポーツモデルが高騰している中でチャンスの巡ってこなかった2つのモデルに注目が集まっております。
2017年のトレンドは
「ヨットマスターとシードゥエラー」になると思います。
実は両方共サブマリーナをベースとしたハイエンドモデルなのですが、イマイチ評価されてこなかった背景があります。
ヨットマスターで言えば、プラチナをベゼルにと文字盤に使用したラグジュアリーモデルなのに定価が高すぎるし、シルバーの文字盤という事で敬遠されていました。
シードゥエラーで言えば実際に着けてみると分厚くて腕周りが細い人が着けると時計が乗っている様に見えますし、2014年にベゼルを専用設計してまで116600を発売したのにみんな欲しいのは青黒ベゼルのGMTマスターだったという不遇のモデルでした。
ロレックスのプロフェッショナルスポーツモデルの中では十分な役割と性能を兼ね備えていた2本ですが、
トレンドモデルとなる「キッカケ」が無かったのです。
しかし2017年このヨットマスターとシードゥエラーは2つのキッカケを手に入れ躍進することになります。
次のページではヨットマスターとシードゥエラーがトレンドモデルになりうる理由を解説していきます。
相場から取り残されていた2本
ヨットマスター自体は2016年からデイトナの影に隠れてジワジワと上がっておりました。
116622 ヨットマスターのロレジウム文字盤(プラチナシルバー)が廃盤になるということで116622のシルバー文字盤に注目は集まっておりました。
その影響からか旧モデルの16622も安くて良コンディションのモデルも売りに出されては即売れという状態が起きていました。
実は私は以前にヨットマスターを購入した記事を書いております。そしてそのときに「上がります」と断言していました。
この時からヤフオクでも楽天市場でも、時計屋さんのサイトでも最安値は5万円以上上昇しています。
私個人としてはハッキリいうと買って2ヶ月ですがもうほぼ損しないで売ることが出来ます。
ディスコンモデルの枯渇の早さ
2016年のトレンドの時にも書きましたが、ここ2年ぐらいのロレックスのディスコンモデルの新品供給の終了の早さは異常です。
バーゼルモデルがすぐに店頭に来るのと同じで、すぐに廃盤品は販売しなくなります。
その早さがユーザーの想像を超えて早かったのです。特にヨットマスターの116622のシルバー文字盤は気付いたらほとんど新品が無くなっていたのです。
いつでも買えるものは欲しくないのですが、「もう無い」と言われると急に人間は欲しくなりますね。
短期間で新品供給が止まった事が1つヨットマスターのトレンドモデルになりえたキッカケのひとつですね。
シードゥエラー4000もバーゼルで新作が発表されてから即座に新品が正規店と並行輸入店から姿を消しましたね(笑)
ほぼほぼ1週間で日本の在庫は枯渇したのでは無いでしょうか?
他のモデルに比べて割安だったこと
定価588,000円のサブマリーナ16610が中古で60万で売れるのに、
定価976,500円のヨットマスター116622が中古で60万円で売れない。
冷静に考えればそんな事無いのです。デイトナやサブマリーナが値上がりする影で値段の上昇しなかったヨットマスターはいつの間にか「お買い得モデル」になっていたのです。
周囲のモデルは値上がりを続ける中で1年間値上がりもほとんど無く、周囲の値上がりにより気付いたらお買い得モデルになってしまったのです。
2017年の動向を見守りましょう。
毎年トレンドモデルを変えながら話題を提供してくれるロレックスマーケット。
元々値段が定価よりかなり安く取引されていたシードゥエラー4000がどの程度まで伸びるのかは私個人の注目の的です。
ただし現在は米国と北朝鮮問題など、緊張した世界情勢もすぐ隣にある問題です。
相場が一気に下落することだってありますし、為替が100円を切ったら間違いなくロレックスの安売りが始まります。
そういった時にもトレンドモデルは値段が下がりづらいという特徴もありますのでロレックスの資産としての側面も腕時計の趣味の一つであるという考え方をお持ちの方は是非トレンドを気にして頂きたいと思います。
色々とまとまり無く書いてしまいましたが2017年はシードゥエラーとヨットマスターの年になるような気がします。
それでは本日はこの辺りで失礼いたします。
潮流。